生命の再定義
遺伝子編集や遺伝子療法、新治療法や個別化医療、神経工学、合成生命について。
- Why China is still obsessed with disinfecting everything
新型コロナ対策で中国が「消毒」にこだわり続ける理由 - 物の表面を介した新型コロナウイルス感染の可能性は低いとされているにもかかわらず、中国政府は執拗に物の表面を介した感染の可能性を強調している。背景には政治的な思惑が見え隠れする。
- Why China is still obsessed with disinfecting everything
- 不整脈の治療薬開発に活路、イオン経路の仕組み解明=京大・順大
京都大学と順天堂大学の共同研究チームは、最先端の「クライオ電子顕微鏡による単粒子解析」と「定量的な機能解析」を組み合わせることにより、心臓の超巨大カルシウムイオンチャネルである「2型リアノジン受容体(RyR2)」が開口する分子メカニズムを明らかにした。不整脈疾患に対する新しい診断法、治療薬や予防薬の開発への応用が期待される成果だ。
- 女性ホルモンに乾癬抑制効果、京大がマウス実験で確認
京都大学の研究チームは、女性ホルモンの一種である「エストラジオール」に乾癬(かんせん)抑制効果があることを発見した。乾癬は、全世界で1%ほどが罹患している慢性炎症性皮膚疾患で、皮膚がかさぶたのようになって剥がれ落ちる症状が出る。男性に比べると女性はかかりにくく、かかったとしても重症化しにくいことが知られていた。
- 東北大、インフルウイルスを蛍光検出する分子プローブを開発
東北大学の研究チームは、インフルエンザRNAの特定構造に強く選択的に結合する蛍光性分子プローブを開発した。ウイルスRNAと混ぜて即時検出できる診断技術への応用が期待されるほか、薬剤耐性インフルエンザウイルスに有効な新規抗ウイルス剤の開発にも有用だという。
- Anti-aging drugs are being tested as a way to treat covid
新型コロナ治療にアンチエイジング医薬品、その効果は? - 新型コロナウイルス感染症で死亡するリスクが高いのは高齢者だ。そこで、免疫系を若返らせたり、老化細胞を除去したりするアンチエイジング医薬品を使った治療法が試されている。
- Anti-aging drugs are being tested as a way to treat covid
- うつ病治療になぜケタミンが効くのか? 金沢大らが仕組み解明
金沢大学と大阪公立大学の研究グループは、ケタミンの即効性抗うつ作用の仕組みを解明した。ケタミンは古くからある麻酔薬だが、麻酔用量よりも低用量で用いることで、治療抵抗性うつ病患者に即効性の抗うつ作用をもたらすことが2000年代に明らかになっている。ただ、ケタミンには幻覚、妄想などの精神症状や、依存性といった重い副作用があるため、うつ病患者にそのまま投与するには問題があった。
- 無精子症マウスから高確率で産子獲得に成功=理研
理化学研究所(理研)の研究チームは、無精子症のマウスから高い確率で産子を得ることに成功した。これまで、精子となる前の細胞である一次精母細胞を使用した顕微授精で産子を得ることはできていたが、一次精母細胞注入後の卵子内での減数分裂の際に高い確率で染色体異常が発生することから、出生率はわずか数%にとどまっていた。
- BA.2株の病原性はBA.1株と同程度、東大がオミクロン株を比較
東京大学医科学研究所の研究チームは、現在流行しているBA.2系統に属するオミクロン株(オミクロン/BA.2株)を患者から分離し、その性状を解析した。その結果、オミクロン/BA.2株を感染させた動物では、体重減少と呼吸器症状の悪化がみられないなど、病原性は従来株よりも低く、2021年12月から2022年2月にかけて流行していたBA .1系統のオミクロン株(オミクロン/BA.1株)と同程度であることが明らかとなった。
- AudioMook: What was the gene-edited baby
聴くMITTR:遺伝子編集ベビー事件とはなんだったのか? - 今週のオーディオ・ムック(β)は、遺伝子編集ベビー誕生の経緯を振り返るとともに、その問題点と科学界への影響について考える記事を紹介する。
- AudioMook: What was the gene-edited baby
- 理研、カーボンナノチューブで植物に遺伝子を送り込む新手法
理化学研究所、京都大学、宇都宮大学、九州大学の共同研究チームは、カーボンナノチューブを担体(物質を固定して運ぶ役割を担う物質)に用いて、植物細胞のミトコンドリアを標的として遺伝子を輸送する技術を開発。植物ミトコンドリアの遺伝子組み換えに成功した。植物の遺伝子改変技術に応用することで、環境への耐性を持つ改良植物種の作製や作物生産量の向上が期待できそうだ。
- オミクロン株は腸管に感染しにくい、横市大がミニ臓器で検証
横浜市立大学と国立成育医療研究センターの研究グループは、ヒトiPS細胞から作り出した「ミニ腸」を使って、腸管組織における新型コロナウイルスとその変異株の感染力と増殖力を検証した。その結果、ほかの株に比べてオミクロン株BA.1とBA.2は、腸管組織ではほぼ感染、増殖しないことが明らかになった。
- 東北大、ナノ材料と機械学習で一酸化炭素を検出
東北大学の研究チームは、酸化チタンナノチューブのナノ微細構造を検出媒体とする半導体式ガスセンサーを開発した。混合ガスの中から微量な一酸化炭素の濃度を高精度で検出でき、呼気から肺疾患を検査・診断する機械への応用が期待できるという。
- しつこい「かゆみ」の悪循環の仕組みを解明=九大など
九州大学、岡山大学、ジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは、慢性的なしつこいかゆみを発生させる仕組みを解明した。アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などに伴う慢性的な強いかゆみを感じると、何回も繰り返して引っ掻いてしまう。その結果皮膚の炎症が悪化して、かゆみがさらに増すという悪循環に陥る。こうした「かゆみと掻破(そうは)の悪循環」のメカニズムは従来、解明されていなかった。
- AudioMook: The age of the brain computer is coming
聴くMITTR:脳コンピューターの時代がやってくる - 今週のオーディオ・ムック(β)は、世界を驚かせた医療向けBCIの最新事例と、テック業界が注目する一般向けBCIの現状と今後の可能性をお伝えする。
- AudioMook: The age of the brain computer is coming
- The gene-edited pig heart given to a dying patient was infected with a pig virus
世界初のブタ心臓移植患者、
ウイルス感染が死亡の一因か - 2022年1月に実施された、遺伝子操作されたブタの心臓を人間に移植する初めての異種間移植は、2カ月後の患者の死亡という結果に終わった。移植した臓器がブタウイルスに感染していた可能性が指摘されている。
- The gene-edited pig heart given to a dying patient was infected with a pig virus
- Trans men’s eggs have been matured in the lab—and could help them have children.
トランス男性の卵子を採取、実験室での成熟に成功=世界初 - 英エディンバラ大学の研究チームは、テストステロン療法を受けているトランスジェンダー男性の卵巣から卵子を採取し、体外で成熟させることに成功した。 この手法はトランス男性に対してだけでなく、不妊に悩む人たちにも役立つ可能性がある。
- Trans men’s eggs have been matured in the lab—and could help them have children.
- 星間分子雲に生命の起源、炭素質隕石の分析から示唆=北大など
北海道大学、海洋研究開発機構、九州大学、東北大学らの研究チームは、最古の太陽系物質である炭素質隕石から、生物のDNAとRNAに含まれる核酸塩基5種をすべて、同時に検出することに世界で初めて成功した。生命誕生前にも多様な核酸塩基類が地球上に供給されていたことを強く示唆する結果であり、始原的な分子進化における最初の遺伝機能発現の過程を読み解く鍵になりそうだ。
- The scientist who co-created CRISPR isn’t ruling out engineered babies someday
ノーベル賞受賞者
ダウドナ教授が語った
CRISPRの未来 - クリスパー(CRISPR)の共同開発者としてノーベル賞を受賞したUCバークレーのジェニファー・ダウドナ教授は、CRISPRの進む未来をどう捉えているのか? 本誌の質問に答えた。
- The scientist who co-created CRISPR isn’t ruling out engineered babies someday
- How a Zambian morgue is exposing the real covid toll in Africa
存在しなかった
「アフリカ・パラドックス」
最新研究が示す新事実 - アフリカで新型コロナウイルス感染症の死者が少ない「アフリカ・パラドックス」は、以前から謎だとされていた。だが、最新の研究で、実はアフリカでも新型コロナで多くの死者が発生していたことがわかってきた。
- How a Zambian morgue is exposing the real covid toll in Africa
- SAMeサプリの過剰摂取、体内時計に影響=京大
京都大学などの研究チームは、サプリメント「S-アデノシルメチオニン(SAMe)」の過剰摂取が生体リズムを狂わせることを発見した。SAMeは肝臓や関節の働きを助け、気分を上げると言われている人気のサプリメントだが、過剰摂取に伴う影響が検証されたのは初めて。
- 新型コロナ「第4のワクチン」承認、武田が国内で製造
武田薬品工業は2022年4月19日に、組み換えスパイク・タンパクを抗原とした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「ヌバキソビッド筋注」について、18歳以上を対象として、初回免疫および追加免疫に対する製造販売承認を厚生労働省から取得した。同社は、米国のバイオテク企業であるノババックス(Novavax)から製造技術のライセンス供与を受け、技術移転により山口県光工場でワクチンを製造。日本政府と購入契約を交わしたワクチンを、供給準備が整い次第、順次出荷を開始する。
- AudioMook: Two years after the outbreak, where did the new corona begin
聴くMITTR:発生から2年、新型コロナはどこから始まった? - 今週のオーディオ・ムック(β)では、陰謀論も飛び交う新型コロナウイルスの起源をめぐる科学者たちの見解をお届けする。
- AudioMook: Two years after the outbreak, where did the new corona begin
- Aging clocks aim to predict how long you’ll live
読者が選んだ、次に来る技術
「老化時計」とは何か? - MITテクノロジーレビューが発表した「ブレークスルー・テクノロジー10」の読者投票(米国版)で、もっとも多くの読者から「次に来るテクノロジー」として挙げられたのが「老化時計(エイジング・クロック)」だ。研究はまだ道半ばだが、いずれ健康状態を把握する指標として健康診断で利用されるかもしれない。
- Aging clocks aim to predict how long you’ll live
- 乳がん遺伝子変異、胃がんリスクも上昇=理研らが大規模ゲノム解析
理化学研究所や東京大学などの共同研究チームは、乳がんなど4がん種の発症リスクの上昇に関与する遺伝子(原因遺伝子)とされるBRCA1・BRCA2の両遺伝子(以降、BRCA1/2遺伝子)が、胃がん、食道がん、胆道がんの発症リスクも上昇させることを明らかにした。本研究成果により、BRCA1/2遺伝子のゲノム情報を用いた個別化医療がより幅広い形で進展することが期待される。
- 難治がんへの抗がん剤の効果を増強する技術=名大など開発
名古屋大学などの研究グループは、膵がんの間質(ストローマ)で増えるがん関連線維芽細胞(CAF:Cancer-Associated Fibroblast)の性質を遺伝子操作や化合物で変化させ、抗がん剤の効果を増強することに成功した。膵がんマウスモデルで確認し、ヒトに応用できる可能性があるという。
- MRIからギャンブル障害が分かる 東京医科歯科大ら「判別器」
東京医科歯科大学、京都大学などの研究グループは、MRI画像からギャンブル障害を予測するシステムを開発した。ギャンブル障害は、患者本人がギャンブルに関連する行動を認めなかったり隠したりする傾向があり、適切な診断が困難であることが多い。このシステムによって、生物学的情報に基づいた診断が可能になる。
- 塩分による高血圧から骨粗しょう症発症の仕組みを解明=東北大
東北大学の研究チームは、塩分の摂取による高血圧から骨粗しょう症を発症する仕組みをマウスによる実験で解明した。高血圧は日本人に最も多い生活習慣病で、糖尿病などさまざまな合併症を引き起こす。骨折しやすくなる「骨粗しょう症」もその1つだがが、発症の仕組みは解明されていなかった。
- A battle is raging over long covid in children
子どもを襲う「ロング・コビッド」今取り組むべきことは? - 新型コロナウイルス感染症の影響を受けているのは大人だけではない。重症化しづらいとされる子どもたちもまた、後遺症と見られる疾患に苦しんでいる。今できることは何だろうか。
- A battle is raging over long covid in children
- 新型コロナ感染による脳の変化を細胞レベルで解明=東大など
東京大学と杏林大学、テキサス大学医学部ガルベストン校の共同研究チームは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したシリアンゴールデンハムスターの嗅上皮と脳の組織を解析。嗅上皮での嗅神経細胞と炎症細胞、脳での炎症細胞やシナプスの形態変化を明らかにした。
- NECがコロナワクチン開発に参入、AI技術活用
NECは、新型コロナウイルスを含むベータコロナウイルス属全般に有効なワクチンの開発に着手した。国際基金「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」からシード(初期段階)の投資として最大480万米ドルの拠出を受ける。
- 健康寿命を延ばす代謝物質、広大などが線虫で効果確認
広島大学、ハーバード大学、酒類総合研究所、慶應義塾大学、東京大学の研究グループは、アミノ酸の一種であるメチオニンの代謝物S-アデノシルホモシステイン(SAH)を酵母や線虫に与えると、寿命が延びることを明らかにした。
- 神経突起伸長の仕組み解明、慢性期脊髄損傷治療へ期待=慶應大
慶應義塾大学の研究チームは、ヒトiPS細胞から作製したニューロンにおいて、神経突起が伸長するメカニズムを解明した。同研究チームはこれまでマウスでの実験で慢性期脊髄損傷の治療に成功してきたが、ヒトの神経突起伸長のメカニズムが解明されたのは初めて。慢性期脊髄損傷の治療につながる可能性がある。
- A pill for covid
新型コロナ飲み薬 - 新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ飲み薬は、次のパンデミックとの闘いでも役立つ可能性がある。米政府はすでにこの新薬を100億ドル分発注済みだ。
- A pill for covid
- Covid variant tracking
新型コロナウイルス変異株追跡 - 新型コロナウイルスは地球上でもっとも遺伝子解析が進んだ生命体となった。新たな変異株が広がったらすぐに見つけられるようになっている。
- Covid variant tracking
- Malaria vaccine
マラリアワクチン - 毎年何十万人もの子どもたちが、マラリアで命を落としている。グラクソ・スミスクラインのワクチンは、他の感染対策と組み合わせることでマラリアによる死亡率を70%も減少させられる。
- Malaria vaccine
- ラットのES細胞から始原生殖細胞の作製に成功=東大など
東京大学医科学研究所、自然科学研究機構生理学研究所、奈良県立医科大学、京都大学、スタンフォード大学の研究グループは、ラットの多能性幹細胞から試験管内で精子や卵子のもとになる始原生殖細胞を作ることに成功した。個体作出につながる機能的な始原生殖細胞の作成に成功したのは、マウスに続いて2例目となる。
- がん放射線治療の効果を金ナノ粒子で高める方法を発見=名大など
名古屋大学、産業技術総合研究所、愛知県がんセンター、量子科学技術研究開発機構、北里大学、広島大学の研究グループは、がんの放射線治療で使用する高エネルギーMV(メガボルト)-X線の照射効果を高める方法を発見した。
- How tracking coronavirus variants will prepare us for the next global public health threat
新型コロナ変異株追跡、
試されたゲノム解析の真価 - 新型コロナウイルスのゲノム研究は、新しい変異株に対する対応策を実施するのに役立っている。パンデミックによって欧米だけではなく、アフリカや南アメリカにもゲノム・シーケンシングの手法が広がり、成果をあげている。そして、さらに世界を救う可能性を秘めている。
- How tracking coronavirus variants will prepare us for the next global public health threat
- The creator of the CRISPR babies has been released from a Chinese prison
「遺伝子編集ベビー」誕生から3年、実刑の中国人科学者が釈放 - フー・ジェンクイ元准教授は、世界で初めて遺伝子編集ベビーの誕生を主導した。その代償として、キャリアを失い、投獄され自由をも失う結果となった。その彼が、最近になって収監されていた刑務所から釈放された。
- The creator of the CRISPR babies has been released from a Chinese prison
- ブースター接種、オミクロンBA.2株にも効果=神戸大
神戸大学の研究チームは、2021年6月から2022年1月にかけて、ファイザー製新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)mRNAワクチンを3回接種した40人を対象として、オミクロンBA.2株に対する中和抗体を測定。3回目接種(ブースター接種)が、同株の中和免疫を強く誘導することを示唆する結果を得た。
- オミクロン株の抗体保有率は3割弱、横浜市大調査
横浜市立大学の研究チームが、横浜市の一般市民1277人を対象とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体価に関する調査の結果を発表した。調査結果によると、中和抗体の保有率は、従来株においては約87%、デルタ株には約74%であるのに対し、オミクロン株においては28%にとどまっており、このことが「第6波」の感染拡大が生じた理由の一つと考えられるとしている。
- What is the risk of a nuclear accident in Ukraine? A radiation expert speaks from Kyiv.
キーウの放射線専門家が語る
ウクライナ原発事故のリスク - ロシア軍は現在、ウクライナ国内の2つの原子力発電所を占拠している。今後懸念されるリスクについて、チェルノブイリの事故対応にも関わったウクライナ国立放射線医学研究所の専門家が現地から語った。
- What is the risk of a nuclear accident in Ukraine? A radiation expert speaks from Kyiv.
- A locked-in man has been able to communicate in sentences by thought alone
「とても楽だよ」脳インターフェイスで意思を伝えた全身麻痺患者 - 意識はあるが全身麻痺状態にある男性が、脳に取り付けた電極を使って文章でコミュニケーションを取ることに成功した。男性はスープやビールを注文し、家族と息子について話すことさえできるようになった。世界初の快挙だ。
- A locked-in man has been able to communicate in sentences by thought alone
- 神経障害性疼痛の自然回復の仕組みを解明、治療薬開発へ前進=九大など
九州大学、岡山大学、国立遺伝学研究所、塩野義製薬の研究グループは、神経障害性疼痛の痛みを和らげる細胞を初めて発見した。神経障害性疼痛は、がんや糖尿病などで神経が傷ついた際に発症する慢性疼痛で、痛みが長引くことがあるが、一般的な鎮痛薬がほとんど効かず、治療が難しい。
- 国内初の「食べられる培養肉」、東大と日清が開発
東京大学、日清食品ホールディングスの研究グループは、食用の素材のみで作られた「食べられる培養肉」の作製に国内で初めて成功した。人工培養肉をめぐっては国内外で研究が進められており、研究グループは2019年に牛肉由来の筋細胞を用いたサイコロステーキ状の立体筋組織の作製に成功している。ただ、これまでは研究用素材を使っていた。
- iPS細胞から視細胞を迅速に分化誘導、理研・京大チームが新手法
理化学研究所と京都大学の共同研究チームは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、網膜の構成細胞である視細胞を短期間で分化誘導できる手法を発見した。網膜変性疾患をはじめとする視細胞関連研究の疾患モデリングや治療薬の探索へつながることが期待される。
- 阪大、深層学習で薬剤耐性菌の画像検出に成功
大阪大学の研究チームは、電子顕微鏡で撮影した画像から薬剤耐性菌を高精度で判別することに成功した。深層学習を使った薬剤耐性菌の画像判別は世界初だという。
- What do psychedelic drugs do to our brains? AI could help us find out
サイケデリックス薬は脳にどう影響?自然言語処理で探る新研究 - マギル大学の研究チームは、薬物使用経験者の体験談の大量の文書を自然言語処理で分析することで、薬物が脳に及ぼす影響を特定しようとしている。精神疾患を治療するより良い医薬品の開発につながるのだろうか。
- What do psychedelic drugs do to our brains? AI could help us find out
- 新型コロナを高出力・深紫外LEDですばやく不活性化=東大など
東京大学医科学研究所と情報通信研究機構の研究チームは、新たに開発した小型・高出力の深紫外(DUV)半導体発光ダイオード(LED)が、液体中ならびにエアロゾル中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を、極めて短い照射時間で不活性化できることを実証した。空気清浄機やエアコンに組み込むことで、エアロゾル中の新型コロナウイルスを迅速に不活性化でき、感染拡大防止に役立つという。
- Nako Nakatsuka's challenge: Prying open the black box of the brain
世界のイノベーター 中塚菜子が開く、脳の“ブラックボックス” - 2021年、「35歳未満のイノベーター」グローバル版に、日本出身者としては8年ぶりに選出された中塚菜子。スイス連邦工科大学チューリッヒ校でバイオセンサーの研究に取り組む中塚に、研究内容とビジョンを聞いた。
- Nako Nakatsuka's challenge: Prying open the black box of the brain