「空飛ぶ消火ホース」を東北大らが開発、3年後の実用化目指す

The floating hose is fighting fire 「空飛ぶ消火ホース」を東北大らが開発、3年後の実用化目指す

災害時の捜索救助活動を支援するレスキューロボットとして、ドローンの活用に期待が集まっている。しかし、火災時の消火活動での利用では、一度に積載できる水の量が限られるドローンでは難しい。 by Koichi Motoda2018.06.16

災害時の救助活動や消火活動にドローン自律飛行ヘリコプターを活用しようという動きが盛んだ。人間では難しい場所でもドローンや無人ヘリなら近づけるからだ。ただし、ドローンが一度に積載できる水や消火剤には限界もある。

そこで、東北大学大学院の田所諭教授らのグループが開発しているが、空や建物の内部から放水できる消火ロボットだ。田所教授らはこのほど、ホースを空中に浮上させ、建物内の火元に向かって直接消火する「ドラゴンファイヤーファイター」のプロトタイプを開発した。消火ホースに連結された複数の噴射ノズルを制御することで、水をジェット噴射のように放出してホースを浮上させる。いわば、「空飛ぶ消火ホース」というわけだ。

プロトタイプでは、柔軟なホースを安定して浮上させ、方向を制御する技術が実証された。今後はホースの長尺化や耐火性能、消火性能を向上させ、3年後の実用化を目指している。空飛ぶホースが消火活動で活躍する姿を都市部で目にする日も遠くないかもしれない。