ソフトバンク傘下のアームに強敵、「無料」チップに勝てるか?

Some of tech’s biggest firms hope to save money by using open-source chip designs ソフトバンク傘下のアームに強敵、「無料」チップに勝てるか?

無料で使える新しいプロセッサーが設計されたことで、スマホのプロセッサーを制覇した企業の今後の成功は損なわれるかもしれない。 by Jamie Condliffe2018.03.28

無料で使える新しいプロセッサーが設計されたことで、スマホのプロセッサーを制覇した企業の今後の成功は損なわれるかもしれない。

チップ設計会社のアーム(ARM)は、事実上、全世界のモバイル機器で使われているプロセッサーを開発した企業だ。加えて、低電力かつ高性能なプロセッサーを作成する技術によって、人工知能(AI)や自律型移動手段といった、より専門的なアプリケーションで使われるチップを設計する主要な供給企業になろうとしている。

インフォメーション(The Information)によると、エヌビディア(Nvidia)、グーグル、テスラ(Tesla)を含む合計80社にも及ぶスタートアップ企業や大手テック企業が、将来の製品にオープン・ソースのチップ設計「RISC-V(リスク・ファイブ)」の使用を検討しているという。アームのチップ設計を使うには高額なライセンス料が必要なのに対して、RISC-Vは無料だからだ。今後、多くのアプリケーションでRISC-Vが使われる可能性がある。

恐らくほとんどの企業は、スマホのようなモバイル機器にはアームのチップ設計を使い続けるだろう。アームの技術は広く定着しており、いまさら移行するのは頭が痛くなる作業だからだ。だが、ムーアの法則が揺らぎ、特定のアプリケーションの性能アップを図るためにチップの特殊細分化が進む中、アームはインテルやAMDなどの半導体メーカーだけでなく、RISC-Vとも競争していくことになる。