KADOKAWA Technology Review
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生命の再定義

遺伝子編集や遺伝子療法、新治療法や個別化医療、神経工学、合成生命について。

  1. Meet the Woman Using CRISPR to Breed All-Male “Terminator Cattle”
    遺伝子編集技術を用いて、雄の性別を決定付ける遺伝子をX染色体に挿入することで、雄の子牛しか生まれないようにした雄牛を作り出す研究が進んでいる。雄の子牛は速く成長し、餌を効率的に筋肉に変えられるので、牛肉の生産効率を高められるという考えだ。
  2. クリーン・エネルギーを目指す科学者たちは長年にわたり、植物が太陽光と水と二酸化炭素から炭水化物を作り出す光合成にヒントを得たプロセスを、商業的に採算の取れる方法で実現する方法を探究してきた。かつて同じ指導教官の下で学んだ2人のライバル科学者は今、それぞれ全く異なるアプローチで、まだ先は遠いものの、着実な成果を出しつつ研究を進めている。
  3. 人工知能(AI)が、アルツハイマー病の早期発見、治療、脳画像診断、臨床試験の改善に使われ始めた。医師や家族が気づくよりも前に、センサーを使って日常行動から初期徴候を検出する研究も進んでいる。
  4. 遺伝子編集技術「クリスパー(CRISPR)」による治療が有望視されており、欧米では年内にも治験が開始される予定だ。科学者たちはクリスパー療法の効果や安全性を確認するためにサルを使用した実験を実施しているが、事例は少なく、懸念材料は残っている。
  5. MIT、「脳の永久保存」企業との研究契約解消へ
    MITメディアラボは、デジタルな不死を望む人々に自殺を促しかねないサービスを計画しているスタートアップ企業との研究契約を打ち切る声明を出した。

生命の再定義の最新ニュース

  1. A startup is pitching a mind-uploading service that is “100 percent fatal”
    まだ生きている状態の人間の脳に化学処理を施し、何百年も保管できるようにするサービスを計画しているスタートアップ企業がある。将来の科学の進歩により保存した脳から情報を復元できるようになれば、コンピューター・シミュレーションとして蘇ることができるという触れ込みだ。
  2. This stem-cell implant could halt an incredibly common cause of vision loss
    ES細胞を利用して、失明の原因となる加齢黄斑変性を治療しようとする試みが進んでいる。南カリフォルニア大学の研究者らが、培養したES細胞の薄膜を患者の眼に挿入したところ、視力が減退しないだけでなく、向上する効果も見られた。
  3. A simple artificial heart could permanently replace a failing human one
    一生使える「完全な人工心臓」、実現へ前進
    人工心臓は部品の数が増えるほど、壊れたり、感染症を起こしやすくなったりする。オレゴン健康科学大学は、弁を持たない、非常に単純化した設計の人工心臓を開発している。ウシの体内での試験を終え、小型化したバージョンをヒツジに埋め込んで3カ月にわたる試験をする計画だ。
  4. Farmland gene editors want cows without horns, pigs without tails, and business without regulations
    米国で遺伝子編集した動物の安全性規制を緩和させるためのロビー活動が活発化している。ビジネスを優先させる姿勢を明確にしているトランプ政権は、規制を変更するのにまたとないチャンスだと業界関係者らは見ているのだ。
  5. Genes of human “mutants” point to a new superpower
    大量飲酒でも脂肪肝になりにくい遺伝子突然変異が発見される
    大規模なDNA解析調査の結果、肝疾患に耐性を持つ遺伝子突然変異を有する人々の存在が明らかになった。飲酒を原因とする肝硬変に罹患する確率が通常より大幅に低く、研究が進めば脂肪肝疾患を抑制する医薬品を開発できる可能性がある。
  6. CRISPR may not cause hundreds of rogue mutations after all
    遺伝子編集技術CRISPRを適用したマウスにオフターゲット効果が多数発生したと発表して物議をかもしていた論文が取り下げられた。執筆者らは以前の実験結果を再現できなかったとしており、論文を掲載したネイチャー・メソッズは「主張を裏付けるデータが不十分だった」と述べている。
  7. Fast genome tests are diagnosing some of the sickest babies in time to save them
    遺伝性疾患は北米の乳児の死因の第1位であり、新生児の推定4%に影響を及ぼしている。レイディ小児病院は、全ゲノム・シーケンシングに要する時間を大幅に短縮することで、重病の赤ん坊の病因を迅速に特定して、適切な医療処置ができるようにしている。
  8. Why even a moth’s brain is smarter than an AI
    深層学習のニューラル・ネットワークにはいまだに、自然界の生物のニューラル・ネットワークより大きく劣っている点がいくつかある。ワシントン大学の研究者たちは、ガの嗅覚学習の仕組みを真似ることで、こうした欠点の克服を目指すニューラル・ネットワークを開発した。
  9. Forecasts of genetic fate just got a lot more accurate
    遺伝子診断は、糖尿病やアルツハイマー病といった一般的な病気の発症予測だけでなく、知能指数の予測まで可能になりつつある。
  10. Biologists would love to program cells as if they were computer chips
    MIT発のスタートアップ企業が、微生物内で医薬品や化学物質を作り出すための「遺伝子回路」を設計するソフトウェアを開発した。電子回路設計ソフトウェアをモデルにしており、数年かかった作業を数週間に短縮できるという。
  11. Gene Editing Could Rewrite the GMO Debate
    世界を救うのは遺伝子「編集」作物だ
    遺伝子組換え作物の安全性をめぐる対立は、長らく農業の進化を停滞させてきた。新たな遺伝子編集技術は、多種多様な特徴をもった作物を生み出し、農業の世界にイノベーションをもたらすだろう。
  12. The high-tech medicine of the future may be biased in favor of well-off white men
    医療の高度な個別化は生命に「格差」をもたらすのか
    高度に個別化された適確医療(Precision Medicine)は、少数派や女性たち、貧しい人々といった特定のグループに想定外の悪影響を及ぼす可能性がある。
  13. 100,000 happy moments
    幸せを科学で解き明かすことはできるのか。東大生らの研究チームは、10万件にものぼるデータを自然言語処理を使って解析し、幸せの瞬間に何が起こっているのかを解明しようとしている。公開されたデータベース「HappyDB」は、人々が幸せになる手助けになるかもしれない。
  14. Why redesigning the humble yeast could kick off the next industrial revolution
    自由自在に遺伝子を書き換えられる人工酵母の誕生は、エネルギー問題や医療問題の解決に大きく役立つかもしれない。
  15. Can’t get new lungs? Try refurbished ones instead.
    ハーバード大学のハラルド・オット医師は、動物から取り出した臓器を土台とすることで、移植用臓器の不足を解決できるかもしれないと考えている。
  16. 2017 was the year consumer DNA testing blew up
    消費者直販型の遺伝子系図検査を利用する人の数が米国で急増している。業界トップ企業がテレビCMなどに投じる広告費は年間1億ドルを超え、DNA検査は今や、一大ブームの様相を呈している。
  17. Gene-altering treatments are medicine’s best shot yet against Huntington’s disease
    従来の医薬品では治療が困難とされているハンチントン病に対して、遺伝子療法による根治を目指す試みがされている。昨年12月に結果が発表された治験では、46人の初期ハンチントン病患者でハンチントンの量が低下するという初の効果が得られた。
  18. The doctor responsible for gene therapy’s greatest setback is sounding a new alarm
    遺伝子療法で大量のウィルス粒子を投与すると、深刻な免疫作用を引き起こす可能性があることを、ペンシルベニア大学のジェイムズ・ウィルソン教授が動物実験で確認した。高用量の投与を用いる遺伝子療法の研究はまだ始まったばかりであり、科学者は慎重な姿勢を求められる。
  19. Edible electronics tattooed on your food could help track your health
    イタリア工科大学の研究チームが、転写シールの技術を応用して、食品や医薬品錠剤に転写して食べられる電子回路を開発した。生体適合性の確認などの課題はあるが、体内で様々なモニターや分析を実施するなどの用途が考えられる。
  20. These Are Not Your Father’s GMOs
    従来の遺伝子組み換えではなく、TALENやCRISPRといった遺伝子編集テクノロジーを利用した新しい作物が生まれ、まもなく販売されようとしている。「加速化された品種改良技術」だと主張する研究者や企業に対して、従来の遺伝子組み換え作物(GMO)のように規制すべきだとの声も上がっている。
  21. This new company wants to sequence your genome and let you share it on a blockchain
    ブロックチェーンで遺伝子データを売買、ハーバード大教授の狙い
    ハーバード大学の著名な遺伝学者が遺伝子解析企業を創業した。遺伝子データをブロックチェーンを通じて製薬会社や研究機関に共有し、データ所有者が暗号通貨を得られるサービスを提供するという。
  22. A new DNA test will look for 190 diseases in your newborn’s genetic code
    唾液から193の遺伝性疾患がわかる、新生児向けDNA検査
    貧血、てんかん、代謝性疾患などの193の遺伝性疾患の有無を、綿棒で採取した唾液から調べられる新生児向けDNA検査が登場した。検査でわかる症状はすべて治療法が存在するものだが、検査結果によっては親が難しい立場に立たされる可能性もある。
  23. The Surgeon Who Wants to Connect You to the Internet with a Brain Implant
    将来、人間が脳内にチップを埋め込み、コンピューターとシームレスにやり取りできるようになると真剣に考えている脳神経外科医がいる。すでに、思考するだけで「スペースインベーダー」ゲームをしたり、脳に埋め込んだ電極の信号で人間の意思を解読できるという初期証拠を得たりするなどの研究成果をあげている。
  24. A biotech CEO explains why he injected himself with a DIY herpes treatment live on stage
    ステージ上でいきなり注射、過激派DIYバイオハッカーの言い分
    バイオテック企業アセンダンス・バイオメディカルのCEO(最高経営責任者)が、バイオハック会議の壇上で遺伝子治療薬と称するDIY治療薬を注射し、その様子をネット中継した。「遺伝子療法を民主化するため」としているが、専門家は危険な行為だと批判している。
  25. A search for insomnia genes involving 1.3 million people is the largest genetic study ever
    130万人を超える人々のDNAを分析して不眠症の原因となる遺伝子を探す研究が実施された。分析にはUKバイオバンクと消費者向けDNA検査会社のデータを用いており、課題は残るものの今後、こうした大規模な遺伝子研究が増加しそうだ。
  26. Drug Companies Bet on UK Gene Database
    リジェネロンをはじめとする製薬会社6社が、2020年までにUKバイオバンクが収集した50万人分の遺伝子情報を解読し、結果のデータをすべて公開すると発表した。医薬品メーカーなどが健康問題の原因となる遺伝子配列を見い出すことが飛躍的に容易になると期待される。
  27. Faced with failing antibiotics, scientists are using killer viruses to fight superbugs
    抗生物質が効かない耐性菌の感染症に対して、その耐性菌に合ったファージを注射することで治療する手法が現実味を増している。DNAシーケンシングとAIによって適切なファージの選択がはるかに容易になったことから、実用化へ向けてスタートアップ企業が研究を進めている。
  28. Storing data in DNA is a lot easier than getting it back out
    今後も増え続けるデータを保存するには、従来のメモリよりもはるかに密度の高いメモリが必要になる。イタリアのパドヴァ大学の研究者たちは、バクテリアのDNAにデータを保存し、保存したデータを読み取る実証実験に成功した。
  29. A Cheap and Easy Blood Test Could Catch Cancer Early
    血液検査で8種類のがんを発見、米ジョンズ・ホプキンス大
    ジョンズ・ホプキンズ大学が血液サンプルから8種類のがんの兆候を見つけられる検査を開発した。がんと診断された1005人から採取した血液で試したところ、検査の確度が最も高かった卵巣がんでは、98%の確率で検知できた。
  30. Gene Therapy Could Make Cancer Care More Unequal, and This Map Shows Why
    遺伝子療法のキムリアとイエスカルタが米国で昨年承認され、奇跡的な効果が報告されている。しかし、これらの療法による治療を提供しているのはまだ一部の都市に限られており、治療を受けられるかどうか患者がどこに住んでいるかに左右されるのが現状だ。
  31. Your Tweets Could Show If You Need Help for Bipolar Disorder
    台湾の国立精華大学の研究チームが、ツイッターの一連の投稿を分析することで双極性障害(躁うつ病)の兆候を発見できるとする研究結果を発表した。単語が発話されたときの破裂音のエネルギーを基に新しい音韻測定基準を開発した点がユニークで、機械学習アルゴリズムによる識別の正確度は90%を超えたという。
  32. U.S. Doctors Plan to Treat Cancer Patients Using CRISPR
    CRISPRによるがん治療、米国初の臨床試験実施へ
    ペンシルベニア大学で、米国初のクリスパー(CRISPR)によるがん治験の準備が整ったことが明らかになった。臨床試験では、がんを検出して攻撃するように遺伝子編集した免疫細胞を人体に注入する。米国立衛生研究所の諮問グループは2016年6月に、同大学の研究者に対して臨床試験の許可を出していた。
  33. An $850,000 Price Tag on Gene Therapy Shouldn’t Freak You Out—Yet
    高すぎる遺伝子療法の費用は誰が払えるのか?
    遺伝子療法に対して付けられた価格は、一般人には到底支払えなさそうな唖然とする金額だ。しかし専門家たちは、こうした価格を、少なくとも今のところは、さほど恐れる必要はないとしている。
  34. 2017 Was the Year of Gene-Therapy Breakthroughs
    遺伝子療法はどこまで進んだか? 2017年の5大ブレークスルー
    遺伝子療法にとって2017年は、2016年にも勝るブレークスルーの年となった。いくつかの遺伝子療法に対して初めて米国食品医薬品局の認可が下りたことに加えて、稀ながんやいくつかの遺伝性疾患において治癒や寛解の症例が報告された。
  35. 23andMe Launches Giant Weight-Loss Study
    肥満と遺伝はどう関係?23アンドミーが研究参加者を募集中
    23アンドミーが、遺伝子と肥満の関係を調べるために10万人の研究参加者を募集している。興味深い取り組みだが、適切なアドバイスを参加者にできるかどうかはわからない。
  36. Four Amazing Things Gene Editing Did in 2017
    実用化が近づく遺伝子編集治療、2017年の4大トピックス
    遺伝子編集技術「CRISPR(クリスパー)」の登場により、かつては治療のすべがなかった難病やがんに対して遺伝子療法を適用できる可能性が高まっている。疾病治療や臓器移植などで実用化が近づきつつある遺伝子編集技術に関する2017年4大トピックスを紹介する。
  37. The Biggest Technology Failures of 2017
    MITTRが選ぶ、
    2017年に世間を騒がせた
    最低なテクノロジー7選
    2017年も多くのテクノロジーが世間を賑わせた。中には目を見張るほど素晴らしいものもあれば、目を覆いたくなるほどひどいものもあった。DIY遺伝子治療薬の自己投与や何一つ目的を持たない仮想通貨のICO(新規仮想通貨公開)など、MITテクノロジーレビューが選んだ最低のテクノロジーを7つ紹介する。
  38. Digital Pills Track How Patients Use Opioids
    米国で蔓延するオピオイド中毒、「飲むセンサー」で服薬を追跡
    薬と一緒に飲み込む経口摂取型のワイヤレスセンサーと、センサーの電波を受信するウェアラブル型受信器の試験が、米国の病院で実施されている。医師から出された薬を患者が正しく服用しているか追跡調査するためのもので、オピオイドなどの依存性の高い薬の過剰摂取を防ぐのにも役立つとされている。
  39. A Contraceptive Gel for Men Is About to Go on Trial
    男性の避妊法に新たな選択肢
    「精子を減らすジェル」は
    コンドームに代わるか?
    男性が上腕と肩に毎日塗るだけで避妊が可能になるジェルの臨床試験が、4月から実施される。これまで製薬会社は男性用避妊薬に対してあまり関心を示してこなかったが、研究者たちは今後、男性、特に若い男性が抵抗感なく避妊薬を使うようになるだろうと考えている。
  40. New Genome Scores Predict Breast Cancer Odds for Any Woman
    多遺伝子リスクスコアで
    乳がんを予測、
    アンジェリーナ効果再来か
    女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がんに関する遺伝子検査の結果から、予防的乳房切除術を受けると公表したのは2013年のことだ。ジョリーの検査を担当した企業が今度は、あらゆる女性に対して乳がんのリスクを予測できる可能性がある新たなタイプの遺伝子検査サービスを開始した。
  41. CRISPR in 2018: Coming to a Human Near You
    質の悪い遺伝性疾患やがんを、たった一回の注射や注入で治癒できる可能性のある「クリスパー(CRISPR)」を使った遺伝子療法は、患者や医療関係者にとってまさに夢の実現だった。しかし、臨床試験に関して言えば、適用疾患は限られ、いったん発表した計画が延期される事例が相次いでいる。
  42. To Eliminate Fruit Flies, California Farmers Eye Controversial Genetic Tool
    カリフォルニアのサクランボに被害を与える外来種のミバエを、遺伝子ドライブで駆除しようとする計画が持ち上がっている。遺伝子ドライブはいったん野に放たれたら止められなくなる恐れがあり、市民団体からの抗議も考えられるため、関係者たちは慎重に事を進めている。
  43. Genetic Programmers Are the Next Startup Millionaires
    世界を次に変えるスタートアップ起業家は遺伝子プログラマーだ
    ヒトの免疫系のキラー細胞の内部に埋め込む「プログラム」の作成を手がける創業2年の新興企業が、大手製薬会社ギリアド・サイエンシズに1億7500万ドルで買収された。がん治療のさらなる高度化のために、遺伝子プログラミングの重要性が高まっていることの現れと見なせる。
  44. Biohackers Disregard FDA Warning on DIY Gene Therapy
    DIY遺伝子療法キットは「違法」、 FDAとバイオハッカーが対立
    遺伝子編集のための強力な手法であるCRISPR(クリスパー)が広まるにつれて、スタートアップ企業などによる手作り(DIY)遺伝子治療薬を自己投与する事例が相次いでいる。米国食品医薬品局は安全性リスクなどを懸念して警告を出しているが、事実上、無視されている。
  45. Semi-Synthetic Life Form Now Fully Armed and Operational
    自然界のすべての生物の遺伝子情報は、A、G、C、Tの4種類の文字で表わされる。サンディエゴにあるスクリプス研究所の研究チームが、自然界には無い2種類の遺伝子文字を追加した細菌を作成し、異質なたんぱく質を作り出すことに成功した。
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