KADOKAWA Technology Review
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生命の再定義

遺伝子編集や遺伝子療法、新治療法や個別化医療、神経工学、合成生命について。

  1. 名大などが中年太りの仕組みを解明、「MC4R」の減少が原因

    名古屋大学、大阪大学、東京大学の共同研究チームは、加齢性肥満(中年太り)の原因となる脳の仕組みをラットで発見。抗肥満機能を持つ「メラノコルチン4型受容体(MC4R)」が脳の視床下部の神経細胞の一次繊毛に局在し、加齢に伴ってその一次繊毛が退縮することが加齢性肥満の原因であることを突き止めた

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  2. 難治性血液がんにエピゲノム治療薬が効く仕組みを解明

    東京大学、琉球大学、東京医科歯科大学、聖マリアンナ医科大学、第一三共の研究グループは、難治性血液がんである成人T細胞白血病リンパ腫(ATL:Adult T-cell Leukemia)に対するエピゲノム治療薬の作用機序を解明した。エピゲノム治療薬は、エピゲノム異常を阻害することで、多くのがん抑制遺伝子の発現を回復させて治療効果を発揮する薬剤。今回の研究では、日本発の新薬である「バレメトスタット」の、ATLに対する作用機序を調べた。

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  3. ゲノムDNAの機能を制御する遺伝子を同定、ゲノム編集を効率化

    金沢大学の研究チームは、DNAの機能制御に関与する遺伝子として「TFDP1」を同定。さらに、TFDP1の機能を阻害することで、ゲノム編集やiPS細胞(多能性幹細胞)のリプログラミングの効率を上げることに成功した。ワクチン開発や再生医療分野など幅広い研究分野に活用されることが期待される。

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  4. ケタミン誘導体が持つ抗うつ作用の仕組みを解明=京大など

    京都大学、名古屋市立大学、マウントサイナイ医科大学の研究グループは、ケタミン誘導体が持つ抗うつ作用の仕組みを解明した。麻酔薬であるケタミンは、低用量で投与すると即効性かつ持続性の抗うつ作用を持つ。ケタミンには依存性や幻覚などの重篤な副作用があるが、ケタミン誘導体は副作用が少なく、安全性が高いと考えられている。

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  5. ピロリ菌除菌後、新型胃酸分泌抑制薬の長期服用に胃がんリスク

    東京大学と朝日生命成人病研究所の研究グループは、ピロリ菌除菌後にカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB:Potassium-Competitive Acid Blocker)を長期内服すると胃がん発症リスクが高まると報告した。

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  6. 温暖化進行で季節ごとの死者数に変化=長崎大・東大ら評価

    長崎大学、東京大学、ロンドン大学、イェール大学などの研究グループは、地球温暖化の進行によって、将来の季節ごとの死者数が変化する可能性があることを発見した。現在は、寒冷な季節の方が温暖な季節よりも死者数が多い傾向が強いが、温暖化が進むとこの傾向が変化するとしている。

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  7. がん免疫療法の効果を増幅させる新技術、北大など開発

    北海道大学、テキサスA&M大学、ミズーリ大学、東洋大学の研究グループは、がん免疫療法の効果を増幅させる新技術を開発した。

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  8. 絨毛を模したヒト胎盤オルガノイド、東京医科歯科大ら作製

    東京医科歯科大学、東北大学、熊本大学らの共同研究チームは、ヒトの胎盤幹細胞を用いて、生体内の絨毛(じゅうもう、胎盤の一部を構成して酸素や栄養素の交換などの働きをする)に類似した「胎盤オルガノイド」を作製した。

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  9. 東大など、DNA鎖の「よじれ」を細胞が認識・処理する仕組みを解明

    東京大学、スウェーデン・カロリンスカ研究所、ドイツ・マックスプランク研究所の共同研究チームは、細胞核内のDNA鎖に生じるよじれを、細胞が認識・処理する仕組みを明らかにした。DNA鎖のよじれをうまく処理できないと細胞にとって致死的な結末をもたらすことが想像されるため、今回の成果は、がんや細胞老化がどのようなメカニズムで起こるかの理解に貢献することが期待される

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  10. This startup wants to find out if humans can have babies in space
    宇宙旅行が一般的になる時代に備えて、あるスタートアップ企業は宇宙での体外受精(IVF)実験に挑戦しようとしている。宇宙への移住は可能になるのだろうか。
  11. 機能性RNAの配列設計を支援する深層学習モデルを開発=京大など

    京都大学と早稲田大学の共同研究チームは、目的の機能と構造をもつ人工RNA設計を支援する世界初の深層学習モデル「Rファムジェン(RfamGen)」を開発した。人工知能(AI)の支援によるRNA設計が可能となることで、従来の設計よりも開発コスト削減と高速化が実現し、核酸医薬や遺伝子治療などのRNA創薬の研究開発が進展することが期待される。

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  12. アルツハイマー病の原因物質が毒性を示す過程の実時間観察に成功

    東京農工大学と三重大学の共同研究チームは、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβが人工細胞膜中で毒性を持つ構造に変化する様子をリアルタイムに観察することに成功。膜中のコレステロールが毒性構造への変化を促進することや、カテキンが毒性構造を阻害することを見い出した。

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  13. 阪大など、細胞老化を抑制する新たな分子メカニズムを解明

    大阪大学、奈良県立医科大学などの共同研究グループは、細胞小器官であるミトコンドリアとリソソーム両者のクオリティーコントロールを介して、細胞老化を抑制する新たな分子メカニズムを明らかにした。

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  14. 情動の形成には迷走神経も関与、脳との連動理解が重要に

    東京大学と東北大学の研究グループは、迷走神経が正常な情動の形成に関与することを明らかにした。長い間、情動は脳がつくるものと考えられてきたが、最近の研究ではさまざまな内蔵の状態も情動に影響することが分かっている。特に、さまざまな内臓の状態を脳に伝える求心性の迷走神経が重要だと考えられてきたが、詳細な仕組みは明らかでなかった。

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  15. リスクと報酬の意思決定を光で制御、サルで実験

    京都大学、奈良先端科学技術大学院大学などの共同研究グループは、報酬とリスクを獲得するバランスの制御に関わる霊長類の戦略的意思決定の脳神経回路機構を解明した。意思決定に関与する主要な脳部位として、中脳の腹側被蓋野から前頭皮質、とりわけ腹外側6野と呼ばれる領域への直接経路が報酬とリスクのバランスを調節する重要回路として機能的役割を担うことを示した研究は世界初だという。

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  16. Gene editing had a banner year in 2023
    初のCRISPR療法が承認、2023年の遺伝子編集シーンを振り返る
    2023年は、CRISPR遺伝子編集技術を利用した鎌状赤血球症の治療法が米国と英国で承認された。2023年の遺伝子編集療法に関する記事を振り返りながら、この療法に残された課題を考える。
  17. Vertex developed a CRISPR cure. It's already on the hunt for something better.
    世界初となる、遺伝子編集技術CRISPRを利用した鎌状赤血球症の治療法を発売したばかりのバーテックス・ファーマシューティカルズは、もう別の治療法の開発に取り組んでいる。
  18.  Four trends that changed AI in 2023
    激動の「生成」ブームに揺れた2023年のAIシーンを振り返る
    2023年は人工知能(AI)分野を揺るがす大きな出来事が相次いだ1年となった。競争激化でテクノロジーが大きく進歩しただけでなく、欧米ではAIの規制に向かう大きな動きもあった。2023年の出来事を4つの視点から振り返る。
  19. Needle-free covid vaccines are (still) in the works
    開発進む新型コロナ「針なし」ワクチン、現状と課題は?
    針を使わず、鼻や口から吸入する新型コロナ・ワクチンの開発が進んでいる。感染が始まる気道の免疫反応を誘発することで、高い効果を発揮すると期待されているワクチンだ。
  20. Medical microrobots that can travel inside your body are (still) on their way
    治療新時代を拓く医療用マイクロロボットはいつ実現するか?
    体内の細い血管などを動き回り、身体の内部から病気を治療する医療用マイクロロボットは何年も前から期待されているが、まだ実用化されていない。「もうすぐ」との見方を示す専門家に動向を聞いた。
  21. The lucky break behind the first CRISPR treatment
    CRISPR技術を利用した世界初の治療法が英国と米国で相次いで承認された。対象となった鎌状赤血球症の治療は長い苦難の歴史をたどったが、思わぬ幸運もあった。
  22. 既存免疫を活用して経鼻ワクチンを実現する技術=阪大など

    大阪大学、和歌山県立医科大学、千葉大学などの研究グループは、過去の感染やワクチン接種で誘導した生体内抗体を抗原送達キャリアとして利用することで、免疫賦活化剤(アジュバント)を使うことなく、経鼻ワクチンで免疫応答を誘導できることを明らかにした。粘膜免疫を安全に誘導可能なアジュバントはまだ開発されていないことから、今回の成果は有効かつ安全な経鼻ワクチンの実用化につながるという。

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  23. 加齢による精子の質の変化、マウスのマイクロRNAで解明=東北大

    東北大学の研究チームは、マウスを用いて、精子におけるマイクロRNAを網羅的に解析し、加齢による精子のプロファイル変化を明らかにした。さらに、それらの変化が神経発達障害に関連する遺伝子の制御に関わる可能性を見い出した。マイクロRNAは細胞内に存在する20塩基程度の小さな核酸で、対応する配列をもつメッセンジャーRNAに結合することによって遺伝子を制御することが知られている。

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  24. 従来品の7倍の性能、環境毒性低いMRI造影剤=東工大など

    東京工業大学、京都大学、量子科学技術研究開発機構の研究グループは、性能を従来品の7倍に高め、環境毒性を抑えたMRI造影剤を開発した。造影MRIの撮影には、環境毒性が高い重金属であるガドリニウムが使われているが、人体への副作用や体内残留のリスクがあり、自然環境への悪影響も懸念されている。

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  25. China wants to win the gene therapy race—and it’ll spend millions
    中国テック事情:遺伝子治療競争、中国が難聴治療で欧米に先行
    上海の復旦大学の研究者らは、先天性難聴の子どもの遺伝子治療に成功したとの成果を10月下旬に発表した。中国は欧米諸国相手に遺伝子治療の分野で一つ勝ち星をあげたことになる。
  26. 若齢期のアミノ酸摂取制限により寿命延長が可能に=東大など

    東京大学、理化学研究所らの国際共同研究チームは、食餌(食事)制限による寿命延長効果が加齢によって弱まることを、ショウジョウバエを用いた研究で明らかにした。

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  27. ヒトの脂肪組織量を決める重要因子を特定=阪大など

    大阪大学と京都産業大学の研究グループは、ヒトの脂肪組織量を決める重要な因子として「HSP47」を特定した。体脂肪量は個人差が大きく、さまざまな要因や要素で変動することから、科学的に統括して説明する研究報告はこれまでなかったという。

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  28. I received the new gene-editing drug for sickle cell disease. It changed my life.
    「人生を変えた」CRISPR療法、鎌状赤血球症患者が語ったこと
    まもなく米国で認可されると見られる鎌状赤血球症の遺伝子療法の治験に参加した患者が、自らの経験と考えを語った。
  29. The pain is real. The painkillers are virtual reality.
    もう注射は怖くない? 現実の痛みを和らげるVRデバイス
    VR(実質現実)を使って鎮痛効果を得ようとする研究が進んでいる。血液採取や点滴の痛みを軽減する子ども向けデバイス「スマイリースコープ(Smileyscope)」は、臨床試験でその効果が証明された。
  30. 損傷したDNAを光回復酵素が修復する仕組みを解明=理研など

    理化学研究所、台湾中央研究院・生物化學研究所、台湾大学、大阪大学などの国際共同研究チームは、紫外線によって損傷したDNAを修復する「光回復酵素」の動的構造を解明した。

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  31. The first CRISPR cure might kickstart the next big patent battle
    バーテックス・ファーマシューティカルズは、CRISPRの技術を応用して、鎌状赤血球症の遺伝子編集療法を開発し、2023年中にもFDAの承認を得る見込みだ。しかし、CRISPR技術の特許権をめぐる法廷闘争が、新薬の普及を妨げるかもしれない。
  32. The Biggest Questions: Is it possible to really understand someone else's mind?
    他人が心の中で何を考え、何を感じているのか、外部から読み取ることはどこまで可能なのだろうか? 科学者たちは、現代的な人工知能を歴史的な手法とを組み合わせることで、この難問に取り組んでいる。
  33. The X Prize is taking aim at aging with a new $101 million award
    10年若返らせたら賞金1億ドル、Xプライズ財団が新コンペ
    月面探査コンテストなどで知られるXプライズ財団が、高齢者の認知、免疫、筋肉を少なくとも10年分若返らせる治療介入に対して、総額1億ドル超を提供するコンペを発表した。多くの研究者が興味を示しており、老化分野の研究を加速する可能性がある。
  34. 細胞内で分子カプセルとサイコロ状タンパク質結晶を融合=東工大

    東京工業大学の研究チームは、サイコロ状とカプセル状という全く異なる形状と性質を持つタンパク質集合体を、1つの細胞の中で個別に同時合成することに成功。合成した集合体の複合結晶を細胞内で自発的に合成し、製造プロセスの大幅な簡素化を実現した。タンパク質材料化で長年課題とされてきた精製過程の簡素化を実現できる技術として、薬物輸送材料やワクチン、生体センサーなど、新たな生体固体材料への応用が期待される。

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  35. 食事と栄養に関する日本のネット情報、根拠不明が多数

    東京大学、豪モナシュ大学、英アルスター大学などの研究グループは、日本語で書かれた食事と栄養に関するオンライン情報を分析。編者や著者の明記がない、広告を含む、参考文献の記載がないなどの問題点を明らかにした。

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  36. T細胞性急性リンパ性白血病の増殖因子を発見=京大

    京都大学医生物学研究所などの共同研究チームは、T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)細胞が骨髄内に留まり増殖する分子メカニズムを明らかにした。今回の成果は、同白血病に対する新しい治療法開発の手がかりとなるものであり、今後の研究が期待される。

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  37. Three people were gene-edited in an effort to cure their HIV. The result is unknown.
    遺伝子編集テクノロジーCRISPR(クリスパー)が、HIV治療の新たな可能性を開いてる。米国のベンチャー企業が、HIVを持つ3人の患者に対して、遺伝子編集ツールを用いてHIVウイルスを破壊する試験を実施した。
  38. 造血幹細胞の分化方向性を制御する分子機構を発見=京大

    京都大学の研究チームは、全ての血球成分の源である造血幹細胞による造血の方向性を決める分子機構を明らかにした。近年、一つひとつの造血幹細胞には、ある特定の種類の血球を多く生み出す傾向が存在することが明らかになってきた。しかしながら、このような造血の偏りが分子レベルでどのように制御されているのかについては、ほとんどわかっていなかった。

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  39. 肺腺がんへの「かかりやすさ」に関わる遺伝子の差を解明

    国立がん研究センターなどの研究グループは、日本人の肺腺がんへのかかりやすさを決める遺伝子多型を解明した。肺腺がんは肺がんの中でも最も発症頻度が高く、増加傾向にある。また、肺がんの危険因子である喫煙との関連が比較的弱く、患者のおよそ半数が非喫煙者であり、喫煙のほかに危険因子を特定できていないことから、罹患危険群の把握や発症予防が困難となっている。

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  40. 迷走神経への光刺激で膵臓のβ細胞を再生=東北大など

    東北大学、東京医科歯科大学、名古屋大学、東北医科薬科大学の研究グループは、膵臓につながる迷走神経に光で刺激を加えることで、膵臓のβ細胞を増やすことが可能であることを、マウスを使った実験で初めて実証した。インスリンを作れる唯一の細胞であるβ細胞を再生させることで、糖尿病を予防、治療する方法の開発につながると期待できる。

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  41. 臓器に貼り付けてエクソソームを回収する木質由来シート

    名古屋大学、大阪大学、東京工業大学、国立がん研究センターの研究グループは、臓器に数秒間貼り付けることで、エクソソームを回収できる木質由来のシート「EVシート(EV:Extracellular Vesicle:細胞外小胞)」を開発した。エクソソームを含むEVは、疾患に応じて内包する生理活性分子が変化するため、有望な疾患バイオマーカーとして期待されているが、ごく微量の体液からエクソソームを回収して解析することは極めて困難とされていた。

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  42. The quest to re-create nature's strongest material
    クモの糸を超える意外な「世界最強」の天然物質
    2015年、西欧の海岸に点在しているカサガイという海貝が持つ歯が、自然界で最高の引張強度を持つことが明らかになった。そして2022年、英国の研究者がこの歯の素材を人工的に合成することに成功した。大規模生産が可能になれば、防弾チョッキの材料にも使えるかもしれない。
  43. 心筋DNA損傷の程度から心不全患者の治療効果を予測=東大など

    東京大学と奈良県立医科大学などの共同研究チームは、心不全患者の心筋生検組織を用いてDNA損傷の程度を評価する方法を開発。心不全の原因疾患に関係なく、心臓収縮機能の低下した心不全患者においては、DNA損傷の程度に比例して治療応答性(薬による効果)や生命予後(病状の経過)が悪化することを明らかにした。

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  44. 腱の完全再生に向けたヒント、イモリから=名大など

    名古屋大学、広島大学、北海道千歳リハビリテーション大学、酪農学園大学の研究グループは、イモリを使った研究から、人体の腱を完全に再生させる治療に向けたヒントをつかんだ。ヒトが腱を損傷した場合、保存療法、あるいは自家腱移植で損傷前の機能を回復させることを目指すが、アスリートが腱を断裂した場合は、競技復帰までに長い時間がかかる。また、一度断裂した腱を完全に元通りに戻す治療法は、現在のところ存在しない。

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  45. 非膜オルガネラが細胞内で混じり合わない分子機構を解明=阪大

    大阪大学の研究チームは、脂質膜に覆われることなく細胞内で特定の分子群を集約している構造体「非膜オルガネラ」が互いに混じり合わずに、独立して存在するための分子メカニズムを解明した。非膜オルガネラは細胞内相分離と呼ばれる物理現象で形成されるが、膜構造を持たないにも関わらず、なぜお互いに混じり合うことなく、それぞれが固有の状態で機能を維持できるかはよく分かっていなかった。

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  46. X線画像から骨密度を高精度に計測、奈良先端大などAI利用で

    奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大)、大阪大学、愛媛大学、パリ=サクレー大学の研究グループは、人工知能(AI)を利用して、単純X線画像から骨密度を高い精度で計測する技術を開発した。骨密度の計測にはDXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry)という専用装置が使われているが、大型で高価なことから、設置は大学病院などに限られている。

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  47. 「DNA折り紙」より頑強に、京大が新たな構造安定化法を開発

    京都大学の研究チームは、「DNA折り紙」をより頑強にできる技術を開発した。DNA折り紙は、デオキシリボ核酸(DNA)の自己集合によって作成されるナノスケールの2次元や3次元のナノ構造体である。今回の技術によりさまざまな条件下でDNA折り紙の安定性が著しく向上し、革新的なナノバイオマテリアルの開発につながる可能性があるという。

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  48. 細胞の飢餓状態における遺伝子発現制御の仕組みを発見=東大

    東京大学の研究チームは、生物の体内でタンパク質を合成する装置「リボソーム」を作る遺伝子の発現スイッチが、栄養状態を感知する「TOR経路」によって制御される新たな仕組みを発見した。TOR経路は、がんの発生や老化と密接に関連しており、今回明らかにした仕組みを応用することで、がん治療や寿命の延伸に貢献できる可能性があるという。

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  49. 免疫細胞と自己免疫疾患の関係を過去最大規模で解析=阪大など

    大阪大学、産業医科大学、東京大学、東京女子医科大学などの共同研究チームは、11の自己免疫疾患の患者1000名の血液を対象に、「免疫フェノタイプ解析」で46種類の免疫細胞を定量化。「どの免疫細胞がどの自己免疫疾患の発症に関わっているのか」を表すネットワークを明らかにした。免疫フェノタイプ解析とは、血液中に含まれる多彩な種類の免疫細胞集団の存在と割合を、抗体を用いて解析する手法である。

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  50. 99%が水なのに水を弾く固体「ゲル・ゲル相分離材料」

    東京大学、理化学研究所、北海道大学の共同研究チームは、含水率99パーセントの均一なゲルが濃厚なゲルと希薄なゲルの2相に分離する「ゲル・ゲル相分離(Gel-Gel Phase Separation、GGPS)」を発見した。さらに、ゲル・ゲル相分離が生じたゲルは高い細胞親和性を持つことがわかり、生体に埋め込むと周囲の細胞が入り込む足場となり組織再生を促す材料としての医療応用が期待される。

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