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  50 Smartest Companies companies

スマート・カンパニー50

MITテクノロジーレビューは、革新的なテクノロジーと効果的なビジネスモデルを組み合わせた優れた企業50社を「スマート・カンパニー50」として発表する。 by MIT Technology Review Editors2017.07.19

MITテクノロジーレビューでは毎年、重要なテクノロジーと豊富なビジネス知識を組み合わせ、新たなチャンスを生み出している企業50社を選出している。アマゾンやアップルのように永遠に成長を続けるイメージのある大企業、IBMやGE(ゼネラル・エレクトリック)のようなテクノロジーの革新に社運を賭けている老舗巨大企業もランクインしているが、野心的なスタートアップ企業も多い。たとえば、再利用型ロケットを利用して宇宙旅行の経済性を変革しつつあるスペースX、顔認識テクノロジーの先駆者フェイス・プラス・プラス(Face ++)、あるいはカーボン(Carbon)やデスクトップ・メタル(Desktop Metal)といった積層造形企業だ。リストに掲載された各企業に対してさらなる視点を得られるよう、「日本企業がMITのスマート・カンパニーにランクインしなかった理由」も併せてお読みいただければ幸いだ。

  1. 1エヌビディアNvidia
    本社所在地米国カリフォルニア州サンタクララ
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価90.9億ドル

    概要 エヌビディア(Nvidia)の売上の大半はいまだビデオゲーム用のグラフィックチップだが、AIソフトウェア向けプロセッサーの大手プロバイダーとしての地位を確立しており、AI関連の新しいビジネスが急速に成長している。直近の四半期決算では、データセンターおよび自動車事業の収益は、前年度比でそれぞれ186%および24%増加した。同社は、主要なインターネットおよびクラウドサービスプロバイダーのすべてがエヌビディアのチップを使用して処理を加速しており、トヨタを含む多数の大手自動車メーカーが自律運転技術に採用していると述べている。

    30億ドル データセンター向けの 新しいチップを開発するための研究開発費

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  2. 2スペースXSpaceX
    本社所在地米国カリフォルニア州ホーソン
    ジャンル輸送
    上場区分非公開企業
    企業価値評価120億ドル

    概要 スペースXは2017年、積載物(ペイロード)搭載ロケットの宇宙への打ち上げ、回収、再整備、再打ち上げが可能であることを証明した。 再利用できるロケットは宇宙旅行をはるかに安く、速くするものであり、スペースXの長期目標である惑星間輸送システムの確立に不可欠なものだ。また、スペースXは、リサイクルロケットの整備に要する時間を1年から数カ月に短縮し、ファルコン・ヘビー(Falcon Heavy)・ブースターの予備実験を開始した。2017年後半に実験が終了した暁には、世界で最もパワフルなロケットになる見込みだ。

    10% 再利用ロケットで貨物を運ぶことに同意した顧客に対して検討している値引き

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  3. 3アマゾンAmazon
    本社所在地米国ワシントン州シアトル
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価4793億ドル

    概要 アマゾンは、コンピューター・ビジョン、機械学習、自然言語処理など、幅広い人工知能テクノロジーを使用し、モバイル・コンピューティングとショッピングを再構築している。 音声反応アシスタント、アレクサ(Alexa)は、今ではテレビから自動車まであらゆるものをコントロールし、次世代の重要なコンピューティング・プラットホームになろうとしている。 アマゾンは伝統的なショッピング体験もシアトルの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」コンビニエンスストアで効率化している。 客は店舗に入り、商品をスマホのアプリでスキャンし、購入した商品を持ち出すだけだ。 アマゾンは人工知能、カメラ、センサーを使って客が選んだ商品を認識し、自動的に課金する。レジの列に並んだり、その場で商品の精算をする必要がない。

    1万2000本 ソフトウェア開発者がアレクサ向けに公開したプログラムの本数

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  4. 4トゥウェンティー・スリー・アンド・ミー23andMe
    本社所在地米国カリフォルニア州マウンテンビュー
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分非公開企業
    企業価値評価

    概要 2006年の創業以来、消費者に遺伝子検査を直販してきたパイオニア企業トゥウェンティー・スリー・アンド・ミー(23andMe)は、米国食品医薬品局(FDA)によって健康情報提供を禁止される災難に見舞われた。 しかし、2017年になって規制当局が方針を変更、遅発性アルツハイマー病、パーキンソン病など8件の疾患の発症リスクに関する遺伝子レポートの販売を許可したため、主力事業である消費者向けの直販型遺伝子検査を再開した。顧客が送付した唾液検体からDNAを抽出後、イルミナ(22位)製のDNA遺伝子型判定チップを使って、健康と祖先の情報に関連する特徴を採集し、顧客はオンラインで結果にアクセスできる。現在、トゥウェンティー・スリー・アンド・ミーには、全世界で200万人以上の顧客がいる。同社のサービスは、受精率、うつ病、パーキンソン病、さらには爪を噛む癖など、数多くの研究プロジェクトで利用されている。

    100万人以上 自分の遺伝子情報の科学研究への使用に同意した顧客の人数

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  5. 5アルファベットAlphabet
    本社所在地米国カリフォルニア州マウンテンビュー
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価6739億ドル

    概要 アルファベットの子会社は、さまざまな領域において、人工知能(AI)、拡張現実(AR)、実質現実(VR)のテクノロジーのリーダーである。 ディープマインド(では、人間の知性を模倣し素早く学習するためのAIシステムの新手法を絶えず考案している。自動運転プロジェクトであるウェイモ(Waymo)は性能の改善を続けている。トップ・エンジニアがライバルのウーバー(Uber)に転職した後は、ウーバーを提訴して積極的に自社の知的所有権を防衛している。 最大にして最も有名な子会社のグーグルは、ハードウェア・メーカーと協業し、デイドリーム(Daydream)VRプラットホーム用にスタンドアローン型VRヘッドセットを製造している。 新モデルでは、ディスプレイとプロセッサーが組み込まれ、スマホがなくてもセンサーを利用してバーチャル世界でのユーザーの動作を上手にトラッキングする。

    40% アルファベットが主張する、子会社のディープマインドの機械学習アルゴリズムを利用して削減できるデータセンターのエネルギー量

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  6. 6アイフライテックiFlytek
    本社所在地中国 合肥
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価68億ドル

    概要 アイフライテックはすでに中国の音声認識市場を支配しており、現在では自動車、家庭、ロボット、学校向けの音声認識コマンドシステムを展開している。 昨年、音声で自動車、テレビ、家電を制御できるシステムを発売。家庭用ロボットを製造するスタートアップ企業に投資し、リアルタイム翻訳機能を組み込んだ教育製品を開発する共同事業会社を設立、世界中の人工知能関連スタートアップ企業に投資する大型ファンドも立ち上げた。 同社によると、開発者16万人以上がアイフライテックのソフトウェアを使用し、4億人以上が同社のソフトウェアが組み込まれた製品を利用しているという。

    70% 中国市場における、アイフライテックの音声ベース技術のシェア

  7. 7カイト・ファーマKite Pharma
    本社所在地米国カリフォルニア州サンタモニカ
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価57億ドル

    概要 免疫療法を手がけるカイト・ファーマは、本来、病原菌と戦う体内のT細胞を採取し、がんと戦うように加工する。 非ホジキンリンパ腫に対する治療法として最先端であり、1回の治療で被験者の3分の1以上が、治療後6カ月で症状が落ち着いて安定した状態になった。治療に関連して、既知の副作用による死亡が2例(被験者の約2%)あるが、米国食品医薬品局(FDA)の承認は近いようだ。

    39% カイト・ファーマの1回の治療後6カ月で症状が安定した悪性リンパ腫を持つ被験者の割合

  8. 8テンセントTencent
    本社所在地中国 深セン
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価3500億ドル

    概要 2016年はテンセント(Tencent)にとって躍進の年だった。テンセントは中国最大のソーシャルネットワーク、ウィチャット(WeChat)を運営するとともに、世界最大のビデオゲーム企業である。ウィチャットはすでに月間9億人のアクティブ・ユーザーがいるが、テンセントはモバイルアプリの拡張を続け、今ではメッセージアプリ、オンラインゲーム、ショッピング、ミュージック、ビデオ、P2Pペイメントを提供している。テンセントは、豊富な機能によって新規ユーザーを獲得、ウィチャットのアクティブ・ユーザーを増やし、より多くの広告とサービスを販売しようとしている。4月には時価総額で米国の大手金融機関ウェルズ・ファーゴを抜き、世界のトップ10企業入りを果たした。

    50% ウィチャット(WeChat)の7億7000万ユーザーのうち、1日に90分以上サービスを使うユーザーの割合

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  9. 9リジェネロンRegeneron
    本社所在地米国ニューヨーク州タリータウン
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価555億ドル

    概要 眼や他の病気治療の実績がある、定評あるバイオテクノロジー企業。薬品開発に集中するため、遺伝子情報の利用に焦点を当てている。2017年3月、英国のバイオバンク、および製薬企業の巨人、グラクソ・スミスクラインと共同で、50万人のボランティアから得られた遺伝子データの配列から、薬品開発、およびDNAと病気の関連に対する研究を支援すると発表した。また、患者自身の免疫細胞を必要としない、腫瘍を標的とする「既製」の人工T細胞の作成にも注力している。「既製」の人工T細胞は、この分野の治療を容易に拡大できる方法である。2016年度の売上高は49億ドル、純益は約9億ドルだった。

    50万人 薬品開発、およびDNAと病気の関連に対する研究を支援するため、遺伝子データを提供する英国ボランティアの人数

  10. 10スパーク・セラピューティクスSpark Therapeutics
    本社所在地米国ペンシルバニア州フィラデルフィア
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価19億ドル

    概要 進行性の失明に対する治療と、血液凝固異常症の血友病Bと戦う治療試験もしている。試験内容は、第9因子と呼ばれる血液凝固タンパク質をコード化して正しく修正した遺伝子を運ぶウィルスによる静脈内治療。男性の5000人に1人が血友病に冒されており、これまで治療は高額であるため注目される。

    3万人に1人 レーベル遺伝性視神経症に冒されている患者の推定数

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  11. 11フェイス・プラス・プラスFace ++
    本社所在地中国 北京
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価10億ドル

    概要 中国では顔認識サービスが普及しており、フェイス・プラス・プラス(Face ++)のソフトウェアは中国の人気アプリケーションの大半で使用されている。普及しているオンライン決済プラットホーム、アリペイ(Alipay)では、顔をIDにしてログインや支払いをするため、中国版ウーバーの滴滴出行(ディディチューシン)はフリーランス運転手の確認のため、スマホアプリ開発メーカーの美图(メイツ)は非常に緻密なフォトレタッチ機能を提供するため、フェイス・プラス・プラスのテクノロジーを利用している。2016年12月に調達した約1億ドルを含め、この数年で少なくとも1億4500万ドルを調達しており、創業5年目のスタートアップ企業であるフェイス・プラス・プラスは、顔認証企業として初の「ユニコーン」企業になると見られている。

    106ポイント 顔認識技術で追跡する顔面の最大ポイント数

  12. 12ファースト・ソーラーFirst Solar
    本社所在地米国アリゾナ州テンピ
    ジャンルクリーン・エネルギー
    上場区分公開企業
    企業価値評価43億ドル

    概要 オーストラリア・クイーンズランド州北部の140メガワットの太陽光発電所を含む、世界最大級の太陽光発電所数件を2016年に受注した。電力網に接続される太陽光発電所の開発、建設、運営を手がけている。また、シリコン太陽電池の代替として期待され、大きく進歩を遂げているテルル化カドミウム電池へも継続的に多額の投資をしている。今年も幸先よくスタートし、2017年第1四半期は予想以上の業績を発表、第2四半期にも期待が集まっている。

    29億ドル 2017年度の予想売上高

  13. 13インテルIntel
    本社所在地米国カリフォルニア州サンタクララ
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価1600億ドル

    概要 インテルは、メイン市場としてるパーソナルコンピューター用チップの落ち込みを埋め合わせるために、人工知能(AI)を中心とした一連の投資・買収で利益を上げている。昨年、深層学習のスタートアップ企業ナバーナ(Nervana)、コンピューター・ビジョン・チップメーカーのモビディウス(Movidiu)、運転支援システムを供給しているモービルアイ(Mobileye)を買収した。モビディウスの買収によって中国のドローン大手DJIにチップを販売できるようになり、モービルアイの買収によって自律運転におけるBMWと米国の自動車部品メーカー、デルファイ・コーポレーションとの提携を実現した。2017年3月、人工知能への取り組みをさらに加速するため、AI製品グループを立ち上げた。

    46% PCチップ以外の売上高比率

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  14. 14クアナジー・システムズQuanergy Systems
    本社所在地米国カリフォルニア州サニーベール
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価16億ドル

    概要 コンパクト、低価格、高品質の自律型自動車システの開発を目指すスタートアップ企業は数多い。クアナジー(Quanergy)は、ソリッドステート技術を採用して信頼性が向上したレーザー・スキャニング・レーダー製品を最初に開発した。同社のライダー(LIDAR、レーザーによる画像検出・測距)は、コンピュータチップと同一の材料、製造プロセスを用いるため、比較的安価でもある。車のヘッドライトに組み込めるほど小型であり、最新の運転支援システムで利用でき、2021年までには自律型自動車に組み込まれる見通しだ。

    250ドル 自律型自動車用S3ライダー(LIDAR)センサーの価格

  15. 15ヴェスタス・ウィンド・システムズVestas Wind Systems
    本社所在地デンマーク オーフース
    ジャンルクリーン・エネルギー
    上場区分公開企業
    企業価値評価191億ドル

    概要 この数カ月間で、ヴェスタス・ウィンド・システムズ(Vestas Wind Systems)は世界最大級の風力タービン供給者としての地位を確立し、米国市場をリードするゼネラル・エレクトリック(GE)を抜いた。 ナビガント・リサーチ(Navigant Research)によると、2016年下半期だけで約6500メガワットの発電能力を新たに供給した。デンマークの風力発電大手であるヴェスタスは、直近四半期で純利益を4倍にし、14四半期連続で黒字を計上した。 風力発電市場と風力発電の可能性を拡大するため、風力発電で得られるエネルギーの貯蔵に対する投資を模索している。

    14期 黒字を連続計上した四半期数

  16. 16アップルApple
    本社所在地米国カリフォルニア州クパチーノ
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価7614億ドル

    概要 ここ最近、革新的な新製品を発売せず、アップル・ペイ(Apple Pay)とアップル・ウォッチ(Apple Watch)に対して顧客は冷めた反応を示している。そうした中、アップルはアマゾンのアレクサ(Alexa)搭載のエコー(Echo)スピーカーに対抗する、シリ(Siiri)搭載のスピーカー、ホームポッド(HomePod)を発表した。 また、自律運転システムに関する研究も認めるなど、人工知能(AI)の優れた技術も宣伝しはじめた。 しばらく前から、それらのプロジェクトのためにロボット工学やAIの分野で優れた人材を密かに採用している。アップルのスマートなデザインの歴史と、ハードウェアとソフトウェアのスムーズな統合は、価値ある資産であることを証明するかもしれない。

    2570億ドル ゼネラル・エレクトリックの時価総額を超えるバランスシート上の現金

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  17. 17メルクMerck
    本社所在地米国ニュージャージー州ケニルワース
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価1825億ドル

    概要 製薬会社の巨人、メルクは免疫療法で市場で最も成功を収めている。肺がん患者に免疫療法が有効か判断するため、治験肺がん患者数が大幅に増えれば、売上は著しく伸びると予想されている。がん免疫薬「キイトルーダ(Keytruda)」は化学療法を受けたことがない患者の治験で承認されており、免疫治療のライバル製品より一歩先行している。

    390億ドル がん免疫薬「キイトルーダ(Keytruda)」の販売によって浮上する2017年度の推定売上額

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  18. 18カーボンCarbon
    本社所在地米国カリフォルニア州レッドウッド
    ジャンル先進製造プロセス
    上場区分非公開企業
    企業価値評価10億ドル

    概要 創業4年目のカーボン(Carbon)は、ポリウレタンやエポキシなどの高性能ポリマーを使って物体を高速プリントする。他の3Dプリント方法とは根本的に異なるアプローチで、一度に1つずつプラスチックの層を形成する方法を追求している。同社の技術ではポリマーオブジェクトを場合によっては他の3Dプリンターより数千倍高速にプリントでき、エラストマー(人工ゴム)や耐久性のある硬質プラスチックなどの幅広い材料を使用できるという。エラストマーを使ったミッドソール(運動靴内の柔らかく、衝撃吸収力性を持たせる部分)を製造するアディダス(38位)をはじめ、顧客数を伸ばしている。 ほかには、電動バイク、データセンター、冷却システムなどの顧客企業がいて、他の手法では製造が困難な部品の印刷などに使用している。

    10万足 アディダスがカーボンの技術を使って2018年末までに作る予定の運動靴の数

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  19. 19デスクトップ・メタルDesktop Metal
    本社所在地米国マサチューセッツ州バーリントン
    ジャンル先進製造プロセス
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 ベンチャー・キャピタル、ゼネラル・エレクトリック(GE)、アルファベットなどから約1億ドルを調達したデスクトップ・メタルは、本来プラスチックに焦点を当てた技術である3Dプリンティングの技術を使って、多くの製造業で不可欠な金属部品加工の新しい方法を提案している。簡単かつ経済的にこの種の加工技術実現するのは難題だが、製品価格を設定したことは、商用化に向けた着実な進歩の証だろう。 初めての製品はプリンターと焼結炉込みで12万ドルの予定だ。完全生産システムは2018年出荷予定で42万ドルを予定し、レンタルも選択できる。

    12万ドル 9月出荷開始予定の第1号製品の価格

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  20. 20アイオニス・ファーマシューティカルズIonis Pharmaceuticals
    本社所在地米国カリフォルニア州カールスバッド
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価69億ドル

    概要 RNA治療薬と呼ばれる新しいタイプの薬剤「スピンラザ(Spinraza)」をバイオジェン(Biogen)と共同で開発した。 2016年に承認され、既存の方法では治療が困難な脊髄性筋萎縮症と戦う。スピンラザは、化学的に強化されたRNA(リボ核酸)鎖であり、患者の細胞内にある遺伝子伝達分子の転写と一体化して、患者の身体が神経細胞が必要とするタンパク質を正確に集められるようになる。他の薬品でも、別の希少かつ重篤な5つの疾患に対して試験を実施している。

    36以上 RNAに的を絞った開発中の薬品数

  21. 21ガマロンGamalon
    本社所在地米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 今日最も普及している人工知能(AI)の手法は、システムの訓練のために大量のデータが必要となるものが多い。ガマロンの確率的プログラミングアルゴリズムは、数件のデータから学習可能で、高価なサーバーやグラフィック・プロセッサーを使わずにiPadやラップトップで実行できるので、はるかに効率がよいと主張している。2017年2月に突如として姿を現したこのスタートアップ企業は、現在、電子商取引や製造業の在庫データベースなど、異なる情報源からテキストデータを構造化して照合する支援をしている。同社はシード資金として445万ドル、米政府からも770万ドル調達している。

    100倍 他の機械学習手法に対するガマロンの技術の効率性

  22. 22イルミナIllumina
    本社所在地米国カリフォルニア州サンディエゴ
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価280億ドル

    概要 商用高速ヒトDNAシーケンサーのリーダーであるイルミナは、2016年10月、売上の急減を明らかにした。この事実は、シーケンサー機械市場が飽和した可能性を示唆している。2017年1月に発表した新機種「ノバセク(NovaSeq)」は、2日半で48人分の全ヒトゲノムを解析できる。これまでよりも低価格なノバセクは、将来、ゲノム解析費用を100ドルまで下げ、研究者が病気について得られる情報を大幅に増やす可能性がある。

    85万ドル 「ノバセク(NovaSeq)」2モデルのうち廉価版の価格

  23. 23フェイスブックFacebook
    本社所在地米国カリフォルニア州メンローパーク
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価4479億ドル

    概要 フェイスブックにとって騒々しい1年だった。ねつ造ニュース、ソーシャルネットワークアプリから投稿される暴力的コンテンツの削除への対応をめぐる激しい論争は、フェイスブックの人工知能(AI)の発展を妨害しなかった。 フェイしブックはコンピューター・ビジョン、ニューラル・ネットワークを活用して、AIアシスタント「M」の能力を大幅に拡大し、キャプションやタグがない写真を検索する新しい方法を開発した。フェイスブックのサービスに対する批判に対応するため、自殺の可能性があるメッセージ、テロを肯定するプロパガンダを認識するアルゴリズムなどに、AIアシスタント「M」の技術を使用している。

    20 フェイスブックの人工知能(AI)研究ツール「パールAI(ParlAI)」に組み込まれている自然言語データセット数

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  24. 24ユダシティUdacity
    本社所在地米国カリフォルニア州マウンテンビュー
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分非公開企業
    企業価値評価10億ドル

    概要 ユダシティは、無料オンラインコースから収益を得ようとして失敗し、今ではテクノロジー企業で必要なデータ分析、デジタルマーケティング、自動運転自動車のエンジニアリングなど、特定のスキルを教える授業を提供している。提供している「ナノ学位(nanodegree)」プログラムは毎月200ドルかかり、修了までに6~9カ月必要となるものが大半である。授業のうちの5つは追加の有償プログラムの一部で、修了者に6カ月以内の就職、または授業料の全額返金を約束している。受講者の就職の可能性を高めるため、大手企業にカリキュラムの開発支援と、修了者の採用検討に同意するよう、頻繁に依頼している。 また、修了者をテクノロジー系企業にマッチングして仕事を割り当てる「ブリッツ(Blitz)」というサービスを最近立ち上げた。

    15 選択した仕事に対してスキルを提供する「ナノ学位」の数

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  25. 25DJIDJI
    本社所在地中国 深セン
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価100億ドル

    概要 DJIは小型、高機能、低価格の機体製造で消費者向けドローン市場をリードしている。 999ドルのドローン「マビック・プロ(Mavic Pro)」は障害物回避などの先端飛行機能を誇り、アームとプロペラを折り畳んでバックパックに入れて運べる。 499ドルの最新型ドローン「スパーク(Sparc)」は、手のひらサイズでコーラの缶より軽く、手のゼスチャーで操縦できる。また、工業検査、捜索救助活動用に設計した堅牢なドローン「マトリックス(Matrice)200」で高収益の企業市場も狙っている。 2016年は売上14億ドルを記録し、2017年の収益は10億ドル超を見込んでいる。

    50% 北米市場推定シェア

  26. 26メルカドリブレMercadoLibre
    本社所在地アルゼンチン ブエノスアイレス
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価121億ドル

    概要 アルゼンチンに拠点を置くメルカドリブレ(MercadoLibre)は、南米国最大の電子商取引オンライン支払プラットフォームを運営する。いわばこの地域のアマゾン、イーベイ、ペイパルといったところだ。メキシコではアマゾンをしのぐシェアを獲得しており、ブラジルとベネズエラを含むそのほかの17の国で活発に事業を展開している。1999年の創業以降、南米経済の低迷をものともせず、新しい市場を開拓し、積極的な買収を仕掛け、財政面でも力強く業績を伸ばしている。

    1億8200万人 登録ユーザー数。昨年から20%増加した。

  27. 27マイクロソフトMicrosoft
    本社所在地米国ワシントン州レドモンド
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価5497億ドル

    概要 マイクロソフト(Microsoft)は、クラウド事業が成長を続けていることから、PCの売り上げへの依存度が下がり、 利益も増加している。消費者向け製品も、サーフェス・ブック(Surface Book)/スタジオ(Studio)/ラップトップ(Laptop)、拡張現実(MR)ヘッドセットのホロレンズ(HoloLens)などで再び活気づいている。より将来的な構想もあり、例えばデータストレージシステムとしてのDNAの利用や、マヨラナフェルミオンの操作に焦点を当てた量子コンピューティングへの独自のアプローチに取り組んでいる。

    150億ドル 商用クラウド事業による年間予想収益

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  28. 28リゲッティ・コンピューティングRigetti Computing
    本社所在地米国カリフォルニア州バークレー
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 リゲッティ・コンピューティング(Rigetti Computing)は、量子コンピューティングを利用した世界で最もパワフルなコンピューターの開発を目指すとともに、その処理能力をさまざまな企業が活用できる体制を整えようとしている。すでに量子チップのプロトタイプを開発しており、さらにこのチップを人工知能(AI)や計算機化学に応用するクラウド・コンピューティング・プラットホームを開発中だ。グーグル、IBM、マイクロソフトといった大手企業も量子コンピューティングの研究を進めているが、リゲッティは自社のアプローチの方がコストを低く抑えられ、より速くスケールできるとしている。

    6400万ドル 2016年に調達したベンチャー資金

  29. 29キンドレッドAIKindred AI
    本社所在地米国カリフォルニア州サンフランシスコ
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 他の人工知能(AI)関連スタートアップ企業とは異なり、キンドレッドAI(Kindred AI)が描く未来像は、知性のある機械が人間と協力して双方の能力を高めてゆく世界だ。そのシステムは、ロボットと人間のパイロットを組み合わせるもの。パイロットはVRヘッドセットと、手で持って操作できるモーション・トラッキング・コントローラーを装着する。ロボットは機械学習アルゴリズムによって動作するが、たとえば、倉庫の中で商品を並べる作業をしている時などに問題が起これば、人間が一時的に操作を担当できる。そこからロボットの学習内容が補強され、パフォーマンスも改善する。この技術によって、さまざまな作業に対応できる新しいタイプのAIと汎用ロボットが生まれるかもしれない。

    没入型テレオペレーション 人間がウェアラブル装置を通じてロボットをコントロールする、キンドレッドAIが開発しているテクノロジーの種類

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  30. 30ソフィア・ジェネティクスSophia Genetics
    本社所在地スイス ローザンヌ
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 ソフィア・ジェネティクス(Sophia Genetics)は、人工知能(AI)アルゴリズムを利用して患者のDNA配列を分類し、がんなどの病気のより迅速な診断を目指している。ビジネスモデルはツールの使用1回ごとに病院や医師から料金を徴収するもので、その額は50ドルから200ドルとされる。消費者向けの直接の販売はしていない。患者の数が増えるほど、分析は洗練されたものになると見込まれている。ソフィアのテクノロジーは現在、南米、ヨーロッパ、アフリカを中心に50カ国300カ所以上の病院で利用されている。

    10万6000人 これまでにソフィア・ジェネティクスの検査を受けた患者の数

  31. 31テスラTesla
    本社所在地米国カリフォルニア州パロアルト
    ジャンル輸送
    上場区分公開企業
    企業価値評価640億ドル

    概要 巨大工場の建設からソーラーシティ(SolarCity)の買収まで、テスラ(Tesla)は手を広げすぎではないかという懸念は確かに存在する。自動運転の事故と車のメンテナンスの問題もネガティブな材料だ。それでもテスラは大胆な賭けを続けている。持続可能性に焦点を当てたビジネスの中で、テスラは電気自動車、エネルギー貯蔵、太陽光発電のテクノロジーと経済的な実行可能性を向上させ、ブランド化に成功した最良の事例であることに変わりない。2017年に入って巨大電池工場の建設に本格的に乗り出したほか、夏には新製品としてこれまでよりも安価な「モデル3(Model 3)」を発表し、さらに大きな市場へと送り込む予定だ。モデル3の予約台数がすでに40万台を超えたことからも、確かな需要がうかがえる。

    ビッグ5が支配する デジタル・エコノミーは 何をもたらしたのか

    40万台以上 これまでより安価な「モデル3(Model 3)」の予約台数

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  32. 32オックスフォード・ナノポアOxford Nanopore
    本社所在地イギリス オックスフォード
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分非公開企業
    企業価値評価10億ドル

    概要 オックスフォード・ナノポア(Oxford Nanopore)の「ミニオン(MinION)」は、サイズ・重量ともにトランプ1組分ほどしかないDNAシーケンサーだ。DNAを500個のナノスケールの穴に通し、各DNA文字列が生み出す電気シグナルを測定することで配列を読み取る。12年と2億ドルを費やして小型軽量化に成功したことで、遠隔地でのシーケンスが可能になった。特にバクテリアやウイルスの同定や研究に活用されており、2016年にはブラジルでジカウイルスに感染した蚊のゲノム解析に使われ、発生源に関する手がかりを示した。オックスフォード・ナノポアは現在、イルミナ(22位)が独占している高速DNAシーケンサー市場に割って入り、幅広い有用性を示そうとしている。

    882キロベース オックスフォード・ナノポアのシーケンサーが連続して読み取ったDNAの最長記録

  33. 33フォックスコンFoxconn
    本社所在地台湾 新北
    ジャンル先進製造プロセス
    上場区分公開企業
    企業価値評価1600億ドル

    概要 フォックスコン(Foxconn)は、アイフォーン(iPhone)の製造会社であり、中国で最も力のある下請け製造業者でもある。郭台銘(テリー・ゴウ)会長の声明によると、米国のディスプレイ製造設備に70億ドルの投資を計画しており、数万人の労働者を雇用する可能性があるという。米国で労働者を雇用する可能性に言及しつつも、台湾の工場では人件費が高騰していることから、自動化に投資している。フォックスコンでは自社製の製造ロボット「フォックスボット(Foxbot)」を開発しており、すでに4万台が稼働中だ。戴家鵬役員は、最終的にPCやモニター、アイフォーンの製造をすべて自動化する計画だと述べている。

    6万件 中国の工場1カ所で自動化により削減された仕事の数

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  34. 34エム・コパM-KOPA
    本社所在地ケニア ナイロビ
    ジャンルクリーンエネルギー
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 エム・コパ(M-KOPA)は、サハラ以南のアフリカにおける、独立系太陽光発電事業者の最大手。ケニア、ウガンダ、タンザニアの消費者にクリーンな電力を日割りで提供している。2017年の春、大手通信会社サファリコムなどを通じて設備を導入した家庭が50万軒に達し、さらに新しい太陽光テレビ・システムを6万軒の家庭に導入した。

    50万軒 2017年春までに太陽光発電を導入した家庭の数

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  35. 35フォーオールセキュアForAllSecure
    本社所在地米国ペンシルバニア州ピッツバーグ
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分非公開企業
    企業価値評価

    概要 フォーオールセキュア(ForAllSecure)のサイバーセキュリティツールはソフトウェアの脆弱性を自動的に発見し修復するもので、カーネギーメロン大学での10年以上にわたる研究が元になっている。2012年にカーネギーメロン大学から誕生したフォーオールセキュアは、2016年には米国国防高等研究計画局(DAPRA)のサイバー・グランド・チャレンジで100台以上の自律型コンピューターを下して優勝、世界的な注目を集めた。このコンテストは、全自動化されたシステムがソフトウェアの脆弱性からリアルタイムにユーザーを守る可能性を初めて示すものとなった。セキュアは現在、最初の顧客(おそらく米国連邦政府機関や金融サービス会社、インターネット接続機器の製造業者と見られる)と契約を結んでいるところだ。

    14件 フォーオールセキュアのツールが発見した、ネットワーク機器の未知の脆弱性

  36. 36フリップカートFlipkart
    本社所在地インド バンガロール
    ジャンル金融
    上場区分非公開企業
    企業価値評価116億ドル

    概要 インドの電子商取引業界はアマゾンによる積極的な投資によって引っかき回されてしまったが、オンライン・マーケットプレイス最大手のインド企業フリップカート(Flipkart)はその影響を跳ね返し続けている。2017年4月、フリップカートは、テンセント、イーベイ、マイクロソフトといった国際的な大手テック企業から14億ドルの資金を調達した。取引の中で、フリップカートはイーベイのインド事業を買収。これにより海外からも顧客を集め、サードパーティの販売業者も国境を越えて商品を販売できるようになる。さらに競争力を高めるため、自社ブランドの製品ラインを広げるとともに、人工知能(AI)の専門家を雇ってWebサイトの商品検索とレコメンド機能の改善を進めている。

    116億ドル フリップカートの現在の評価額。インドの電子商取引スタートアップ企業としては最高額

  37. 37ブルーバード・バイオBluebird Bio
    本社所在地米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分公開企業
    企業価値評価45億ドル

    概要 毎年30万人近くの人々が鎌状赤血球病を持って生まれる。鎌状赤血球病は赤血球の形状にかかわる遺伝子の異常により起こる病気で、重度の貧血(特徴的な疲労感と息切れがある)、深刻な感染症、その他危険な症状を引き起こすリスクが増大する。患者の一部はこの症状に対処するため定期的な輸血が必要になる。またアフリカ、中東、アジアなどにルーツを持つ人はこの病気に罹患する確率が高くなる。2017年3月、パリの病院で新たな治療法を15カ月にわたって受けていた10代の患者から、症状が完全に消えたことが報じられた。この治療法は骨髄のDNAを改変するもので、開発したのはブルーバード・バイオ(Bluebird Bio)だった。同社は、副腎白質ジストロフィー(映画『ロレンツォのオイル』に登場した病気)と、重い貧血を引き起こす遺伝性の血液疾患であるβサラセミアの治療法開発にも投資している。

    66% 2016年の年間株価上昇率

  38. 38アディダスAdidas
    本社所在地ドイツ ヘルツォーゲンアウラハ
    ジャンル先進製造プロセス
    上場区分公開企業
    企業価値評価395億ドル

    概要 スニーカーメーカーのアディダス(Adidas)は、靴の製造方式を転換しつつある。2017年中にドイツ、アンスバッハでロボットを中心とした小規模な工場を稼働させ、現地でのオンデマンド生産を開始する予定だ。カスタム受注を受け付け、現地の流行に素早く対応する。よく似た工場を米国にも建設する予定だ。この発表は、アディダスが生産拠点をアジアから移しつつあることを示している。同時にアディダスは3Dプリンティング企業のカーボン(18位)と協力し、「フューチャークラフト4D(Futurecraft 4D)」に使われる格子構造のミッドソールなど、新しい素材生産方式を開発している。ミッドソールに使われるエラストマー(人工ゴム)は150種類もの材料配合が繰り返しテストされた。

    3億足 アディダスが毎年生産する靴の数。大部分がアジアで製造されている

  39. 39IBMIBM
    本社所在地米国ニューヨーク州アーモンク
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価1454億ドル

    概要 IBMは持続的に成長の見込みがあると判断したエマージングテクノロジーに対して引き続き投資をしている。分散型台帳技術のブロックチェーンもその1つだ。IBMの支援のもと、ウォルマートなどの法人顧客が、グローバルなサプライチェーンを流通する商品の追跡にブロックチェーンを利用している。長年にわたって投資家に約束している財政状況の好転にはまだ至っていないが、ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)サービスなどの新規ビジネスが、2016年には全収益の40%を占めるようになった。IBMは引き続き量子コンピューティングの開発も続けており、クラウドサービスとしての提供を計画している。

    IBMのワトソンは 結局何がすごかったのか?

    400社 IBMのブロックチェーン・アプリケーションを利用している法人顧客の数

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  40. 40ゼネラル・エレクトリックGeneral Electric
    本社所在地米国マサチューセッツ州ボストン
    ジャンル先進製造プロセス
    上場区分公開企業
    企業価値評価2374億ドル

    概要 120年以上の歴史を持つジェネラル・エレクトリック(GE)は、これまでに何度も経営戦略を転換してきた。8月1日に就任するジョン・フランネリーCEOのもとでは、おそらく再度の戦略変更があるだろう。しかし、ここ数年、風力や再生可能エネルギー、データ駆動型サービスの構築など、将来性のある分野に積極的に投資することに力を入れてきた。航空機エンジン、機関車、ガスタービンなど既存製品の監視を中心とした大規模なサービス事業は、データの取得と解析に力を入れてきた分野だ。これらのシステムには現在、人工知能(AI)が組み込まれ、性能の追跡や故障の予想に生かされている。シーメンスなど長年のライバル企業だけではなく、IBMのような新たな競争相手が産業機械の分析に進出しつつある中で、GEは2020年までに世界トップレベルのソフトウェアプロバイダーになることを目指している。

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    6万台 2020年までにインターネットに接続する予定のジェットエンジンの台数

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  41. 41アリババAlibaba
    本社所在地中国 抗州
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価3637億ドル

    概要 アリババ(Alibaba)はすでに世界最大の電子商取引企業だが、クラウド・コンピューティング・サービスのプロバイダーとしてアマゾンやマイクロソフトに挑戦しようとしている。アマゾン同様、アリババはかねてからオンラインストアと決済サービスのためのクラウド・インフラに投資しており、それを他の企業にサービスとして提供することを決定した。子会社のアリババ・クラウド(Alibaba Cloud)は今やグループ内では最も急速に成長する事業となり、中国本土を越える広がりを見せ、米国、ヨーロッパ、オーストラリア、東アジアにデータセンターを構えるにいたった。さらに、クラウド事業をてことして、小規模な企業の国境を越えた事業展開を促進する「電子世界貿易プラットホーム」プロジェクトの一環として、世界中の中小企業向けにビッグデータ・サービスを展開している。

    57% 中国の電子商取引におけるアリババのシェア

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  42. 42HTCHTC
    本社所在地台湾 桃園
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価730億ドル

    概要 HTCは衰退しつつあるスマートフォンのビジネスから、成長分野であるVRへとうまく方向転換した。ハイエンドスマホを毎年、発表してはいるものの、現在の中心事業はVive VRシステムだ。モーショントラッキング機能付きのViveは、自分の頭や腕を動かすだけで、バーチャル世界を歩き回ることができる。HTCはまた、グーグルとの提携を通じ、スマホもPCもケーブルもいらないスタンドアロン型VRヘッドセットの開発にも取り組んでいる。さらに1億ドルのアクセラレーター・プログラム「Vive X」を通して、世界中のVRスタートアップ企業60社以上に投資している。

    1500本 HTCのVRシステムVive向けに外部デベロッパーが開発したコンテンツの数

  43. 43ブルー・プリズムBlue Prism
    本社所在地イギリス ロンドン
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価5億9150万ドル

    概要 もし企業が日々の管理業務をソフトウェアのロボットに任せられれば、従業員はもっとレベルの高い仕事に力を注げるだろう。 これがイギリスに拠点を置くブルー・プリズム(Blue Prism)の宣伝文句だ。ブルー・プリズムの「ロボットプロセスによる自動化(Robotic Process Automation)」は、書類からデータベースへのデータ入力など、ルールに基づいて人間がこなしてきた作業を模倣するソフトウェアで、金融、ヘルスケア、法務などの業界の企業が次々に興味を示している。最近では、米国とオーストラリアにも進出し、アクセンチュアやIBMと提携した。現在の時価総額は約5億ポンドと、2016年3月に株式を公開してから10倍の伸びを見せている。

    189件 2015年の4倍以上となる、2016年に結んだ契約件数

  44. 44ジュミア(アフリカ・インターネット・グループ)Jumia (Africa Internet Group)
    本社所在地ナイジェリア ラゴス
    ジャンル金融
    上場区分非公開企業
    企業価値評価11億ドル

    概要 2012年創業のジュミア(Jumia、旧アフリカ・インターネット・グループ)は2016年春、アフリカ大陸で最初の「ユニコーン」スタートアップ企業となった。ゴールドマン・サックスを含む投資家から3億2700万ドルを調達し、評価額が10億ドルを超えたのだ。 現在は自社のWebサービス(ショッピング、旅行、食品配達、不動産、レンタカー)をすべてジュミアのブランド名で運営しつつ、劣悪な道路状況、疑い深い消費者、インターネット環境の未整備といったアフリカ地域の電子商取引の課題を克服し、拡大しつつある中流層の購買力向上に力を入れている。具体的には、委託型の販売代理店ネットワーク「ジェイ・フォース(J-Force)」など、いくつかのプログラムを立ち上げている。ジェイ・フォースは、インターネットへのアクセスが難しい、あるいは自分で注文することに抵抗を感じる顧客に代わって発注するサービスである。

    50万社 ジュミアのプラットホームを利用するアフリカの企業数

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  45. 45ベリタス・ジェネティクスVeritas Genetics
    本社所在地米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
    ジャンルバイオ医薬品
    上場区分非公開企業
    企業価値評価なし

    概要 ベリタス・ジェネティクス(Veritas Genetics)は、ハーバード大学のパーソナル・ゲノム・プロジェクトから派生したスタートアップ企業。2016年にイーライ・リリー(Eli Lilly)や中国江蘇省の製薬会社シムセア(先声药业)などから3000万ドルの資金を調達した。健康上の問題にかかわる顧客のDNAのさまざまな変異を検査し、検査結果をアプリで通知する。検査結果が出るまでには時間がかかるとの声もあり、分析への需要がどれほどあるのかも定かではない。2017年、新生児のゲノム情報を1回1500ドルで解析するサービスを中国で始めた。これに対し一部の専門家は、子供の将来に関する誤った先入観を持たせるのではないかと懸念している。

    1250項目 ベリタス・ジェネティクスの新生児向けサービスが親に通知する、新生児の疾病リスク、身体的特徴の項目数

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  46. 46ダイムラーDaimler
    本社所在地ドイツ シュトゥットガルト
    ジャンル運輸
    上場区分公開企業
    企業価値評価783億ドル

    概要 ダイムラー(Daimler)は2017年、世界初の大型完全電気トラック「アーバンeトラック(Urban eTruck)」を発表し、より幅広い顧客へ電気自動車を提供しようとしている。アーバンeトラックの連続走行距離は約200キロメートル。主に都市部での走行を想定しており、輸送業の重要な課題である騒音と排気ガスの削減に向けた選択肢を示した。しかし、電気自動車の弱みであるバッテリーの重さと高コストは変わらず、燃費のいい長距離トラックが電気自動車にすぐに取って代わることはなさそうだ。ダイムラーは2020年までにeトラックの市場投入を目指している。また、エヌビディア(1位)と開発を進めている人工知能(AI)搭載車など、自動車のコネクティビティ技術や自律運転の研究開発にも取り組んでいる。

    約200キロメートル リチウムバッテリーを搭載したeトラックの走行距離

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  47. 47セールスフォースSalesforce
    本社所在地米国カリフォルニア州サンフランシスコ
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価

    概要 セールスフォースは、2017年度(2017年1月決算)に84億ドルの収益を上げた。同社は今後5年間で、人工知能(AI)が人々の仕事の方法を変え、自社の顧客関係管理(CRM)ソフトウェアの成長を後押しすると見ている。2016年には自然言語処理のスタートアップ企業メタマインド(MetaMind)を買収し、2017年には機械学習を利用して文書を要約するアルゴリズムを公開した。このアルゴリズムは非常に洗練されており、文書要約アルゴリズムにありがちな、生成された文にあまりにも似たようなフレーズが繰り返されるといった問題がない。まだ人間の手による要約には及ばないとはいえ、メールの整理や日々のニュースの要約といった、私たちの仕事を将来、変化させる可能性がある。

    20% 顧客関係管理(CRM)市場におけるセールスフォースのシェア

  48. 48スナップSnap
    本社所在地米国カリフォルニア州ロサンゼルス
    ジャンルコネクティビティ
    上場区分公開企業
    企業価値評価211億ドル

    概要 フェイスブックとの競争激化に加え、ユーザー数の伸びが鈍化していることから、スナップ(Snap)の株価は3月の株式公開時に設定された17ドル前後にとどまっている。とはいえ、メッセージングアプリのスナップチャット(Snapchat)を擁するスナップは、買収したスタートアップ企業の技術を新機能の開発に活用して革新を続けている。ここ数カ月の間に、地図上でコンテンツをシェアできる機能と、フォトショップのように画像を編集できるツールが搭載された。新機能の追加によって、フェイスブックのアプリ(インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップを含む)をもう使わなくても済む、とのスナップの主張に一歩近づいた格好だ。

    30億枚 ユーザーが毎日作成するスナップの数

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  49. 49アント・フィナンシャルAnt Financial
    本社所在地中国 抗州
    ジャンル金融
    上場区分非公開企業
    企業価値評価600億ドル

    概要 アント・フィナンシャル(Ant Financial)は、急速に普及するモバイル端末決済サービス、アリペイ(Alipay)を運営するために、アリババ(41位)が2014年に設立した会社だ。グローバルな野心を持ち、インド、タイ、シンガポール、米国の金融ベンチャーに投資してきた。中国国内のモバイル端末決済の半分以上のシェアを占め、年間アクティブ・ユーザー数は4億5000万人以上にのぼる。アップル・ペイ(Apple Pay)のユーザー数が約1200万人にとどまっているのとは対照的だ。スマホで撮影した事故の現場写真を機械学習で処理する保険金請求システムなど、
    人工知能(AI)を利用した新商品も開発。機械学習で損害の度合を判定し、保険会社での請求プロセスを開始する仕組みだ。アントが決済処理前後に保有する顧客の資金は数十億ドルになると伝えられており、支払い履歴を参考に与信する消費者向けの小規模ローン事業も開始している。

    4億5000万 アリペイの年間アクティブ・ユーザー数

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  50. 50バイドゥBaidu
    本社所在地中国 北京
    ジャンル知性を宿す機械
    上場区分公開企業
    企業価値評価611億ドル

    概要 成長率の低下や著名な人工知能(AI)専門家の離脱にもかかわらず、バイドゥ(Baidu)は引き続きAIの研究に資金を注いでいる。2017年1月には、アマゾンのアレクサ(Alexa)に似た音声認識スマートアシスタント、デュアOS(DuerOS)を発表した。無人乗用車構想を強化するため、コンピューター・ビジョン分野のスタートアップ企業を買収し、部品メーカーのボッシュ(Bosch)やコンチネンタル(Continental)と提携。自動運転のハードウェアとソフトウェアをオープンソース・テクノロジーとして公開する計画を発表した。バイドゥがこれらのプロジェクトを商用化できるかどうかはまだ不透明だが、中国政府は自信を持っており、中国初となる国立AI研究所の運営を任せている。

    1300人 AIの研究に専業で従事する従業員の数

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