ウーバーのドライバーは従業員、イギリスの裁判で再び認定

Uber Must Treat Its British Drivers as Employees ウーバーのドライバーは従業員、イギリスの裁判で再び認定

配車サービス事業者による、ドライバーを引き続き個人事業主として扱えるよう求めた訴えをイギリスの裁判所が却下した。 by Jamie Condliffe2017.11.13

配車サービス事業者による、ドライバーを引き続き個人事業主として扱えるよう求めた訴えをイギリスの裁判所が却下した。

ガーディアンが報じたところによると、昨年の裁判の決定を不服とするウーバーの訴えを控訴審が却下し、通常の労働者として扱うべきとの判決を下した。具体的には、ドライバーに対して最低賃金を支払う、休暇を与える、といったことである。ウーバーは控訴すると見られ、年をまたいで最高裁での決着となる可能性がある。

以前にも説明したように、ウーバーはいわゆるシェアリングエコノミー業界の他社と共に、ドライバー個人と契約することで労働側に柔軟性をもたらし、ドライバー本人も利便性と優位性を得られると長らく主張してきた。だが、実際は搾取的であり、社会保障などの通常の従業員にかかるコストの面で企業側が何百万ドルを浮かせるための手法であるとの批判がある。

ただ、この問題はウーバーにとっては大したことではないのかもしれない。というのも、ロンドンの運輸当局がウーバーはロンドン市内でサービスを提供するのに「ふさわしくなく、適切でない」と言い放ったからだ。その結果として現在ウーバーは、ロンドンでの営業免許取消への抗告を行なっている。

ウーバーが当局をなんとか説得して事業の継続を勝ち得たとしても、ドライバーに最低賃金を支払ったり、休暇を与えたりすることで、収益に深刻な影響が出る可能性もある。ウーバーにとって4万人のドライバーを抱えるロンドンはアメリカに次ぐ規模のマーケットであり、人件費が急激に跳ね上がることになる。

イギリスでの裁判が、世界の他の都市でドライバーがよりよい取引条件を引き出す刺激となることも懸念される。新CEOのダラ・コスロシャヒにとって、まだ順風満帆とはいかないことは間違いなさそうだ。