ピンポイントで除草剤を散布、AIロボで農薬産業激変の可能性

Weed-killing robots are threatening giant chemical companies’ business models ピンポイントで除草剤を散布、AIロボで農薬産業激変の可能性

人工知能(AI)による雑草刈りは、除草剤や遺伝子組み換え作物の必要性をすぐに減らせるかもしれない。 by Erin Winick2018.05.23

人工知能(AI)による雑草刈りは、除草剤や遺伝子組換え作物の必要性をすぐに減らせるかもしれない。

現在の農場では、化学物質に耐えるよう遺伝子を加工した(通常、除草剤を製造するのと同じ会社による)作物がいっぱいの畑に、除草剤を無差別に大量散布している。農薬や種子産業は、全世界で1000億ドル相当の莫大なものだ。 その中で、除草剤の売上高だけで260億ドルを占めている。

だが近い将来、エコロボティックス(ecoRobotix)が作ったようなロボット(上の写真)が畑の上を行き来し、コンピュータービジョンを使って、個々の雑草に的を絞って除草剤を散布できるようになりそうだ。 エコロボティックスはロボットを使えば、除草剤の総使用量を20分の1に減らせるだろうと主張している。家庭菜園には、掃除ロボット「ルンバ」風の小型バージョンが使えるようになるかもしれない。

AIによる除草技術が使われるようになるのは遠い先のことではない。 昨年、ジョン・ディア(John Deere)がこの技術に参入し、精密散布のスタートアップ企業ブルー・リバー(Blue River)を買収した。すなわち、ジョン・ディアのトラクターは間もなく、雑草に狙いを定めて除草剤を散布する機能を装備するようになるかもしれない。大手農薬会社は、化学薬品の需要減少に備えて、類似のテクノロジーを扱う企業を買収しようと必死になっている