FCC委員長指名で、トランプ政権の通信政策は大企業有利が確実
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New FCC Chief Likes a Good Mega-Merger—Net Neutrality, Not So Much FCC委員長指名で、トランプ政権の通信政策は大企業有利が確実

通信業界に関するトランプ大統領の政策は、企業重視、規制とプライバシー政策の緩和になりそうだ。 by Jamie Condliffe2017.01.25

ドナルド・トランプ大統領は米国連邦通信委員会の委員長にアジット・パイ委員を指名した。あまり驚くことではないが、以前ベライゾンで弁護士を務めていたパイ新委員長は現政権にふさわしい規制緩和、ネットワーク中立性の後退、厳格ではないプライバシー制度を好む人物だ。

パイ新委員長は、米国連邦通信委員会で、共和党指名の現職委員を務めている。FCCは伝統的に5人の委員のうちの2席を野党指名の人物に割り当てており、パイ委員は2012年に任命された。パイ新委員長は現任であるため、委員長就任に関して議会の承認は不要だ。

トランプ大統領同様、パイ新委員長はオバマ政権下で実施された規制に批判的だ。昨年暮れにパイ委員は、FCCは「芝刈り機のエンジンをかけて、投資やイノベーション、雇用機会の創出を阻害している規制を刈り取らなければならない」と述べた

実際、パイ新委員長の評判は、大企業がやりたい放題できるようにする人物だ、ということのようだ。BBCの取材に対し、権利擁護団体フリー・プレスのクレイグ・アーロン代表は「パイ委員は常に巨大合併を好み、社会全体の保護政策を弱体化しようとしてきました」と述べた。

言うまでもなく、通信業界はすでにパイ委員の委員長就任を歓迎している。特に、AT&Tは指名を大歓迎している。AT&Tが予定するタイム・ワーナーとの合併はパイ委員が応援してきた(面白いことに、この合併合意は以前トランプが異議を唱えていた)。

おそらくパイ委員長が今後主な標的にするのはネットワーク中立性だろう。オバマ政権下で2015年に承認されたオープン・インターネット・オーダーは素晴らしい政策のひとつだ。インターネット・サービス事業者(ISP)が特定サービスのインターネット・トラフィックを減速したり、ブロックしたり、優先したりすることを禁じることで、インターネット・サービスの競争とイノベーションを促進するのが目的の政策だ。

しかしオープン・インターネット・オーダーが制定された日、パイ委員は「この政策がいずれ裁判所に禁止されるか、議会が否定するか、あるいは将来のFCCが別の政策で覆すのか私にはわかりません。しかし、どれかが実現するのは時間の問題です」と述べた。明らかに、パイ新委員長はいまでもこの立場だ。もしパイ新委員長が政策を白紙に戻せば、以前MIT Technology Reviewのマイク・オーカット記者が述べたように、前政権下ではあり得なかった新製品やサービスが誕生するかもしれない。

パイ委員はプライバシー政策に対して厳格ではない立場を貫いた。たとえば、顧客データの使用前に許可を求める手続きをISPに強いる現行の規制にパイ委員は反対していた

しかし、パイ新委員長の政策の全てが逆行的ではない。ワイヤードが記事にしているように、パイ委員長は非都市部で無線サービスを敷設すること、また高速ブロードバンドの提供や税率の引き下げで経済的な問題を抱える地域がイノベーション・ハブを作れるようにすることには積極的だ。

それでも、FCCにおけるパイ新委員長の舵取りは、トム・ウィーラー前委員長の4年間とはだいぶ異なるものになるだろう。退任に際してワシントンポスト紙の取材に答えたウィーラー前委員長は「もっと違った動きを私が見せると期待した人は、私のことをよくわかっていなかったのでしょう。私は、自分のキャリア全てを、既得権に立ち向かう側のために捧げてきたからです」と述べた。パイ委員長の就任により、既得権側の時代になった。

(関連記事:BBC, Wired, The Verge, “トランプ新政権で、Netflixなどの動画サービスに波乱の予感,” “日本では総務省とNTTが 裏で話している3つのこと”)