米朝会談、金委員長はトイレ持参で参加 漏えい防止のため

What Kim Jong-un’s stool might reveal, if he would only let us take a peek 米朝会談、金委員長はトイレ持参で参加 漏えい防止のため

6月12日のドナルド・トランプ大統領との首脳会談に向けて、北朝鮮の金正恩委員長は専用の携帯トイレとともにシンガポールに到着した。韓国メディアによると、「米国が下水管にダイバーを送り込み、金委員長の排泄物からさまざまな情報を得ようとする行為を断固として拒絶するため」だという。 by Antonio Regalado2018.06.12

6月12日のドナルド・トランプ大統領との首脳会談に向けて、北朝鮮の金正恩委員長は専用の携帯トイレとともにシンガポールに到着した。韓国メディアによると、「米国が下水管にダイバーを送り込み、金委員長の排泄物からさまざまな情報を得ようとする行為を断固として拒絶するため」だという。

本当に米国が排泄物から情報を収集しようとしているのかは定かではない。しかし、あの独裁者の被害妄想については、あながち根拠がないとも言えない。実際、尿や便によって、以下のようなことが分かる。

もし金委員長が、そっくりさんを交渉の場に送ってきた場合、尿や便がそのことを教えてくれる。シカゴのインディペンデント・フォレンシス(Independent Forensics)のカール・ライク最高科学責任者(CSO)によれば、尿と便は科学者が人間のDNA鑑定で日常的に使っている2つの細胞型と4つの体液を含むからだ。その他には、血液や精液、唾液、皮膚細胞が用いられる。

有名な話として、米国はウサマ・ビン・ラディンの死を確認するためにDNA検査を実施したと言われている。

もし金委員長が進行がんを患っている場合、トイレに残したあらゆるのものが、そのことを明かしてくれる。「リキッドバイオプシー(液体生検)」と呼ばれる血液検査同様、尿と便の両方ががんの存在を示すだろう。

金委員長はオピオイドを摂取したり、インスリンを打っているかもしれない。一か八かの非核化協議においては、敵対者の身体や精神に関するいかなる識見も役に立つ。したがって、排泄物を調べて医薬品の代謝物質を見つけることによって、金委員長が摂取しているものや思考の傾向さえも分かるかもしれない。

J・クレイグ・ヴェンター研究所によると、腸内に存在する数十億ものバクテリアもまた、人間の生活、行動、食習慣についての実態を教えてくれるという。フィルミクテス門やバクテロイデス門といった細菌の割合によって、金委員長が果物や野菜を食べているのか、あるいは西側資本主義社会で流行っているような退廃的なダイエットの食習慣を実践しているのかもわかるかもしれない。

上記のような手がかりが、排泄物を隠さなければならないほど重要なのか。「交渉においては、相手に関するどんな情報や手段も強みになり得ることは、想像がつくでしょう」とライクCSOは述べる。「それにしても、相当に被害妄想じみてはいますが」。