ハーバード大学の研究者が、脳に注入してパーキンソン病やてんかんを治療する網目状のワイヤーを開発
生命の再定義

Injectable Wires for Fixing the Brain 脳に注入する網状ワイヤーでパーキンソン病を治療

個々の脳細胞を刺激できる柔軟な網によって神経疾患の新しい治療法が実現するかもしれない。 by Julia Sklar2016.10.14

ハーバード大学の地下にある研究所に水の入ったコップがある。コップの底では、まるで極小のリボンがダンスをしているように、帯状の薄い金網が数本波立っている。ペンのキャップほどの長さがある網を使うと、かつてないことができる。生きているネズミの脳に注入すると、網は1年間以上、安全に個々のニューロンを刺激し、その細胞の挙動を測定するのだ。

電子的な脳インターフェイスはパーキンソン病のような神経疾患の患者に、いつの日か役立つだろう。パーキンソン病で脳のある領域の神経細胞群が次々と死に始めると、自分の意思とは無関係に体が震える症状が引き起こされる。この領域に狙いを定めて電気的な刺激を送れば、生存している細胞の状態を元に戻してパーキンソン病の症状を止められるかもしれない。

現在利用できる「深部脳刺激療法」と呼ばれる電気療法には大きな欠点がある。治療のために、脳の深いところに硬い電極を埋め込むため、脳のような柔らかい器官にとって理想的な治療からは程遠いのだ。治療からおよそ4週間後には瘢痕(はんこん=傷が治った状態)組織が形成され始める。この組織に …

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