レイチェル・ハウルウィッツ(カリブー・バイオサイエンシズ)

Rachel Haurwitz レイチェル・ハウルウィッツ(カリブー・バイオサイエンシズ)

有望な遺伝子編集法であるクリスパー(CRISPR)の商業化を推進。 by MIT Technology Review Editors2017.09.06

レイチェル・ハウルウィッツはあっという間に、研究室の歯車から熱狂の中心にある最高経営責任者 (CEO) に登りつめた。その理由は、画期的なゲノム編集技術である「クリスパー(CRISPR)」にある。2012年、彼女はカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ研究所で、クリスパーを使ったDNA鎖を編集する画期的な手法を披露していた。

その数週間後、ハウルウィッツは、携帯の電波も届かず、デスクもない地下室から、サンフランシスコ湾を望む最上階にオフィスを移した。ハウルウィッツはクリスパーの特許を取得し、製薬会社、調査会社、そしてデュポンのような農業関連大手企業との取引する、カリブー・バイオサイエンシズ(Caribou Biosciences)のCEOに就任した。カリブー・バイオサイエンシズは、ジェニファー・ダウドナ研究所からスピンアウトしてつくられた。ハウルウィッツは現在、ゲノム編集のコアテクノロジーの改善を行う44人のスタッフを抱えている。最近の開発の1つに、クリスパーが間違いを犯したときに役立つ「SITE-Seq」というツールがある。

(アントニオ・レガラド)