リチウムイオンの需要増で明るみに出る「不都合な真実」

Our love of batteries is powering a boom in exploitative cobalt mines リチウムイオンの需要増で明るみに出る「不都合な真実」

児童労働で知られるコンゴ民主共和国の鉱山は、先進国の電化による恩恵を受けている。 by Jamie Condliffe2018.02.21

児童労働で知られるコンゴ民主共和国の鉱山は、先進国の電化による恩恵を受けている。

リチウムイオン電池の需要が世界的に高まっているいま、その主要成分の一つであるコバルトが不足している。そのため、コバルトの価格は高騰し、人々はコバルト発掘のためにはどんなことでもするようになっている。

ブルームバーグの報道によると、コンゴ民主共和国の「職人技が必要な」鉱山における生産量が昨年50%増加した。だが、呼び名に惑わされてはいけない。以前に伝えたようにこれらの鉱山は危険であり、児童労働の搾取さえしているところもある。

昨年の増産は、一昨年の跳ね返りである。実はコンゴのコバルト生産量は2016年に減少したのだ。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが鉱山の搾取的な労働条件を記述した報告書を発表した後、取り締まりが始まったためだ。だが取り締まりは継続されていなかった。

私たちのハイテクなライフスタイルを支えるために渇望されているリチウムイオン電池は、こうした暗い側面を持つ。サプライチェーンに関わるすべての企業が、鉱山におけるもっと適切な労働条件を要求し始めるまでは、状況は変わらない。