NASA、スペースXとボーイングのロケットに安全性の懸念を表明

NASA Is Worried About the Safety of Commercial Space Launches NASA、スペースXとボーイングのロケットに安全性の懸念を表明

米国航空宇宙局(NASA)は、スペースXとボーイングによる宇宙飛行は宇宙飛行士の命を危険にさらすことになるだろう、との懸念を口にしている。 by Jamie Condliffe2018.01.14

米国航空宇宙局(NASA)は、スペースXとボーイングによる宇宙飛行は宇宙飛行士の命を危険にさらすことになるだろう、との懸念を口にしている。

NASAの有人宇宙飛行に関するリスク評価では、致命的な事故の発生を270回の飛行につき1回以下にするよう求めている(日本版注:NASAは宇宙有人飛行に対する要件として、ミッション全体で乗員喪失(Loss of Crew:LOC)を270分の1以下にすることを掲げている)。現時点でNASAは、スペースX、ボーイングのどちらも、この基準に達していないと見ている。また、この事実が、民間ロケットで初めて宇宙飛行士を宇宙へ送る日を先送りしていると言える。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、NASAは、(スペースXの)「独創的な」燃料システムと、スペース・デブリ(宇宙ゴミ。宇宙開発で利用済みになり、衛星軌道上を周回している人工物体)衝突のリスクを懸念しているという。

スペースXは過去に、「これまでに作られた中で最も安全で高度な有人宇宙飛行システムのうちの1つです」に主張したことがある。

NASAの慎重な姿勢に対してニュー・サイエンティスト誌は最近、「宇宙開発を前進させるためには今よりもさらなるリスクを取る必要がある」と主張した。