生命の再定義
遺伝子編集や遺伝子療法、新治療法や個別化医療、神経工学、合成生命について。
- Mind-altering substances are being overhyped as wonder drugs
「魔法の薬」は効くか? バブル化する幻覚剤研究への期待と批判 - 幻覚剤の研究が注目を浴びている。うつ病や不安症などの精神疾患に加えて、最近では「肥満の治療に効く」との論文も発表された。期待の一方で、過剰な「宣伝バブル」との批判も多い。
- Mind-altering substances are being overhyped as wonder drugs
- 小惑星「リュウグウ」の試料からRNAの核酸塩基を検出=北大など
北海道大学や九州大学らの国際共同研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星「リュウグウ」の粒子から、全ての地球生命のRNAに含まれる核酸塩基の一つであるウラシルの検出に成功した。さらに同一サンプルから、生命の代謝に関する重要な補酵素の一つ、ビタミンB3(ナイアシン)も検出した。
- 東北大、iPS細胞による心筋細胞の培養を効率化
東北大学の研究チームは、iPS細胞の塊をゲルで挟んで硬さを調節することで、効率よく心筋細胞を培養する手法「サンドウィッチ培養法」を開発した。心筋梗塞や心筋炎で壊死した細胞を再生させる治療法として、iPS細胞から培養した心筋細胞を移植する治療法が有望視されているが、培養に時間がかかる上、iPS細胞から心筋細胞に完全に分化していない細胞が残り、移植後に腫瘍を形成する恐れがある。そのため、より効率が良い培養法の開発が求められている。
- 量研ら、てんかん発作時に症状を短時間で抑える治療法を開発
量子科学技術研究開発機構(量研)、東京都立神経病院、京都大学、情報通信研究機構、新潟大学の研究グループは、人工受容体とそれにのみ作用する人工薬剤で神経活動を操作する「化学遺伝学」の手法で、てんかん発作の症状が出たときにだけ、病巣の神経細胞の活動をオフにして症状を緩和する治療法を開発した。化学遺伝学は、量研が霊長類への応用に成功している技術である。
- 東大など、植物の器官再生を制御する酵素を発見
東京大学や東京理科大学らの共同研究グループは、植物が器官を再生させるときに遺伝子の働きを制御する「ヒストン脱アセチル化酵素」の同定に成功した。この酵素の活性を人為的に制御することで、必要なときに植物の器官を再生させる手法を開発することが可能になるという。
- オミクロン株CH.1.1系統、既存抗体薬はほぼ効果なし=東大など
東京大学、国立国際医療研究センター、日本相撲協会診療所の研究グループは、英国で流行している新型コロナウイルス・オミクロン株の「CH.1.1系統」に対する既存の抗体薬、抗ウイルス薬、2価ワクチンの効果を検証し、既存の抗体薬がCH.1.1系統に対してほとんど効果を示さなかったことを明らかにした。
- 「折れない心」を支える脳の仕組みを解明=京大
京都大学の研究チームは、期待外れが生じた直後にドーパミン放出を増やしてそれを乗り越える行動を支えるドーパミン神経細胞を、ラットによる実験で発見した。今回の研究成果は、意欲機能に対するドーパミンの新たな役割を解明し、意欲を支える脳の仕組みの常識を変える成果だという。
- Forget designer babies. Here’s how CRISPR is really changing lives
遺伝子編集が救えるのは
「金になる」病気だけなのか - 遺伝子編集ツール「クリスパー(CRISPR)」を利用して遺伝性疾患を治療する臨床研究が進んでいる。年内にも米国で最初の治療法が承認される可能性があるが、商業的な動機から、対象疾患が著しく偏っている。
- Forget designer babies. Here’s how CRISPR is really changing lives
- 視機能を注射だけで回復、網膜変性疾患の治療法を九大が開発
九州大学の研究チームは、網膜変性疾患で低下した視機能(視力や視野)を、低分子化合物群を注射するだけで回復させる治療法を開発した。網膜色素変性や加齢黄斑変性などの網膜変性疾患は治療が難しく、確立された治療法が存在しないこともある。
- 細胞内脂質を超高速解析、代謝異常の原因遺伝子を同定=京大
京都大学の研究チームは、ヒトの全遺伝子と脂質代謝の因果関係を網羅的に調べる超高速解析技術を開発した。今回の技術は、スクリプス研究所(Scripps Research Institute)のバリー・シャープレス教授らが2022年にノーベル化学賞を受賞した「クリックケミストリー」を独自に発展させたもの。がん・肥満・糖尿病などの病気の背後には代謝の異常があることが明らかになっており、代謝異常の原因となる遺伝子を特定することで、さまざまな疾患の治療法の開発につながることが期待される。
- リボソーム品質管理の破綻と神経疾患の関係を解明=理研など
理化学研究所らの共同研究チームは、神経細胞内で翻訳途中のリボソーム(mRNAの遺伝情報からタンパク質を合成する巨大なタンパク質・RNAの複合体)におけるタンパク質の品質管理の破綻が、発達障害などの神経疾患を引き起こす機構を分子レベルで解明した。タンパク質の品質管理機構とは、遺伝子情報を基に新しいタンパク質を合成する際に、制御が正常でなくなって異常なタンパク質が産生・蓄積されるのを防ぐ、あるいは取り除く防御機構のこと。
- 過酸化脂質の蓄積が細胞死を引き起こす仕組みを解明=東北大など
東北大学、トロント大学、トロント小児病院の研究グループは、過酸化脂質の蓄積が細胞死の一種であるフェロトーシスを引き起こす仕組みを解明した。フェロトーシスは、神経変性疾患や虚血性疾患などさまざまな疾患の発症や増悪に関係していることが分かっているが、その仕組みは不明だった。
- 排卵時の脳内のキスペプチン・ニューロンが活性化する仕組み=名大
名古屋大学の研究チームは、哺乳類の排卵時に脳内のキスペプチン・ニューロンが活性化する仕組みを初めて解明した。哺乳類が排卵に至る過程の中で、キスペプチン・ニューロンが活性化し、性腺刺激ホルモン放出ホルモンと、黄体形成ホルモンの大量分泌を引き起こすことは分かっている。だが、キスペプチン・ニューロンが活性化する仕組みは分かっていなかった。
- Sam Altman invested $180 million into a company trying to delay death
特報:オープンAIのCEO
長寿企業に1.8億ドル投資
——その狙いは? - 【限定無料公開】チャットGPTの大ヒットで話題のオープンAIのサム・アルトマンCEOが、アンチエイジング(抗老化)企業に個人で1億8000万ドルを投じていたことが本誌の独自取材で分かった。ユーリ・ミルナー、ジェフ・ベゾス、サウジアラビア王室など世界の名だたる大富豪が熱心に投資している分野に、注目の起業家が参戦する。
- Sam Altman invested $180 million into a company trying to delay death
- How CRISPR could help save crops from devastation caused by pests
CRISPR遺伝子編集が
カリフォルニア・ワインの
害虫被害を救うまで - 農作物に深刻な被害を与える害虫をいかに駆除するか? 農家の苦悩に対し、害虫に遺伝子操作を加えること解決を目指す研究が進んでいる。実用化できれば、農家にとって大きな福音となりそうだが、遺伝子操作を加えた虫を自然に解き放つことで、問題が発生する可能性がある。
- How CRISPR could help save crops from devastation caused by pests
- 九大、大腸がんを再発させる「休眠状態の」がん細胞を発見
九州大学の研究チームは、大腸がんの細胞に増殖が遅い休眠状態の細胞が存在し、その細胞が後に大腸がんを再発させていることを明らかにした。大腸がんは患者数が多く、抗がん剤による治療を受けた後に再発して予後不良となる例も多い。
- 遺伝子組み換えメダカ持ち出し、文科省が東工大に厳重注意
東京工業大学は、同大学の施設で飼育されていた遺伝子組み換えメダカが、元学生によって不法に一般環境中へ持ち出され、文部科学省から厳重注意を受けたことを発表した。同大学によると、当該遺伝子組み換えメダカの取り扱いは、遺伝子組み換え魚を扱う際の拡散防止措置としては最もレベルの低いもので、毒素生産性などの有害性や病原体の感染性はないとしている。
- 血管新生阻害剤の先行投与でがん薬物療法の効果を向上=北大など
北海道大学と藤田医科大学の研究グループは、がん薬物療法に先行して血管新生阻害剤を投与することで、薬物療法の効果が高まることを発見した。がんの薬物療法では、抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤、血管新生阻害剤の投与を同時に始めることが普通だが、大きな効果は上がっていなかった。
- Organs on demand: 10 Breakthrough Technologies 2023
オンデマンド臓器:世界を変える10大技術 2023年版 - 臓器移植を待ちながら、移植手術を受けられずに亡くなっていく人は多い。動物の臓器を移植する技術や、臓器の人工作成技術が実現すれば、臓器移植リストを過去の産物にできるかもしれない。
- Organs on demand: 10 Breakthrough Technologies 2023
- CRISPR for high cholesterol: 10 Breakthrough Technologies 2023
高コレステロールのCRISPR治療:世界を変える10大技術 2023年版 - これまで遺伝子編集ツール「CRISPR」による治験は、希少な遺伝性疾患に限られていた。だが、CRISPRの新たな手法により、今後は、通常疾患の治療にも適用されるようになるかもしれない。
- CRISPR for high cholesterol: 10 Breakthrough Technologies 2023
- Ancient DNA analysis: 10 Breakthrough Technologies 2023
古代人のDNA解析:世界を変える10大技術 2023年版 - 損傷したDNAを解読可能にする新しい手法が登場し、わずかな手がかりから古代人のDNAを調べられるようになったことで、遠い過去に関する驚くべき事実が明らかになりつつある。
- Ancient DNA analysis: 10 Breakthrough Technologies 2023
- How do I know if egg freezing is for me?
保険化する「卵子凍結」ビジネス、透明性向上が不可欠 - 将来子どもを持ちたいと考える女性の一部が、自身の卵子を凍結保存する道を選んでいる。だが、卵子凍結の成功率は多くの女性が考えているよりも低く、正確な情報を得るのは簡単ではない。
- How do I know if egg freezing is for me?
- 阪大など、同種iPS細胞から作った軟骨を移植して関節を再生
大阪大学などの研究チームは、別の霊長類個体のiPS細胞から作った軟骨を、膝関節軟骨を欠損した霊長類動物モデルに移植することで、関節軟骨を再生できることを明らかにした。関節軟骨損傷・変性に対し、関節機能の回復と痛みの軽減をもたらす新しい再生治療の開発に貢献することが期待される。
- 「縄文人由来変異」から現代日本人の地域的多様性を説明=東大
東京大学の研究チームは、コンピューター・シミュレーションに基づいて、現代日本人のゲノム中から「縄文人に由来する遺伝的変異(縄文人由来変異)」を検出する方法を開発。縄文人由来変異を用いた解析によって、現代日本人の遺伝子型と表現型の地域的な多様性が、各地域の縄文人と渡来人の混血の程度の違いによって生じたことを示した。
- I took an international trip with my frozen eggs to learn about the fertility industry
不妊治療を支える
現代のコウノトリ、
凍結卵子「運び人」の仕事 - 体外受精などの不妊治療は、医療としてすでに確立されている。しかし、法的規制や地域によるあまりに大きな価格差などの事情から、外国での体外受精を選ぶ人も多い。このとき活躍するのが、凍結精子や卵子を運ぶ専門の配送業者だ。
- I took an international trip with my frozen eggs to learn about the fertility industry
- 硫化水素・超硫黄分子の代謝と生体制御への関与を解明=東大など
東京大学や東北大学などの共同研究チームは、毒物として知られる硫化水素が種々の形に活性化した「超硫黄分子」が、細胞内でどのように産生され、生体制御に関わるかを明らかにした。
- ゲノム情報から加齢変化を取得する新たな手法を開発=京大
京都大学の研究チームは、生体分子発現量の非線形な加齢変化のパターンをデータ駆動的に同定し、加齢変化パターンに応じてマーカーを分類する新たな手法を開発。さらに同手法を、DNAメチル化情報を取得したメチロームデータセットに網羅的に適用することで、DNAメチル化マーカーの非線形な加齢変化パターンの全体像を調べた。
- 北大、脳内に埋め込んだゲルを「足場」に神経細胞の再構築に成功
北海道大学の研究チームは、マウスの脳内にゲルを埋め込み、その後に神経幹細胞を注入することで神経細胞やグリア細胞を再構築させることに成功した。頭部外傷や脳腫瘍摘出などで脳を大きく損傷すると、脳細胞がかさぶたのように損傷部分を埋めることができず、その部分の脳組織は再生しない。今回の研究では、脳に生じた空洞を埋めるゲルを組織再生の足場とすることで、神経細胞やグリア細胞、脳血管などの再生に成功した。
- 南極の藻類が赤外線で光合成する仕組み、地球外生命の手がかりに?
自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターや国立極地研究所などの共同研究チームは、南極に繁殖する藻類「緑藻ナンキョクカワノリ」が赤外線で光合成をするために使われるタンパク質の構造を明らかにした。植物や藻類は一般的に可視光しか光合成に利用できず、緑藻ナンキョクカワノリが赤外線を光合成に利用できる仕組みは分かっていなかった。
- A Massachusetts bill could allow prisoners to swap their organs for their freedom
臓器と引き換えに刑期短縮、米マサチューセッツ州の法案が物議 - 臓器移植用の臓器や骨髄を提供することで、囚人の刑期を短縮するという改正法案が米国マサチューセッツ州で提出された。臓器提供者の増加が狙いだが、医学的・倫理的な問題点が指摘され、物議を醸している。
- A Massachusetts bill could allow prisoners to swap their organs for their freedom
- 肺がんの放射線治療効果を予測するモデルを開発=弘前大など
弘前大学と日本原子力研究開発機構の研究グループは、肺がん(非小細胞がん)の放射線治療の効果を予測するモデルを開発した。
- We don't need to panic about a bird flu pandemic—yet
鳥インフルエンザ、「次のパンデミック」を心配する必要はあるか? - 鳥インフルエンザによる被害が広がっている。鳥だけでなく、哺乳類の間でも流行し始めている。ヒトの間でも大流行が発生する可能性はあるのだろうか。
- We don't need to panic about a bird flu pandemic—yet
- 体内NOによる疾患誘導の仕組みを解明、阻害薬を開発=岡山大ら
岡山大学、米スクリプス研究所、東京薬科大学などの国際共同研究チームは、体内の一酸化窒素(NO)がDNAの脱メチル化を引き起こし、疾患関連遺伝子を誘導することを突き止めた。さらに、この現象を阻害する薬の開発に成功し、一酸化窒素による腫瘍形成が劇的に抑制されることを明らかにした。
- Americans are ready to test embryos for future college chances, survey shows
「高学歴」可能性を探る受精卵検査、米国人の4割が希望 - 遺伝子検査によって一流大学に入る子に育つ可能性が高い受精卵を選別できる。経済的格差をさらに拡大させるなどの懸念があるが、検査を希望する人は少なくないことが分かった。
- Americans are ready to test embryos for future college chances, survey shows
- 予測に基づいて行動を選ぶ脳の回路を発見=京大
京都大学の研究チームは、マウスを用いた実験で、予測に基づいて行動を選ぶための脳の回路を突き止め、予測に基づいて行動を選ぶ時には脳の2次運動野の活動が重要であることを明らかにした。
- A de-extinction company is trying to resurrect the dodo
「脱絶滅」企業、ジュラシック・パークの技術は実現可能か? - 米国のスタートアップ企業コロッサル・バイオサイエンシズ(Colossal Biosciences)は、はるか昔に絶滅した巨大な鳥類「ドードー」を復活させようと試みている。遺伝子編集技術を駆使して復活させる計画だが、成功の見込みはどれくらいあるのか。
- A de-extinction company is trying to resurrect the dodo
- How CRISPR is making farmed animals bigger, stronger, and healthier
遺伝子編集した肉や魚がスーパーに並ぶ日がやってくる? - 遺伝子編集ツール「CRISPR(クリスパー)」は医療分野での応用が期待されているが、家畜や魚の品種改良に応用する研究も盛んだ。遺伝子編集を施した食肉や鮮魚が店頭に並ぶ日は近いのだろうか。
- How CRISPR is making farmed animals bigger, stronger, and healthier
- We can use sewage to track the rise of antibiotic-resistant bacteria
下水監視は「サイレント・パンデミック」への備えになるか - 下水には人間の健康に関する情報が大量に含まれている。下水監視は小規模な試みにとどまっていたが、新型コロナのパンデミックによって状況は変わった。抗生物質への耐性を持つ細菌による「サイレント・パンデミック」対策にも活用できるかもしれない。
- We can use sewage to track the rise of antibiotic-resistant bacteria
- ショウジョウバエの細胞死を引き起こす「サヨナラ遺伝子」、理研らが発見
理化学研究所(理研)、リヨン癌研究所、リヨン第一大学、モンペリエ大学、宮崎大学の研究グループは、ショウジョウバエの細胞死を引き起こす遺伝子を発見し、「サヨナラ遺伝子」と命名した。ショウジョウバエの細胞死を引き起こすアポトーシス関連遺伝子はこれまで見つかっておらず、20年以上にわたって存在しないと考えられていた。
- 理研、オルガノイドをより高次形態に成長させる技術を開発
理化学研究所の研究チームは、ピペット操作で簡単に複数の細胞周囲環境を空間的に制御する技術を開発した。現在世界中で開発が進められているミニ臓器(オルガノイド)をより高次形態に成長させることを可能にする技術として、創薬や再生医療に貢献することが期待される。
- 100歳以上の「百寿者」、エピゲノム年齢若く=岩手医科大など
岩手医科大学、慶應義塾大学、KDDI総合研究所の共同研究チームは、超並列型DNAシーケンサーを利用した、日本人に適した年齢推定法を新たに開発。百寿者(100歳以上の人)94名のエピゲノム(後天的にゲノムに加えられた修飾)の状態を解析した結果、百寿者の推定年齢は暦年齢よりも若いこと、特にがん関連遺伝子と認知機能にかかわる遺伝子群のエピゲノム状態が若い人と同程度に維持されていることが明らかになった。
- 不適切な換気によるエアロゾル感染拡大に警鐘=電通大など
電気通信大学などの共同研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染(クラスター)が発生した60カ所以上の医療福祉機関・事業所への立ち入り調査を実施。エアロゾル感染の要因として、従来から指摘されてきた「換気の悪い密閉空間」に加えて、「不適切な換気」があることを見い出した。
- What happens when you donate your body to science
ボディ・ファームに横たわる
遺体が教えてくれるもの - 自身の死後に遺体を研究機関などに寄贈する「献体」という制度がある。この制度を通して受け取った遺体を、研究者や学生がどのようなことに使っているのか。そして、どのように扱っているのか。実態を知るために、「ボディ・ファーム(死体農場)」と解剖学研究室を訪れた。
- What happens when you donate your body to science
- 持久運動能力を向上させる腸内細菌、青学陸上部員に多く
慶應義塾大学、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ、青山学院大学の研究グループは、ヒトの持久運動能力を向上させる腸内細菌を発見した。
- スマホ画像をAI分析、アトピー性皮膚炎の経過観察が可能に=東北大
東北大学の研究チームは、スマートフォンで撮影した患部画像を人工知能(AI)技術で分析することで、アトピー性皮膚炎の経過観察が可能になるシステムを開発した。皮疹の画像をAIで分析するシステムでは、一定の撮影条件を整えて画像を撮影する必要があり、専用の撮影機器を使用することが多い。スマホの場合、被写体との距離が一定せず、撮影距離によって皮疹の見え方が異なってしまうからだ。
- Next up for CRISPR: Gene editing for the masses?
CRISPR技術の進歩、
誰もが遺伝子治療を受ける
時代はやってくるか? - 遺伝子編集ツール「CRISPR(クリスパー)」を利用した治療法が2022年、大きな一歩を踏み出した。遺伝子編集技術を利用した治療法は、このまま一般に普及していくのだろうか。
- Next up for CRISPR: Gene editing for the masses?
- 10滴の尿から脳腫瘍を検出、名大などが新検査法
名古屋大学と東京大学の研究グループは、10滴の尿から脳腫瘍を検出する技術を開発し、同技術に基づく検査機器を完成させた。脳腫瘍は早期のうちは自覚症状がほとんどなく、異常を感じて検査を受けた頃には手術では取り除けないほど進行していることが多い。そのため、脳腫瘍を早期に発見する方法が求められている。
- 肺で細胞性免疫が形成される仕組みを解明=NAISTなど
奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)、東京大学、兵庫医科大学、近畿大学、奈良県立医科大学の研究グループは、肺でキラーT細胞が形成される仕組みを解明した。キラーT細胞は、ウイルス感染やワクチン投与後に体内に形成される細胞性免疫で主な役割を果たす細胞。ウイルスなどの病原体に感染した細胞や腫瘍細胞を直接見つけ出して、感染した細胞ごと病原体を殺傷することで、感染症の重症化抑制などの効果をもたらす。
- How drugs that hack our circadian clocks might one day improve our health
時差ぼけ、夜勤——概日時計の狂いを調整する薬は実現するか? - ヒトの身体は、大まかに24時間周期のリズムに従って動いている。24時間周期のリズムを作り出すのが「概日時計」だ。概日時計を薬で調節できたら、シフト勤務や時差ぼけでリズムを崩しやすい人々にとって朗報となるだろう。
- How drugs that hack our circadian clocks might one day improve our health
- These scientists used CRISPR to put an alligator gene into catfish
ワニの遺伝子を組み込んだ「CRISPRナマズ」が米国で誕生 - 遺伝子編集によってワニの遺伝子を組み込んだ「CRISPRナマズ」が米国で誕生した。病気への抵抗力が高く、養殖における死亡率を下げ、廃棄量を減らせる可能性があるという。
- These scientists used CRISPR to put an alligator gene into catfish