ロシア、遺伝子組み換え作物をめぐってフェイクニュースを拡散か

Russia wants you to hate GMOs ロシア、遺伝子組み換え作物をめぐってフェイクニュースを拡散か

米大統領選のときのようなウソ情報によって、多くの人が遺伝子組み換えに脅威を感じるようになるかもしれない。 by Antonio Regalado2018.03.02

米大統領選のときのようなウソ情報によって、多くの人が遺伝子組み換えに脅威を感じるようになるかもしれない。

アイオワ州立大学の研究者は、ロシアの政府系ニュースサイトである「RT(旧ロシア・トゥデイ)」と「スプートニク(Sputnik)」が、遺伝子組み換え作物(GMO)に関して頻繁に報道していることに気がついた。この2つのメディアが報じたGMO関連の記事は、ハフィントン・ポスト、FOXニュース(Fox News)、CNN、 ブライトバート・ニュース(Breitbart News)、MSNBCによるGMO関連記事の合計数にほぼ匹敵する。

アイオワ州の地方紙デ・モイン・レジスター(the Des Moines Register)によると、ほとんどの記事がGMOに対して「否定的か、不快感を表す」情報を掲載していた。そのほかの記事は偽の陰謀説を広めた。たとえば「評論家によると、遺伝子組換えされた蚊がジカ熱の蔓延を引き起こす可能性がある」といった具合だ。

背景には、ロシアがGMOを禁止してきたという経緯がある。RTによると、ロシアはオーガニック食品を輸出する先駆的存在になろうとしているのだ(そう、だからこんなにGMOのことばかり報じていたのだ)。

GMOはすでに争いの種になっている。アイオワ州立大学の研究チームが証明したのは、ロシアは食糧に狙いを定めてフェイクニュースを流しているということだ。だが、ギズモードが指摘しているように 、米国の反GMO団体は、科学者は信頼できるメディアの懸念を払拭するために、研究を利用していると主張している。誰の言うことを信じればよいのか。そこがある意味肝心なのだ。