条件付き「マスクなし」も CDCがワクチン接種後の新指針
生命の再定義

Here’s what the CDC says you can do once you're vaccinated—and what it doesn’t 条件付き「マスクなし」も CDCがワクチン接種後の新指針

米国疾病予防管理センター(CDC)は、新型コロナワクチン接種を受けた人はマスクを着けずに小規模の集まりを再開できるとする新たなガイドラインを発表した。ただし、安全性と公正性については、いまだに疑問が残っている。 by Mia Sato2021.03.11

米国疾病予防管理センター(CDC)の新しいガイダンスによると、新型コロナワクチン接種が完了した米国人は、同じく接種を受けた人々とであれば、マスク無しで距離も空けずに、屋内で集まることができる。

米国におけるワクチン接種のペースが加速し続けているなかで提示されたこのアドバイスは、接種が完了した人々にとって明るい兆しといえる。しかし、新型コロナウイルス(SARS CoV-2)のふるまいに関する不明点がいまだに多く存在することも示されており、誰が何をできるのかということと、公平性とは何かについて、多くの疑問を残している。

CDCの新たなガイダンスが伝える3つのポイント

まだ答えが示されていない3つのポイント

ほぼ変化がないこと(少なくとも現状では)

米国の大多数の家族が祖父母の家へ訪問できる日を待ち焦がれており、有色人種の人々に特にその願望が強いことは、現在もさほど変わらない。そうした訪問を計画する一部の家族にとって、今回の新しいガイドラインは安心材料となるかもしれない。ニューヨーク・タイムズ紙の分析によると、ワクチン接種対象の人種と民族性を報告している38州のそれぞれで、ワクチン接種を受けている黒人の割合が人口比率に対して少ないことが分かった。このギャップは、ヒスパニック系の人々にも当てはまる。

新しいCDCのガイダンスは、大規模で公的な活動の再開ではなく、私的活動にのみ適用されるものである。だが、ワクチン接種が完了していることが活動再開に参加するための必要条件として使われるようになると、既存の人種間の不平等がさらに深刻化する危険性があると生命倫理学者らは警鐘を鳴らしている

「ワクチン接種プロセスを公平かつ公正なものとするために、私たちはあらゆる取り組みをする必要があります」とルッソ教授は語る。「戦いはまだ続いているのです」。

この記事は、「パンデミック・テクノロジー・プロジェクト」 の一部であり、ロックフェラー財団の支援を受けています。