人工知能（AI）

この1年間でAIは驚異的な進歩を遂げた。ここに紹介するイノベーターたちはAIを用いてあらゆる分野を再定義し、AIが安全に使用できることを保証しようと取り組んでいる。

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  サーシャ・ルッチオーニSasha Luccioni

  大規模AI言語モデルが、ライフサイクル全体を通じて排出する二酸化炭素量を推定し、測定する優れた方法を開発した。彼女が作成を支援したツールはすでに30万回以上、ダウンロードされている。

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  シャロン・リーSharon Li

  訓練に用いられていない状況にAIが遭遇したことを検出する「安全機能」研究のパイオニア。現実世界でのAIのトラブルを防ぐ。

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  アイリーン・ソライマンIrene Solaiman

  生成AIが誰にとっても安全かつ適切に動作するように、AIモデルのリリース方法についての標準化された明確なプロセスを構築している。

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  コナー・コリーConnor Coley

  化学者が新分子を発見したり、合成したりするのを支援するオープンソースのAIソフトウェアを開発。生成AIの手法を用いることで、化学者が実際に試すべき候補の数を大幅に絞り込める。

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  キャサリン・デ・ウルフCatherine De Wolf

  建設業における廃棄物を減らすために、取り壊しの際に出る古い資材の再利用を促す「マッチングアプリ」を開発。循環理念への移行を支援する。

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  プラナフ・ラージプルカールPranav Rajpurkar

  人間があらかじめ大量の画像にラベルを付けなくても医療画像診断AIを訓練できる「自己教師あり学習」の技法を開発。医療用AIシステムの性能を専門家レベルにまで向上させた。

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  アルフセイン・ファウジAlhussein Fawzi

  AIを利用することで、人間が考案した従来のアルゴリズムよりも高速に行列の乗算を実行する方法を発見。50年間破られなかった記録を更新した。

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  リチャード・チャンRichard Zhang

  異なる画像の視覚的類似性を評価する、かつてない優れた指標として「LPIPS」を開発。画像生成AIの理論的な基礎を築いた。

医学／生物工学

イノベーターたちはテクノロジーを活用して、極めてミクロなスケールで人体を理解し、がんと闘うための新しい方法の発見や筋ジストロフィーの治療を試みている。

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  タイラー・アレンTyler Allen

  腫瘍細胞が血液中を移動する様子をリアルタイムで捉えるライブ・イメージング・システムを開発。がんの転移を可視化し、治療に役立つ知見を提供する。

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  ダニエル・マイDanielle Mai

  百日咳菌のタンパク質から、本物に近い人工軟組織を作成。ヒトの皮膚や筋肉のように機能する新しい素材の開発に取り組む。

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  コートニー・ヤングCourtney Young

  クリスパー（CRISPR）を使った筋ジストロフィー治療法を開発。従来よりも広範囲な遺伝子変異に対応し、根本的な治療を可能にする。

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  ジャーウェン・リーJiawen Li

  3Dプリンター製の超薄型内視鏡を開発。動脈硬化、動脈破裂を予見する高画質画像を生成する。

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  ニコール・ブラックNicole Black

  破れた鼓膜を修復する、まったく新しい素材を3Dプリンターで作製。医療デバイスにおける3Dプリントの活用を広げる。

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  クリスティーナ・キムChristina Kim

  特定の刺激に対し、脳内のどの神経細胞が反応するのかを特定する手法を開発。精神神経疾患に対する効果的な治療法の開発を促進する。

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  ジュリア・ジョンJulia Joung

  幹細胞が特定の細胞へ分化するにあたって、それぞれの転写因子がどのような影響を及ぼすのかをまとめた「アトラス」を作成。

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  張本 哲弘Tetsuhiro Harimoto

  がんを自動的に検知して攻撃するようにバクテリアを改変することで、「知的な生きた薬」を開発する研究を進めている。

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  アンナ・ブラクニーAnna Blakney

  現在のmRNAワクチンを改良して、副反応を抑えて安全性を高めると同時に、ワクチン接種の効果を長続きさせるべく研究を進めている。

エネルギー／持続可能性

気候危機は多様な角度からの回答を求めている。イノベーターたちは、二酸化炭素回収、電池製造、送電網の管理といった問題を解決しようと取り組んでいる。

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  アワイス・アーメドAwais Ahmed

  従来の観測衛星の最大10倍の情報量を提供するハイパースペクトル衛星を打ち上げ。「地球の健康監視システム」を構築している。

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  モニーク・マクレーンMonique McClain

  ロケットの打ち上げなどに使われる推進剤を3Dプリントで製造。特性を細かくコントロールした高エネルギー材料の製造を可能にする。

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  シヴァランジャニ・シータラマンSivaranjani Seetharaman

  再エネやEVの普及、マイクログリッドの導入などで複雑化する電力送電網を管理するソフトウェアを開発。送電網のパフォーマンスを向上させる。

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  ピーター・ゴダートPeter Godart

  廃棄されたアルミニウムをエネルギー源として利用する化学プロセスを発明。リサイクルの方法を確立し、あらゆる産業で使用される持続可能な燃料への転用目指す。

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  ヨン・ソクジョYoung Suk Jo

  トラックや船舶の動力源として、アンモニアを燃料として使用できるシステムを開発。運輸業における温暖化ガス排出量の削減に貢献する。

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  デイビッド・マッカニックDavid Mackanic

  自身が開発した不燃性のポリマー電解質を利用して、折り曲げ可能な柔らかいバッテリーを開発。バッテリー組み込みの家電製品などをより自由に設計できるようにする。

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  ヤユアン・リウYayuan Liu

  電気化学的反応で稼働する二酸化炭素回収装置をを開発。将来は各家庭への設置を目指す。

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  スタッフォード・シーハンStafford Sheehan

  大気中から回収した二酸化炭素を、アルコールに変換するプロセスを開発。ジェット燃料に利用することで、航空産業の脱炭素化を促進する。

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  トンチャオ・リウTongchao Liu

  蓄電池が充放電できなくなる原因をつきとめ、寿命を3倍に延ばす正極を発明。同時に、製造コストを削減し、材料にコバルトを使わなくても済むようにした。

コンピューティング

より環境に優しいチップから量子コンピューティングのブレークスルーまで、コンピューティング分野の新たな進展は多岐にわたる。

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  ヤティシュ・トゥラキアYatish Turakhia

  新型コロナ変異株の世界的な拡散の全体像を、遺伝子的に詳細に示すソフトウェアツールの開発に貢献。リアルタイムでの高精度監視を可能にした。

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  バラス・カナンBharath Kannan

  従来の量子ビットよりもエラー率の少ないフラクソニウム型量子ビットを構築し、制御するための新しい回路を開発。他のタイプの量子コンピューターよりもシンプルなハードウェアで制御できることも実証した。

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  クアンサン・ヤンQuansan Yang

  生分解性を備えた微小電気機械システム（MEMS）チップを発明すると同時に、低コストで廃棄物を最小限に抑えた新たな製造プロセスも開発。デバイスのライフサイクル全体で持続可能性を実現する。

ロボット工学

イノベーターたちの力によって、クルマの運転からトンネル掘削、宇宙空間での人間支援まで、ロボットには今まで以上にさまざまな役割を求められている。

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  レニー・チャオRenee Zhao

  折り紙技術にヒントを得たミリメートル級の医療用ロボットを開発。柔軟かつ器用な動きで医師を支援する。

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  シバニ・トーレスShivani Torres

  ジェットエンジンの熱を利用してどんな岩石でも貫通できる切断トーチを開発。送電網を地下に埋設する際に不可欠な技術として普及を目指す。

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  フォレスト・マイエンForrest Meyen

  宇宙探査コストを削減し、将来の宇宙でのレアアース獲得を目指す。

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  ダニエル・オメイザDaniel Omeiza

  自動運転車における「説明可能性」の問題に取り組み、車の動作に関する、視覚および言語ベースの説明を自動生成するモデルを開発している。

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  ビクトリア・ウェブスター・ウッドVictoria Webster-Wood

  ロボットをもっと動物に近づけて、環境により優しいものにするために、さまざまな生体素材を使ってロボットを構築している。

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  レレル・ピントLerrel Pinto

  ロボット自身が学習しながらデータを収集する「自己教師あり学習」の手法を開発。AIロボットの訓練には大量のデータが必要になるという問題点を解決して、多用途向けの家庭用ロボットの実現を目指す。