ハリケーン予想進路図の「再デザイン」が必要な理由
持続可能エネルギー

Designers are reinventing hurricane maps for an era of extreme weather ハリケーン予想進路図の「再デザイン」が必要な理由

今月、米国へ上陸した大型ハリケーンは洪水や暴風雨による甚大な被害をもたらした。異常気象の脅威が高まる中、住民の安全を守るために、より多くの人にとって分かりやすい情報伝達の手法が求められている。 by Karen Hao2018.10.23

米国立ハリケーン・センター(NHS)が発表した予想進路図を見てほしい。

どのように解釈したらよいのか教えられていない状態で、あなたはこの予想進路図から何を見て取れるだろうか。

ハリケーンはワシントンからトロント、ボストンまでを飲み込むモンスター級の大嵐になるように見える。だが、それは正しい理解とはほど遠い。実際の予想進路図は、今後5日間のハリケーン(この例では2012年のスーパー・ハリケーン「サンディ」)の進路の予想範囲を示している。白で塗りつぶされた範囲は1日目から3日目までの、白点の範囲は4日目と5日目の予想進路を示している。双方の範囲の中心線沿いにある黒と白の丸は、ハリケーンが最も確率の高い進路で推移した時の「目」の位置を示しており、丸のなかの文字は、この嵐が熱帯暴風雨(S:tropical storm)あるいはハリケーン(H:hurricane)のどちらであるかを表している。

こういった情報すべてを合わせてできあがるのが、「あてにならない暴風警報球」なのだ。ハリケーンがどこに向かうか、その信頼度はたったの67%である。つまり、実際の進路が図に描かれた範囲内に収まる割合は3分の2でしかない。

このことが図から読み取れない人は多い。だが、ある場所から避難するか判断を迫られている場合、問題はとても深刻だ。

気象予報の仕事には不確実性がつきものだ。気象予測の進歩によってモデルの精度が向上し、より確実な予報が可能になったおかげで、予報士たちはサンディの特異な進路と勢力拡大を8日前に予測できた。だがその成果 …

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