KADOKAWA Technology Review
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生命の再定義

遺伝子編集や遺伝子療法、新治療法や個別化医療、神経工学、合成生命について。

  1. The best way to prevent the deadliest gynecological cancer is to remove multiple organs
    遺伝子検査の発展により、卵巣がんのリスクを事前に知ることが可能になった。だが、その結果は新たな難題をもたらす。予防のために臓器を切除するという選択を迫られた筆者が、現代医療が直面するジレンマと、がん予防の最前線を探る。
  2. Uruguay wants to use gene drives to eradicate devastating screwworms
    変わる害虫対策、
    クリスパー遺伝子ドライブは
    南米の畜産危機を救えるか
    ラセンウジバエによる畜産業への被害が深刻化する中、ウルグアイの研究チームが新たな対策に挑んでいる。CRISPR(クリスパー)遺伝子編集技術を用いた「遺伝子ドライブ」で、繁殖を抑制。従来の不妊虫放飼法を超える効果が期待されるが、野外実験への道のりは長い。
  3. Tech that measures our brainwaves is 100 years old. How will we be using it 100 years from now?
    「脳波計」100周年、神経科学を発展させた技術の現在と未来
    脳波計が誕生してから今年でちょうど100年になる。この機器によって、神経科学の研究は長足の進歩を遂げてきた。そして脳波計にはまだまだ有用な使い道がありそうだ。最新の研究成果の一例も合わせて紹介しよう。
  4. We’ve never understood how hunger works. That might be about to change.
    人間が食欲を感じる仕組みは、長い間謎に包まれていた。しかし、脳に着目して研究を続けてきた科学者が、その謎をようやく解き明かそうとしている。解明できれば、究極の減量薬の開発も可能になるかもしれない。
  5. Watch a video showing what happens in our brains when we think
    脳内の思考を映像化、「話す前に分かる」驚きのテクノロジー
    米国ニューヨークに拠点を置くスタートアップ企業が、人間が考えているときの脳の動きを映像化することに成功した。電極で思考を読み取れるようになれば、言葉を交わさずともコミュニケーションできるようになるかもしれない。
  6. IVF alone can’t save us from a looming fertility crisis
    不妊治療技術が少子化対策の万能薬にはならない理由
    体外受精(IVF)などの不妊治療技術は、子どもを持てないとあきらめていた人々の救いとなっている。だが、少子化危機の解決策としては、これらのテクノロジーだけでは十分ではない。
  7. How AI video games can help reveal the mysteries of the human mind
    生成AI時代のゲームは神経科学の研究にどう役立つか?
    神経科学者や心理学者は以前から人間の心を研究するためにビデオゲームを活用してきた。大規模言語モデルを活用したAIビデオゲームは、さらに多くの謎を解くツールとなり得るのか。
  8. 肝がんを発症しやすい脂肪肝患者を見分けるバイオマーカー

    大阪大学、佐賀大学、北海道大学などの研究グループは、脂肪肝患者のうち肝がんを発症しやすい患者を見分ける新しいバイオマーカーを発見した。肝臓が硬くなり、肝硬変に至ると高い頻度で肝がんを発症するが、脂肪肝の場合は少し硬い程度の患者の多くが肝がんを発症しており、肝臓の硬さのほかに肝がん発症リスクを見分けるバイオマーカーが求められていた。

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  9. 東工大など、腎臓の血液フィルターを維持するタンパク質を発見

    東京工業大学と杏林大学の共同研究チームは、腎臓の血液ろ過フィルターを正常に保つタンパク質を発見した。血液ろ過フィルターの異常による腎疾患の発症メカニズム解明に寄与することが期待される。

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  10. 東工大など、高い柔軟性の天然変性タンパク質の構造決定に成功

    東京工業大学と理化学研究所の共同研究チームは、決まった立体構造を持たず、従来法では構造決定が困難なタンパク質である「天然変性タンパク質(IDP)」の構造を決定することに成功した。

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  11. 理研など、光合成細菌が無機肥料の代替として使えることを確認

    理化学研究所と京都大学の共同研究チームは、窒素を空気中から固定する光合成細菌のバイオマスが、作物栽培の窒素肥料として利用可能であることを明らかにした。

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  12. 寿命に性差がある仕組みを解明、抗老化ホルモンを発見=阪大など

    大阪大学、九州大学などの共同研究チームは、超短命魚をモデルに、生殖細胞が寿命の性差を生み出すメカニズムの解明と抗老化ホルモンの発見に成功。脊椎動物の生殖細胞がメスとオスで異なる機構により老化と寿命を制御することを明らかにした。

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  13. 自閉スペクトラム症の社会性記憶異常の仕組みを解明

    東京大学、マサチューセッツ工科大学、ブロード研究所の研究グループは、自閉スペクトラム症の症状である「社会性記憶異常」が起こる仕組みを解明した。社会性記憶異常は友人を記憶する能力が低下する症状で、脳のどの領域の機能が変化して起こるのかが分かっていなかった。

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  14. BMI×ゲノムで2型糖尿病の遺伝的リスク予測精度を向上

    大阪大学、東京大学、東北大学などの共同研究チームは、体格指数(BMI)を使用することで、ポリジェニック・リスク・スコア(PRS)による2型糖尿病の遺伝的リスク予測精度が向上することを発見した。PRSは、ヒトゲノム配列上に存在する数百万カ所の遺伝子変異のうち、疾患との関連が示唆された数十~数十万の遺伝子変異について、個人ごとに計算したスコアで、疾患発症リスクと相関することが示されている。

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  15. がんバイオマーカーを検出する「RNA液滴コンピューター」を開発

    東京工業大学、京都大学、東北大学、理化学研究所の共同研究チームは、がんのバイオマーカーである特定のマイクロRNA(miRNA)を選択的に認識し、AND演算の結果を出力できる「RNA液滴コンピューター」の開発に成功した。がんの早期診断や、薬物送達、機械的動作などをするインテリジェントな微小ロボットや化学的な人工知能を実現する技術への貢献が期待される。

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  16. 遺伝子療法などで使うAAVベクターの分析新手法、東大などが開発

    東京大学、名古屋大学、大阪大学などの共同研究チームは、固体ナノポア法を用いてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター粒子の形状を詳細に解析する技術を開発。これまでのAAVベクター計測法と比べ、圧倒的に少量のサンプルを、非破壊で高性能に解析できるようにした。

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  17. ヒトiPS細胞から胆汁排泄能を備えた肝組織、東大などが作製

    国立国際医療研究センター(NCGM)と東京大学などの共同研究チームは、胆汁排泄を再現することが可能なヒト肝組織平面培養系を作製することに成功した。今後、創薬のための薬物動態試験や肝疾患研究に応用されることが期待される。

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  18. The innovation that gets an Alzheimer’s drug through the blood-brain barrier
    アルツハイマー治療薬、血液脳関門を突破するイノベーション
    脳疾患の治療を難しくさせている大きな要因の1つとして血液脳関門が挙げられる。血管の内壁に存在するこの特殊な層は、有害物質から脳を保護する役目を果たしているが、薬剤も遮断してしまう。今、血液脳関門を開いて薬剤を通す研究が成果を上げつつある。
  19. 長鎖シーケンスによるヒト免疫細胞のRNAデータベースを構築

    東京医科歯科大学、京都大学、慶應義塾大学、理化学研究所の共同研究チームは、免疫細胞の転写産物(RNA)の全長構造を、長鎖RNAシーケンス解析により網羅的に解明し、データベースを構築した。ヒトの免疫システムを構成する細胞の多様性を遺伝子の転写産物レベルで明らかにすることで、自己免疫疾患やアルツハイマー病などの免疫関連疾患の病態解明と新規治療法開発へ新たな可能性を開くことが期待される。

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  20. 鳥インフル、非加熱牛乳で感染の可能性 東大など研究

    東京大学、ウィスコンシン大学マディソン校などの研究グループは、H5N1鳥インフルエンザウイルスを含む牛乳を飲むことで感染する可能性があることを発見した。2024年3月に米国で乳牛からH5N1鳥インフルエンザウイルスが検出され、牛乳を介した感染の可能性が懸念されている。

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  21. 激しい運動が体重増加につながる可能性、筑波・都立大など新研究

    筑波大学と東京都立大学の研究グループは、激しい運動が体重増加につながることを明らかにした。マウスを使った実験で、激しい運動がストレスホルモンの一種であるコルチコステロンの分泌を促し、その結果として運動後の身体活動が低下し、体重が増加することを示した。

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  22. プライムエディターのDNA逆転写過程を解明=東大・MIT

    東京大学とマサチューセッツ工科大学の研究グループは、ゲノム編集ツール「プライムエディター」のDNA逆転写過程を解明した。プライムエディターは、DNAの片側だけを切るCas9と逆転写酵素を組み合わせたもので、特定のDNA配列を書き換えられる。これまでは、このツールがどのようにしてDNA配列を逆転写しているかの詳細が不明であった。

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  23. hTERTのがん細胞増殖促進機能、治療の新ターゲットに

    国立がん研究センター、がん研究会、東海大学、金沢大学、琉球大学、東北大学の研究グループは、テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)によるがん細胞の増殖促進の新たなメカニズムを発見した。これまでhTERTはテロメアを伸長して、細胞の分裂回数の限界を延長すると考えられてきたが、細胞のがん化を促進する機能が別に備わっていることが分かった。

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  24. 東北大、針なし注射の新技術を開発  注入量倍増と小型化を実現

    東北大学の研究チームは、針を使わない注射の薬剤注入量を倍増させ、機器の小型化を実現する技術を開発した。この技術は、微小な電流を流して薬やワクチンを浸透させる「イオンフォトレーシス」の一種である。

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  25. Splashy breakthroughs are exciting, but people with spinal cord injuries need more
    「小さな進歩」が人生を変える、脊損患者のための新装置の可能性
    外付けの機器で身体の外から電気刺激を加えて、身体機能を回復させる研究の成果は、比較的地味なものだった。だが、それこそが麻痺を負った人々が求めるものだ。
  26. ヒトiPS細胞から前精原細胞及び卵原細胞の大量誘導に成功=京大

    京都大学の研究チームは、ヒトiPS細胞から、「始原生殖細胞(Primordial Germ Cells:PGCs、ヒト胚では受精後2週目に形成される最も未分化な生殖細胞)」を経て、精子及び卵子のもととなる前精原細胞及び卵原細胞を大量に分化誘導する方法論の開発に成功した。

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  27. ストレスは血液に蓄積する、心不全の再発と多病の仕組みを同定

    東京大学、千葉大学などの共同研究チームは、心不全になると、そのストレスが血液の源である造血幹細胞に蓄積することを発見した。心不全は一度発症すると再発を繰り返し、他の病気にもよくかかること(多病)が特徴であるが、その仕組みは不明であった。

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  28. 前頭前皮質が感情を制御する仕組み、京大など解明

    京都大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、前頭前皮質が感情を司る辺縁皮質や線条体を制御する仕組みを解明した。うつ病などの精神疾患では、前頭前皮質による感情制御が適切に機能せず、悲観的な状態が続くことが知られているが、その具体的なメカニズムは不明だった。

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  29. 足の動脈疾患は心臓の疾患より死亡率が高い、阪大など明らかに

    大阪大学、小倉記念病院、大阪警察病院らの共同研究チームは、下肢閉塞性動脈疾患のため血行再建術が必要となった人は、冠動脈疾患のために血行再建術が必要となった人に比べて、死亡率が高いことを明らかにした。

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  30. 細胞の硬軟をDNAシーケンシングで測る新手法、京大などが開発

    京都大学と理化学研究所らの共同研究チームは、細胞の力学的性質(細胞表面張力)と遺伝子発現情報を関連付けた情報を取得できる新たな測定手法である「エラストミクス(ELASTomics)」を開発。実際に、同手法を用いて細胞表面張力をシーケンシング情報として読み出すことに成功した。

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  31. Tiny faux organs could crack the mystery of menstruation
    重い月経に悩まされている女性は少なくないが、その悩みを解消する決定的な方法はまだ見つかっていない。月経を持つ動物は珍しく、本格的な研究が進まなかったためだ。しかし、ヒトの細胞から作るオルガノイドが、そうした状況を変えつつある。
  32. 胚中心でB細胞が適切に選択される仕組みを解明=阪大など

    大阪大学、東京大学などの共同研究チームは、リンパ球の一種であるB細胞の親和性成熟の場である胚中心で、B細胞が適切に選択され、抗体の親和性成熟を導くメカニズムを明らかにした。

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  33. 超低周波磁場がうつ病症状を改善、新治療法に期待=名古屋大学

    名古屋大学の研究チームは、超低周波微弱パルス磁場環境(ELF-ELME)がうつ病患者の抑うつ症状を改善する可能性を示す研究成果を発表した。この治療法は、ミトコンドリア機能の活性化に関連しており、標準的な抗うつ治療に比べて副作用が少ないことが特徴である。

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  34. がん診断に有効な短波赤外蛍光色素、北大など開発

    北海道大学と理化学研究所の研究グループは、生体内での使用に適した新たな短波赤外蛍光色素を開発した。この色素は、生体深部の画像取得において画期的な役割を果たす可能性がある。

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  35. 名大が「早老症」原因の一端を解明、アルデヒドがDNAにつける傷

    名古屋大学の研究チームは、急速に老化が進行する遺伝性疾患「早老症」の原因として、傷ついた遺伝子を素早く治せないことが関係していることを明らかにした。酒を飲むことなどで細胞の中で作られるアルデヒド類(ホルムアルデヒドなど)が、DNAの遺伝子を傷つけて老化を引き起こす「老化原因物質」であり、日本人の半数は、アルデヒドにより、遺伝子が傷つきやすい性質があることがわかった。

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  36. マウス実験でネオンカラー錯視の脳内メカニズムを解明=東大など

    東京大学とマックス・プランク生物サイバネティクス研究所の研究グループは、マウスがネオンカラー錯視を見ていることを初めて実証した。オンカラー錯視とは、実際には存在しない色や光が見えるという現象で、今回の研究でマウスが人間と同様に錯視を経験することが示された。

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  37. 日本人の遺伝的起源、全ゲノム解析で明らかに=理研など

    理化学研究所、東京大学、金沢大学の研究グループは、日本人3256人分の全ゲノムシーケンスデータを解析し、日本人の遺伝的起源と特徴の一部を解明した。研究では、全国7地域(北海道、東北、関東、中部、関西、九州、沖縄)の医療機関で収集した3256人の全ゲノムシーケンスによって得たデータを使用した。

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  38. 大腸がんにおける免疫寛容を引き起こす仕組み=九大など解明

    九州大学、大阪大学、東京医科歯科大学、国立がん研究センターなどの共同研究チームは、早期大腸がんにおける「空間的転写産物解析(ST-seq)」と「シングルセルRNAシークエンス(scRNA-seq)」を統合解析することで、がんと腺腫の境界部において、腫瘍細胞の増殖/免疫抑制に関与する細胞集団を特定し、細胞間の相互作用機構を解明した。

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  39. 加齢に伴う脂質代謝変容を解明する「アトラス」を構築=理研など

    理化学研究所、東京農工大学、慶應義塾大学の共同研究チームは、加齢に伴って起こる多様な脂質代謝の変化をさまざまな臓器、性別の違い、腸内細菌の有無など多角的な観点から捉え、加齢代謝変容とその分子機序の一端を明らかにした。今回得られた基礎的な知見は、ヒトの加齢に伴う脂質代謝変容と疾患リスクとの関連に係る機序の理解につながることが期待される。

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  40. MUC6欠損が胃がん発症のカギ、治療薬候補も開発=東大など

    東京大学、産業技術総合研究所、豪アデレード大学、コロンビア大学などの研究グループは、ムチンタンパク質の一種「MUC6」の喪失が胃がんを引き起こすことを世界で初めて突き止めた。研究の結果、MUC6遺伝子の変異は胃がんの約10%で確認されていたが、その発がん経路が判明した。

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  41. マウス肺とヒト細胞で作った人工肺の移植術に成功=東北大など

    東北大学とトロント大学の共同研究チームは、マウス肺から細胞を除去し、その中にヒト細胞を培養定着させることで、移植可能なハイブリッドバイオ人工肺のプロトタイプを開発。ヒト細胞で再生したマウス肺をマウスに移植し、血流再開に成功した。

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  42. iPS細胞から肺胞細胞など作製、新型コロナ変異株の病原性を評価

    京都大学の研究チームは、ヒトiPS細胞から肺胞上皮細胞と気道上皮細胞を分化誘導し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株を見分けるモデル系を作製することに成功。それぞれの感染実験により、SARS-CoV-2変異株において病原性の特徴を詳細に調べられることを示した。

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  43. 細胞の中心小体の基本骨格形成メカニズムを解明=東大

    東京大学の研究チームは、あらゆる生物の細胞に共通して存在する構造体である「中心小体」の基本骨格である「三連微小管」の形成促進機構を解明した。中心小体は、細胞分裂やシグナル受容、精子運動など多岐にわたる生命現象を制御し、中心小体の構造破綻はがんや繊毛病、男性不妊などの原因となる。だがこれまで、中心小体の基本骨格である三連微小管が形成されるメカニズムや、制御分子の実体はわかっていなかった。

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  44. 軟部肉腫のオンチップモデルで血管新生の仕組みを解明=京大など

    京都大学、東京医科大学、がん研究会がん研究所の共同研究チームは、希少がんである胞巣状軟部肉腫(ASPS)を模倣したオンチップモデル「ASPS-on-a-Chip」を開発。腫瘍形成時に血管新生を誘導する血管新生因子が輸送される仕組みを、生体外で再現することに成功した。

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  45. 染色体上で二本鎖DNA切断が修復される仕組みを解明=東大

    東京大学の研究チームは、放射線などによって切断された二本鎖DNAの修復に中心的な役割を担うタンパク質「RAD51」が、染色体上で二本鎖DNA切断を検知して修復を開始する様子を明らかにした。さらに、RAD51の染色体への結合には、がん患者において変異が多数報告されているRAD51のアミノ末端領域が重要であることを発見。RAD51の機能不全を原因とするがん発症メカニズムの解明に貢献することが期待される。

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  46. CRISPR-Cas13利用、高精度の遺伝子ノックダウン手法

    理化学研究所、東京大学、愛知学院大学の研究グループは、CRISPR-Cas13を利用した遺伝子ノックダウン手法「CRISPRδ(クリスパー・デルタ)」を開発した。特定の遺伝子の活動をノックダウン(一時的に低下)するもので、従来のRNA干渉技術と比べて高い精度を誇る。

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  47. 肝臓の脂質過酸化細胞死を制御する因子を特定=自治医大など

    自治医科大学、東北大学、九州大学、ドイツ研究センターヘルムホルツ協会の研究グループは、肝臓のフェロトーシス(脂質過酸化細胞死)を制御する因子を発見した。フェロトーシスは細胞膜のリン脂質の過酸化によって引き起こされる細胞死。神経変性疾患や虚血再灌流による臓器障害、非アルコール性脂肪肝炎など、さまざまな疾病に関係することが明らかになっている。

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  48. 活性酸素は記憶形成に不可欠、ビタミンEの過剰摂取は記憶を阻害

    京都大学、東京都健康長寿医療センター、東北大学の共同研究チームは、身体にとって悪玉とされる「活性酸素」が記憶の形成に必要不可欠であることを発見した。また、抗酸化物質として運動選手や一般大衆に用いられるビタミンEで活性酸素を除去すると、運動記憶が阻害されることも示した。

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  49. 名大などが中年太りの仕組みを解明、「MC4R」の減少が原因

    名古屋大学、大阪大学、東京大学の共同研究チームは、加齢性肥満(中年太り)の原因となる脳の仕組みをラットで発見。抗肥満機能を持つ「メラノコルチン4型受容体(MC4R)」が脳の視床下部の神経細胞の一次繊毛に局在し、加齢に伴ってその一次繊毛が退縮することが加齢性肥満の原因であることを突き止めた

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  50. 難治性血液がんにエピゲノム治療薬が効く仕組みを解明

    東京大学、琉球大学、東京医科歯科大学、聖マリアンナ医科大学、第一三共の研究グループは、難治性血液がんである成人T細胞白血病リンパ腫(ATL:Adult T-cell Leukemia)に対するエピゲノム治療薬の作用機序を解明した。エピゲノム治療薬は、エピゲノム異常を阻害することで、多くのがん抑制遺伝子の発現を回復させて治療効果を発揮する薬剤。今回の研究では、日本発の新薬である「バレメトスタット」の、ATLに対する作用機序を調べた。

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