KADOKAWA Technology Review
×
気候テック10:半固体電池でEVや船の電動化を進めるウェリオン
Yi Fan/VCG via AP Images
気候変動/エネルギー 無料会員限定
WeLion New Energy and its semi-solid-state batteries

気候テック10:半固体電池でEVや船の電動化を進めるウェリオン

中国のウェリオン・ニューエナジーは、リチウムイオン電池より安全でエネルギー密度の高い半固体電池を開発し、EVや船舶の電動化を後押しする。 by You Xiaoying2026.10.08

この記事の3つのポイント
  1. ウェリオンが半固体電池で824Wh/kgという従来比3倍超のエネルギー密度を実験達成
  2. リチウムイオン電池の安全性・容量不足を背景に全固体・半固体電池の開発競争が進行
  3. 高コストと量産化、耐久性データ未公開が課題で2026年以降の船舶・車両投入が今後の焦点
summarized by Claude 3

通勤者を自宅まで運ぶEVから、国境を越えて商品を輸送する船舶まで、私たちの周りにある乗り物はますます多くがバッテリーで動くようになっている。

リチウムイオン電池は現在、個人向け機器や乗り物に電力を供給するために一般的に使用されている。しかし、バッテリーへの需要が急増する中、1回の充電でより多くのエネルギーを蓄えられる電池への要求が高まっている。

また、リチウムベースの電池では、イオン移動を促進する電解質に可燃性の液体が使用されており、これが火災の危険性を生み出している。

ウェリオン・ニューエナジーを含む複数の企業が、液体ではなく固体の電解質を使用する全固体電池の開発に取り組んでいる。これにより、バッテリーのエネルギー密度が向上するとともに、安全性も改善される可能性がある。しかし、完全な全固体電池の製造は極めて難しい。そのためウェリオンは現在、液体と固体の両方を含む電解質を使用する半固体電池の開発と生産に注力している。

この分野において、同社は着実な進展を遂げてきた。2023年、ウェリオンは上海を拠点とするEVメーカーで、バッテリー交換技術で最もよく知られるニオ(Nio)と提携し、バッテリーパックを発売した。このパックのエネルギー密度は1キログラムあたり360ワット時(Wh/kg)で、現在のリチウムイオンパックの平均である200Wh/kgを大幅に上回っていた。これに …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Young organs may not be a fountain of youth for recipients 若い心臓は体に合わせて老いる——プーチンには残念な研究結果
  2. When can we say AI made a scientific discovery? AIを「発見の主体」に据えるAI企業、科学の営みとのずれ
  3. A new contest pits competitors against each other in a race to biological youth 本誌記者も参加、「生物学的年齢」の若返りを競うコンテスト
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る