ニュースケール・パワー、小型原子炉の発電量を20%向上

Small nuclear reactors—now with 20 percent more power! ニュースケール・パワー、小型原子炉の発電量を20%向上

ニュースケール・パワー(NuScale Power)は6月6日、同社のSMR(small modular reactor、小型原子炉)が当初の予測と比較して20%多い電力を発電できることを発表した。 by Erin Winick2018.06.07

ニュースケール・パワー(NuScale Power)は6月6日、同社のSMR(small modular reactor、小型原子炉)が当初の予測と比較して20%多い電力を発電できることを発表した。

オレゴン州に本拠地を置くニュースケール・パワーは、「高度な実験とモデリング・ツール」について多少は言及したものの、同社の原子炉がどのように発電量の増加を達成したのかに関しては、まだあまり言及していない。しかし、数年以内に建設計画がある同社初の発電所が、今回の性能向上の恩恵を受けるだろうと主張する。

ニュースケール・パワーの原子炉は高さ約22.6メートル、幅4.6メートルで、たしかに従来型の原子炉と比べると遥かに小型である(上記写真の発電所は従来型のものだ)。しかし、持ち上げるにはやはり確実にクレーンが必要となる。

ニュースケール・パワーは小型原子炉と呼んでいるが、これは大したことになるかもしれない。ニュースケール・パワーの原子炉は数十年ぶりに米国原子力規制委員会 (Nuclear Regulatory Commission=NRC)の正式な審査過程まで進んだ、これまでにない新設計なのだ。SMRが約束してくれるのは、武器化の恐れのない(これが長らく先延ばしにされている夢であることは明白だが)原子力が、安くて簡単に世界中に輸出できる未来である。ニュースケール・パワーは性能の向上によって発電コストを抑え、SMRを他の電力供給源に対抗できるようにしていく構えだ。