安全な自動運転に必要なのは視力より聴力?
知性を宿す機械

A Sense of Hearing Could Make Cars Safer and More Reliable 安全な自動運転に必要なのは
視力より聴力?

スタートアップ企業・オトセンスがサイレンやエンジントラブルを音で検知するソフトウェアを開発している。 by Tom Simonite2017.05.02

ほとんどの自動車オーナーなら、エンジンから耳慣れないカチカチ音やこすれる異音が聞こえてきたら、修理代がいくらかかるか不安になったことがあるだろう。

スタートアップ企業のオトセンス(OtoSense) は、大手自動車メーカーと協業して、自動車が周囲の音を検出することで、修理代が高額にならないよう、自己診断するソフトウェアを開発中だ。さらに、オトセンスのテクノロジーは、人の運転でも自動運転でも、たとえば緊急車両のサイレンや路面状況を音で検知することで、車両の安全を保てるだろう。

オトセンスが開発した機械学習ソフトは、エンジンやブレーキの微妙な変化など、特定の異音を検出できるように訓練できる。フランスの自動車メーカーPSAグループ(シトロエンやプジョー等のブランドの所有企業)は、自社のさまざまな車種が発する数千種類の音で訓練した自社向けソフトウェアで、オトセンスのテクノロジーを検証中だ。

「オーディオハウンド(AudioHound)」プロジェクトで、オトセンスが開発したのはタブレット・アプリの試作版で、PSAの研究開発部門で働くギョーム・カトゥソーによれば、実用化されれば自動車整備士はもちろん、自動車のオーナーも音を録音して自動診断できるようになる、という。

検証結果によれば、オトセンスのソフトウェアは、エンジンやカーエアコン、車輪等の部品から出る、本来は出ないはずの異音の正体を診断できることがわかった。現時点で、診断の精度は95%だ。PSAは …

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