Alloy:インテル、マイクロソフトと共同でパソコンに接続不要のVRヘッドセットをメーカーに供給へ
コネクティビティ

Intel and Microsoft Are Teaming Up to Make Virtual Reality Ubiquitous インテルMS連合
VRゴーグルを提供

インテルの新型ヘッドセットは、VR世界に思わず手を突っ込みたくなる by Tom Simonite2016.08.16

世界にPCブームをもたらした企業が計画する実質現実(VR)向けハードウェアで2匹目のドジョウを狙っている。

インテルとマイクロソフトは16日、協力してコンピューター・メーカーを支援し、各社にスタンドアロンの実質現実(VR)ヘッドセットの製造ビジネスを促すと発表した。現在、市場は本質的にはたった2つの製品、つまり、フェイスブックのOculus Rift と、その競合製品であるHTC Viveしかない、といってもいいくらいだ。

サンフランシスコで開かれたインテルのイベントで、ブライアン・クラーザーニッチCEOは新型のプロトタイプProject Alloyを発表した。クラーザーニッチCEOによれば、このプロトタイプは既存のヘッドセット(Oculus VRやVive)にある不便を解消しており、来年にはインテルが設計をコンピューター・メーカーに供与し、各社の独自バージョンを製造できるようにする。

「インテルはAlloyをオープンソース化します。どの社でも独自ブランドの製品を製造できます」(クラーザーニッチCEO)

 

インテルのVRヘッドセット新プロジェクト「Alloy」はバッテリーパックとコンピューターを統合しており、PCとの接続は不要

AlloyはPCと接続する必要はない。ユーザーはコードを気にすることなく、実質空間を探索できる。デバイスには2つの深度感知カメラも内蔵されているほか、手や指の動きも追跡できる。ユーザーは空間に手を伸ばすだけでバーチャルオブジェクトを操作できる。対照的に、オキュラス VRとHTCヘッドセットで実質世界内のオブジェクトを操作するにはハンドコントローラーが必要だ。

Alloyが内蔵する深度カメラは物理的環境のマッピングにも利用され、ユーザーの歩行が現実世界の障害物に近づきすぎると、警告を発する。

インテルの従業員は、発表時にステージ上でAlloyのデモを見せた。宇宙船内のような空間を歩き回って探索し、手を伸ばしてレバーや他の対象物と操作した。手にしているオブジェクト(1ドル紙幣など)が実質世界でどのように現れるかも示した。

「同じことはほぼすべてのオブジェクトで可能です。実質世界を現実世界へと連れ出せます」とクラーザーニッチCEOは語った。

「これはイノベーションの大きなドライバーになるでしょう。今現実に存在するいかなるものとも異なるのですから」

 

ヘッドセットの深度センサーにより、実質世界内のオブジェクトを、手や指で、あるいは手にするモノを介して、操作できる

マイクロソフトのWindows事業を統括するテリー・マイヤーソン取締役副社長も、ステージ上でクラーザーニッチCEOに加わり、Windows Holographicという来年以降の更新で、実質・拡張現実(VR/AR)ヘッドセットをすべてのWindows 10 PCでサポートすると発表した。12月にマイクロソフトとインテルはガイドラインを発表し、実質現実(VR)ヘッドセットの標準化と、コンテンツやソフトウェアの異なる製品間での互換性の確保を目指す。マイクロソフトは今夏の初めに、ハードウェア企業とすでにMicrosoft HoloLens(マイクロソフト製のARヘッドセット)の各社独自バージョンの製造について協議していると述べていた。

マイヤーソン副社長はインテルとマイクロソフトはOculus VRやHTC Vineに必要なほどには高性能ではないPCで、実質現実アプリケーションを動かす方法だ、と自信たっぷりに述べた。Oculus VRもHTC Vineも1000ドル以上する高性能ゲーム用PCが必要なのだ。

マイヤーソン副社長が示したデモ映像では女性がインテルのAlloyトとマイクロソフトのソフトウェアを使っていた。マイヤーソン副社長の説明ではソフトウェアが実行されているのは片手で持てるほど小さなインテル製PCだ。マイヤーソン副社長は「インテルの力によって、VR体験が売れ筋のパソコンの性能でもできるようになりました」と語ったが、インテルとマイクロソフトがそのために何をしたのかの詳細は述べなかった。

マイヤーソン副社長が紹介した映像の狙いは、インテル製のVRヘッドセットは、ゲームだけでなく、一般の職場で業務に利用できることを示すことだ。映像では、人のまばらな部屋の無人の机に歩いてきた女性がヘッドセットを装着すると、壁に巨大なVR画面が現れ、そこには自身のカレンダーや他のPCアプリケーションが表示されていた。途中で、女性は計画中の旅行のカレンダー項目を選択すると、実質現実上でローマのパンテオンのすぐ外にテレポーテーションで移動した。

「これらの3Dアプリと同時に、慣れ親しんだWindowsアプリもVRで操作できます」とマイヤーソン副社長はいう。

インテルのクラーザーニッチCEOも、自社開発の実質現実コンテンツをより効果的に楽しむテクノロジーについて語った。インテルは米国中の競技場に、複数の視点から行動を捕捉できるカメラシステムを設置している。インテルのソフトウェアは複数の視点を利用して、現実空間での行動を3D座標で取得し、デジタルで再構成する。

「コートやフィールドのあらゆる場所に移動できます」とクラーザーニッチがいうと、昨シーズンのNBAファイナルの試合で制作した3D映像の映像クリップが表示された。

「スリーポイントラインからバスケットボールの試合を観戦でき、ダンクシュートの直前にはバスケットのそばに移動できます」

クラーザーニッチCEOがスポットライトをあてたのは「360 Replay」というインテルのテクノロジーだ。360 Replayは360°の3D映像を単一の視点から補足できるカメラを使用する。グーグル、フェイスブック、ノキアやなど数社がこの種のカメラを製作している。クラーザーニッチCEOによれば、360 Replayはコンサートやその他の公演で利用でき、新たなタイプの映画を制作できる。インテルは360 Replayをロサンゼルスの制作スタジオに装備している最中で、ハリウッドのコンテンツ制作者を攻略しようとしている。