気候テック10:「持ち運べるダム」で洪水に備えるウェーブセーブ
オランダのウェーブセーブは、水を注入して膨らませる可搬式のゴム製ダムで洪水から地域を守り、ためた水を灌漑(かんがい)にも生かす。 by Amy Nordrum2026.10.13
- この記事の3つのポイント
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- ウェーブセーブが開発した可搬式ゴム製ダム「SlamDam」が洪水対策と淡水貯蔵を両立
- 気候変動で2100年までに洪水被害人口が約20億人に達する見込みで対策が急務
- 初期費用の高さや所有・設置主体の課題があり、現地生産拠点設置で解決を目指す
世界の人口の5人に1人が、深刻な洪水に見舞われる高いリスクにさらされている。多くの人が十分な防護策のない地域社会に暮らしており、洪水の際に避難したり、恒久的に移住したりする経済的余裕もない。気候変動が引き起こす異常気象や海面上昇が、この問題をさらに悪化させている。
ウェーブセーブは、洪水発生直後の早い段階で迅速に設置できるSlamDam(スラムダム)と呼ばれる可搬式のゴム製ダムを製造している。誰でも、河岸や海岸沿いの地面にSlamDamを広げて、水を注入して膨らませることで所定の位置に固定できる。こうして立ち上がったダムの高さは最高1.3メートルに達し、水位が上昇する中で近隣の資産や構造物を被害から守る。
SlamDamは2013年にオランダで開発された。当初は同国の地域水管理当局によって試験導入され、現在も使用されている。その後ウェーブセーブはアフリカや東南アジアへと事業を拡大し、現在では少なくとも12カ国の顧客がSlamDamを導入している。
主要指標
潜在的インパクト
ある推計によると、気候変動と人口増加の両方の影響により、2100年までに洪水にさらされる人口は20億人近くに達するとみられ、これは2020年と比べて3億人の増加であるという。
SlamDamは、農地や個人の資産だけでなく、病院や浄水処理施設といった重要施設を守ることも目的として設計されている。堤防の建設や施設を高台に建て替えるといった恒久的な対策と比べ、短期的にはコストが低く抑えられる。また一時的な性質を持つため、必要に応じて設置し、その後は収納しておくこ …
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