政権末期だからこそ、オバマ大統領が諦めない4つの技術政策
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What Lame Duck? Obama Isn’t Backing Down on These Tech Policies 政権末期だからこそ、オバマ大統領が諦めない4つの技術政策

米議会はトランプ就任までに政府による個人所有デバイスのデータアクセス権限について検討するつもりでいる。オバマ政権は最後に運輸やインターネット政策における課題を解決してホワイトハウスを去ることになる。 by Mike Orcutt2016.11.23
バラク・オバマ大統領

ドナルド・トランプ次期大統領は、政策の詳細をほとんど示していないので、オバマ政権下の大統領令の多くが取り消される公算が高い以外に、新政権の技術政策がどうなるかは不明だ。

しかし、トランプは1月まで就任しない。その間、議会とオバマ政権は今後の議論に向けた準備に当てられるだろう。大統領就任日までに注意すべき4つの課題は以下の通りだ。

暗号化と政府によるハッキング

アップルやグーグル等の企業に、完全に暗号化されたスマホの販売を認めるかをめぐる議論は、暗号化されたデータへの司法当局のアクセス権を企業に義務付ける法案が5月に提出されて以来進展がない。法案に(ホワイトハウス等の)支援者がなく、行き詰っているからだ。暗号化されたiPhoneへのアクセスについて、FBIへの協力を拒否したアップルに対して、製品のボイコットを求めたトランプの当選は、暗号化の強度を下げたり、禁止したりする法案を推進したい議員を後押ししているようだ。

議会はトランプ就任まで、暗号化について審議を再開しないかもしれない。しかしそれまでに、個人所有の機器内のデータに政府のアクセスを認める広範な議論について、別の側面からは審議することになる。司法省は、規則に対して2つの重要な変更をした。政府がどんなときに個人のコンピューターを遠隔で捜査できるのかを決める規則の変更は、議会が審議を再開しないなら、12月1日から施行される。先週、上院の超党派グループは6カ月間、規則の施行を延期する法案を提出した。

ストリーミング放送

トランプが当選して間もなく、議会の大物共和党員は連邦通信委員会(FCC)に対して、現在検討中の規制(政治的には議論が分かれる)の推進をやめるように要請した。検討中の議題にはFCCの新規則の提案が含まれている。ケーブル会社のセットトップボックスに、ロクやアップルのiOS、アンドロイド、ウィンドウズなど広く普及しているプラットフォームのアプリとの互換性を義務付ける提案だ。多くの関係者はFCCの規則は終わったと見ているが、FCCはまで認めていない。

米国民は、FCCからネットワーク中立の原則について、どうするつもりなのか聞いていない。中立の原則は、インターネット・サービス事業者を規制し、競争力を促進するはずだ。先週FCCはAT&Tに対して、毎月のデータ通信量の上限に含めず(「ゼロ・レーティング」として知られる賛否両論のサービス)に、加入者に自社のテレビ放送であるDirectTVのストリーミング配信を認めるのは、原則に違反する可能性があると通知した。FCCは、ゼロ・レーティングの規制を続けるのだろうか、あるいはトランプが勝利し、トランプ政権が原則を覆すか無視すると予想することに問題はないのだろうか

クリーンエネルギー

ドナルド・トランプは気候変動を信じず、オバマ大統領のクリーン・パワー・プランを徐々に縮小し、気候変動に関するパリ協定から離脱するという。しかし、実際にはどれも容易ではない。現在もオバマ政権は今後数十年以内に、化石燃料の使用を大幅に削減することによって気候変動と戦うための戦略を練り続けている。先週、ホワイトハウスは、米国がどのように2050年までに温室効果ガスの削減を決定的に、劇的に実行できるかを詳しく述べた111ページの文書を発表した。

自動運転車

今年、米国運輸省は商用ドローン向けの重要な新規則を発令し、自動運転車の明確な安全指針を発表した。オバマ政権が終わる前のどこかで、運輸省は人混みの上空での操縦に関するドローンの規則をもう1つ提案すると見込まれている。さらに、新車を対象に、車両対車両のコミュニケーション・システムに関する新規則の提案も見込まれている