アドリアナ・シュルツ(ワシントン大学)

Adriana Schulz アドリアナ・シュルツ(ワシントン大学)

材料科学や工学を理解していなくても、誰でも製品を設計できるコンピューターベースのツールを開発している。 by MIT Technology Review Editors2021.02.02

アドリアナ・シュルツのコンピューターベースの設計ツールを使用すると、ドラッグ&ドロップで操作できるグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して、一般のユーザーでもエンジニアでも同じように、ロボットから鳥小屋まで多岐にわたる機能的で複雑な物体を作ることができる。そうした物体を作るための基礎となる力学や幾何学、材料科学を理解している必要はない。

「私がワクワクするのは、私たちが製造の次の段階、つまり新たな製造革命に足を踏み入れようとしていることです」とシュルツは言う。

シュルツの創作物のひとつに、「インタラクティブ・ロボガミ(Interactive Robogami)」がある。誰でも初歩的なロボットを設計できるツールだ。ユーザーが地上ロボットの形状や軌跡を画面上で設計すると、自動的に図面に変換し、標準的な部品や3Dプリントした部品で組み立てられるようにする。

シュルツと共同開発者たちが作成した別のツールでは、積載物や電池寿命、コストなどについてユーザーが選択した要件を満たすようにドローンを設計できる。システムのアルゴリズムには、材料科学と制御システムが組み込まれており、製造計画と制御ソフトウェアを自動的に出力する。

シュルツは現在、ワシントン大学デジタル・ファブリケーションセンターの立ち上げを支援しており、同センターの共同所長を務めることになっている。自身が開発したツールを実際の製品に活用するため、地元のテクノロジー企業や製造会社と協力していく予定だ。