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宙返りに酔拳も——家族連れで賑わう上海のロボット祭りを歩いた
INTELLIGENT MANUFACTURING & ROBOTICS GLOBAL CO-INNOVATION CENTER
I spent a day at a robot “carnival” in Shanghai. Here’s what I saw.

宙返りに酔拳も——家族連れで賑わう上海のロボット祭りを歩いた

きらびやかな衣装のヒューマノイドが酔拳を舞い、別の一体が前方宙返りを決める。観客は「もっと、もっと」と声を合わせる——。上海郊外で休日に開かれたロボット・カーニバルは、中国で加速するヒューマノイド・ブームの縮図だ。世界のヒューマノイドの約9割を生産するこの国で、ロボットはいま街の人気者になりつつある。 by You Xiaoying2026.08.26

この記事の3つのポイント
  1. 中国製ヒューマノイドは世界出荷台数の約90%を占め、身体化AIは国家戦略の柱に位置づけられている
  2. 上海のロボットカーニバルでは武術や宙返りを披露するヒューマノイドが公開され、市民の関心を積極的に喚起している
  3. 安全性・価格・バッテリー寿命などの課題が残る中、中国企業はPR攻勢で社会受容の醸成を急いでいる
summarized by Claude 3

人型ロボット(ヒューマノイド)が中国で一大ブームを迎えている。人気を集めるこれらの機械は、人工知能(AI)を日常生活に取り入れるという中国の戦略の一翼を担っている。AI技術を物理的なシステムに組み込むという「エンボディドAI(Embodied AI:身体性を持つAI)」の概念は、中国の最新の五カ年計画の重要な要素であり、中国企業はすでに人型ロボット分野で世界をリードしている。昨年、世界で納入された1万3000台以上の二腕二脚ロボットのうち、約90%が中国製だった。

「見て、逆立ちしようとしてるよ」。11歳の男の子が、小型ロボット犬が次々と芸に挑むのを見ながら、興奮気味に叫ぶ。ここは上海郊外の研究開発センターが開いているロボット「カーニバル」の会場だ。母親にこのロボット犬を買ってもらったばかりの男の子は、うれしくてたまらない様子で、会場を行き交う人たちに得意げに見せて回っている。この日は祝日で、ロボットの実演を見ようと好奇心旺盛な家族連れが次々と会場を訪れている。

活気あるこの拠点には、ロボット技術や機器の研究、開発、製造、販売を手がける100社以上が集積している。重量物の搬送や下水管の点検など、実用的な作業をこなす、さまざまな形の専用ロボットを製造する企業も多い。

しかしこの日は、ロボットの実演が中心だ。親子連れがロボット犬を買おうと列を作っている場所から数メートル先では、2人のスタッフが子どもたちに四足歩行ロボットを階段で上らせる方法を教えている。さらに先では、水ビーズを撃ち合う2台の遠隔操作ロボットによる白熱した対戦が始まり、仮設リングを囲んだ男の子や女の子たちが声援を送っていた(スタッフの1人が引き分けを宣言した)。

一般の人々にロボットを間近で体験してもらう機会になるため、こうしたお披露目の場は重要だ。中国の有力ロボット企業の中には、人型ロボットを開発しているところもある。「ロボットは、人々を肉体労働や単調な雑事から解放します」と、カーニバルでコーヒーを淹れられるモデルを実演していたデックスフォース(DexForce)のヤン・ドゥアン製品部長は語る。数ブース先では、1対のロボットアームが、かごに入ったTシャツを畳もうとしていた。

ヒューマノイドを含むさまざまな形態のロボットが、一般来場者を楽しませながらその能力を披露した。
INTELLIGENT MANUFACTURING & ROBOTICS GLOBAL CO-INNOVATION CENTER

こうして人目に触れることには意味がある。中国以外では人型ロボットの進歩は遅く、その重さと2本の脚でバランスを取る必要があることに伴う安全上の課題に悩まされている。価格の高さとバッテリー駆動時間の短さも、その魅力を損なう。人型がロボットにとって最適な形なのか懐疑的なロボット工学者も少なくない。

しかし中国企業は前進を続け、最新モデルを積極的に披露している。このカーニバルが上海で開催されている一方、中国のほかのいくつかの都市でも、ショッピングモールや観光地で人型ロボットが群衆を前にパフォーマンスを披露している。北京では、二足歩行ロボットがハーフマラソンを走っている。少なくとも、上海でのこの週末に限っては、このPRキャンペーンは人々の心をつかみつつあるようだ。

フェスティバルのメインテントから拍手が沸き起こる。そこでは、きらびやかに飾られたトップスを着た人型ロボットが「酔拳」と呼ばれる武術を披露し、もう1台の人型ロボットが前方宙返りで観客を沸かせている。ステージ脇には、小型のロボット獅子の一団が、出番を待って列を作っている。

観客はまだまだ見足りないようだ。「もっと、もっと、もっと」と声をそろえて叫んでいる。

 

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ロンドンを拠点に活動するフリーランス・ジャーナリスト。中国について取材している。
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