ソフトバンクによる買収でARMはインテルの強敵に
コネクティビティ

$32 Billion Buyout of ARM Is a Giant Bet on the Internet of Things ソフトバンクのARM買収で
インテル困ってる

日本の情報通信・インターネット企業のソフトバンクがARMの支配権を握ることは、世界中のモバイル機器だけでなく、IoTやスパコンの将来まで左右することになる。 by Jamie Condliffe2016.07.19

日本の情報通信・インターネット企業のソフトバンクが、世界中のモバイル機器に使われているテクノロジーを掌握しようとしている。また、ソフトバンクにはインテルとやり合うだけの財力もある。

ソフトトバンクは320億ドルを投じてARMホールディングス(本社英国)を買収する。ARMはスマートフォンだけでなく、増え続けるインターネット接続型の家電や、スーパーコンピューターにも使われる半導体チップのライセンスを供与(ARM自身は製造しない)している企業だ。ARM製チップの特徴は消費電力が低いことで、スマホのバッテリー駆動時間を長引かせ、より大きなデバイスの電気料金も節約できるため、多くの機器に採用されている。ARMアーキテクチャのライセンスを供与されている企業にはアップル、クアルコム、エヌビディアなどがある。

ARMのライバルであるインテルは、特にこの買収を懸念しているはずだ。かつて半導体市場を支配していたインテルはモバイル機器への進出に出遅れ、ARMの先行支配を許してしまった。ソフトバンクの買収でARMはこれまで以上に製品開発に投じる資金を得ることになり、インテルの市場シェアをさらに奪うかもしれない。

ソフトバンクは米国4位の携帯キャリアであるスプリントの経営権を握っているほか、各国に多くの投資先があり、ARMブランドを前面に押し出すのではなく、所有するテクノロジーの知的財産権をパートナー企業に許諾する方針を維持すると約束した。ただし、この約束がどう守られるのかは見守る価値がある。ARMはモバイル機器向け半導体市場で支配的地位を占めており、プロセッサの設計に関わる特許実施権の提供方法がわずかに変わっただけでも、スマホやタブレット産業に多大な影響を与えるからだ。

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