水素は化石燃料の代替物質として常に注目されてきた。燃焼しても二酸化炭素を排出しないのでクリーンであり、エネルギー密度が高いため、間欠的な再生可能エネルギーから電力を蓄えるのに適している。ガソリンやディーゼルに置き換わるような液体合成燃料も容易に作れる。だが、水素のほとんどはこれまで、天然ガスから抽出されてきた。そのため、抽出の過程で大量のエネルギーが消費され、二酸化炭素を排出してしまう。
太陽光発電や風力発電のコストが急速に下がってきている現在、グリーン水素は十分に実用的な価格になっている。水に電気を流せば水素が発生するためだ。欧州では必要なインフラ整備が始まっており、先んじている。ピーター・フェアリーは、こういったプロジェクトは太陽光や風力を利用して クリーンな水素を大量生産する電気分解プラントのグローバルネットワーク構想へのまさに第一歩であると主張している。