いまのブロックチェーンでは
インターネットにはなれない
ブロックチェーンが新しい金融システムのインフラになるためには、インターネットのような相互運用性が鍵になるだろう。他のブロックチェーンに暗号資産を移すなどの仕組みを工夫し、攻撃に対する耐性を高める必要がある。 by Mike Orcutt2018.06.15
ブロックチェーンを後押ししている人はそのテクノロジーを、インターネットの初期と比較したがる。しばしば言われるように、ブロックチェーンはインターネットのように機能する新しいグローバルな金融システムの道を開くはずだ。インターネットのように小さなパケットの情報ではなく、金銭を動かすという違いがあるにしてもだ。ところが、1つ大きな問題がある。現時点でブロックチェーンは互いに通信をしていないのだ。
新しいブロックチェーンや他の分散型台帳システムが増殖するにつれて、その結果はバクテリアでいっぱいのペトリ皿のようになる。増殖は続けるが、高等生物に進化していくようには見えない。マサチューセッツ工科大学(MIT)コネクション科学プログラムのトーマス・ハードジョノ博士は、この状況は1960年代から70年代にかけてのインターネットが普及する以前の時代と似ているという。コンピューター・ネットワークを構築する際、複数の独立したテクノロジーがあった時代だ。当時と同様に、物事を前に進める鍵は、個々の独立したシステムを連携する工夫をすることだ、とも話す。
70年代や80年代は、学術研究と米軍の研究によるテクノロジーの組み合わせで公共インフラが構築された。注目すべき点は、1つのネットワークが攻撃を受けた場合、個々の独立したネッ …
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