地球レベルでの作物最適化が食糧危機を救う

To Feed the World, We Should Rejigger Our Crops 地球レベルでの作物最適化が食糧危機を救う

世界の農場経営者は、何をどこで栽培するかを地球レベルでは最適化してこなかった。だが、もし最適化できていれば、地球の食をまかなう能力に大きな影響を与えることができたはずだ。 by Jamie Condliffe2017.11.14

世界の農場経営者は、何をどこで栽培するかを地球レベルでは最適化してこなかった。だが、もし最適化できていれば、地球の食をまかなう能力に大きな影響を与えることができたはずだ。

人口増加、水不足、気候変動はどれも十分な食物の栽培をより難しくしている。状況は今後ますます困難になるばかりだ。以前論じたように、問題の緩和には遺伝子組み換え食品が大きな役割を果たすだろう。遺伝子組み換えは、厳しい条件を生き残り、同じ面積でより多くのカロリーを提供する、より丈夫で収穫量が多い植物を生み出す。

だが、ネイチャージオサイエンスに掲載された新しい論文は、思わず飛びつきたくなるような、もっと基本的な提案をしている。すなわち、どこで食物を栽培するかを変更するのだ。論文は、「現在の世界の作物分布は、収穫高の最大化も水の使用量の最少化も成し遂げていません」と主張。最も少ない水の使用量で最大のカロリーを提供するように作物を植える地域を最適化すれば、未来がどうなるかを推測している。

その答えは? かなりお腹いっぱいだ。現在よりも13%少ない水で、8億2500万人多い人々の食を地球全体でまかなうことができるという。非常に長い道のりだが、世界が直面している最大の問題の1つである飢餓を解決するのに役立つ方法だ。

しかしたとえ(大きな仮定として)、世界がこのような計画の実行を選ぶとしても、乗り越えなければならない文化的な問題がある。アース・テクニカ(Ars Technica)が指摘しているように、この取り組みは正直なところ、現時点では誰にとっても納得できるものではないかもしれない。できるだけ多くの人々の食をまかなうように作物を最適化することは、インドで米よりもトウモロコシを好み、ロシアでテンサイの代わりに大豆を食べなければならないことを意味する。言い換えれば、「改良」に適応するためには、私たちの食生活を劇的に変える必要があるわけだ。

そうはいっても、大義のためには、みんなで献立をごちゃまぜにするときなのかもしれないが。