IBMが「ワトソン」で音声アシスタントに参入、B2B向け

IBM will help any firm build its own voice assistant IBMが「ワトソン」で音声アシスタントに参入、B2B向け

IBMはシリ(Siri)やアレクサ(Alexa)のような能力をあらゆる企業の機器に吹き込むために、またもやワトソンを持ち出した。だが、それが本当にユーザーにとってよいことのなのかどうかは、まだ分からない。 by Jamie Condliffe2018.03.25

IBMはシリ(Siri)やアレクサ(Alexa)のような能力をあらゆる企業の機器に吹き込むために、またもやワトソンを持ち出した。だが、それが本当にユーザーにとってよいことのなのかどうかは、まだ分からない。

エンガジェット(Engadget)の記事によると、IBMがホワイトラベル型(提供を受けた企業が自社ブランドとして流通できる)のソフトウェア・サービスを提供することで、企業はホテルの部屋にあるスマート・スピーカーから高級車マセラティのダッシュボードまで、あらゆる機器に独自の音声制御機能を組み込めるようになる。この音声アシスタントでは、状況によってユーザーが入力したテキストによるチャットもできる。

興味深いのは、グーグルやアマゾンの音声ソフトウェア上で動作するアプリを開発している企業が、IBMのサービスを利用することで解放されることだ。IBMのサービスでは、各企業は独自の学習データを使って自社のブランド経験を広めることができ、グーグルやアマゾンのようなプラットフォーム企業にユーザーの発話データを渡さずに済む。

だが、スマート・アシスタントの氾濫がユーザーとってそれほどよいことなのかどうかは明らかではない。複数のAIボットを日常的に扱うのはいら立つことだろう。たとえば、アマゾンのようなリソースなしに各企業が自社アシスタントを開発したら、結局、アレクサよりもよいものは作れないで終わってしまうかもしれない。