動きに合わせて色が変わるバイオロボ、中国の研究者が開発

This iridescent butterfly is made out of beating heart cells 動きに合わせて色が変わるバイオロボ、中国の研究者が開発

新たに開発された「バイオ・ロボット」 は、動きに合わせて色が変わり、研究者が医薬品を実際に試してみる際に役に立つ可能性がある。しかし、残念なことに飛ぶことはできない。 by Antonio Regalado2018.03.29

新たに開発された「バイオ・ロボット」 は、動きに合わせて色が変わり、研究者が医薬品を実際に試してみる際に役に立つ可能性がある。ただし、残念なことに飛ぶことはできない。

中国の南京にある東南大学バイオエレクトロニクス研究室のファンファン・フー博士らの研究チームは、カメレオンの皮膚が持つ、虹色に色が変わる特性を模倣したいと考えた。その結果生まれたのが、この新しいバイオボットである

どういう仕組みになっているのだろうか? 研究チームは蝶の形状をゲルで成型し、虹色のナノ結晶を追加した。その後、ラットから取り出した心臓細胞の層を追加した。心臓細胞が鼓動すると、ナノ粒子が引き延ばされて色が変わり、飛んでいる羽のような印象を創り上げる。

フー博士は、こうした光の変化は「チップ上の心臓(心臓の組織を基板上に再現したもの:heart-on-a-chip)」の簡単なディスプレイ機能として使える可能性があるという。たとえば、バイオボットに心拍数を下げる薬を投与した際の効果を、色が変化する速度を観察することで調べられるだろう。