超軽量アクチュエーターで実現、「4枚の羽」で飛ぶ昆虫型ロボット
知性を宿す機械

A tiny four-winged robotic insect flies more like the real thing 超軽量アクチュエーターで実現、「4枚の羽」で飛ぶ昆虫型ロボット

4枚の羽ばたく翼を持つ95グラムの昆虫型ロボットを南カリフォルニア大学のチームが開発した。飛行ロボットは、2翼よりも4翼の方が姿勢などの制御が容易で素早く動けるが、翼が増える分だけ重量が増してしまう。研究チームは、翼を動かすアクチュエーターを大幅に軽量化することで、この課題を解決した。 by Emerging Technology from the arXiv2019.05.20

昆虫の多くは、力強く、俊敏に飛ぶ。その理由の一つが、多くの昆虫が持つ4枚の翅にある。これらの翅により、飛行方向や、縦揺れ、横揺れ、偏揺れを調整する向きの微妙なコントロールが可能となる。

近年、空気力学者やエンジニア、ロボット工学者は昆虫の飛び方を真似した小型の飛行ロボットを作ろうとしてきたが、分かったことと言えば、こうしたロボットを作るのはとても難しいということだった。

「ロボビー(RoboBee)」は、これまでに作られた最小の飛行ロボットの一つだ。ロボビーは2枚の羽ばたく翼で推進する。それぞれの翼は小型のアクチュエーターによって動く。実際、ロボビーが実現したのは、1個25gの重さしかない小型のアクチュエーターが開発されたおかげだ。

しかし、ロボビーには問題があった。理論的には、ロボビーの2枚の羽ばたく翼は飛行の制御に必要な力を生むことができるはずだった。しかし、実際には、ロボビーは片揺れをコントロールするのに必要な力を発生できなかったため、揺れを起こして制御不能になることがしばしばあった。

もっと良い設計ができれば、本物の昆虫のような4枚の羽ばたく翼を持つ昆虫サイズのロボットを作れただろう。しかし、そうしたロボットを実現するには、アクチュエーターを大幅に軽くする必要があった。

この問題を解決したのが、ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学の大学院生シューフェン・ヤンたちのチームだ。彼らは従来の半分ほどの重さのアクチュエーターを開発し、このアクチュエーターを4つ用いて、幅33ミリメートルほどの羽ばたく翼を4枚持つロボットを作った。ヤンたちが作った「ビープラス(Bee+)」と呼ばれる昆虫型の飛行ロボットは、止まったり、 …

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