KADOKAWA Technology Review
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持続可能エネルギー

持続可能エネルギー、遺伝子組み換え作物と農業、淡水化、用水テクノロジー、二酸化炭素除去とジオ・エンジニアリング、気候変動による経済・社会への影響と適応について。

  1. The race to invent the artificial leaf
    クリーン・エネルギーを目指す科学者たちは長年にわたり、植物が太陽光と水と二酸化炭素から炭水化物を作り出す光合成にヒントを得たプロセスを、商業的に採算の取れる方法で実現する方法を探究してきた。かつて同じ指導教官の下で学んだ2人のライバル科学者は今、それぞれ全く異なるアプローチで、まだ先は遠いものの、着実な成果を出しつつ研究を進めている。
  2. 多くの企業がリチウムイオン電池のエネルギー密度を高める研究に取り組む中、米国のあるスタートアップ企業が性能を2桁向上させる電池材料の開発に成功した。BMWと提携して自動車への採用を目指すほか、来年にも同社の電池材料を搭載した家電製品が発売される見込みだ。
  3. 2017年は気候変動による異常気象やそれに伴う災害が頻発した年だった。しかも、被害の規模は大きくなる一方だ。気候変動によって起こる現象は互いに関係して相乗効果のフィードバック・ループを形成しているので、今すぐに抜本的な手を打たないと、悪循環から抜け出すことはますます困難になるだろう。
  4. カリフォルニア大学の研究者らが、静電誘導により高電圧を作り出すウィムズハースト式誘導起電機と同じ原理で、マイクロ流体から電力を発電する仕組みを備えた装置の試作機を作った。この装置をブーツの踵に組み込むことで、通信装置やセンサーの電源として使える可能性があるという。
  5. 100%再生可能エネルギーに固執すべきでないこれだけの理由
    風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーのみで電力需要をまかなおうという考えが政策担当者の間で広まりつつあるが、コストや設備建設の観点からは現実的ではない。100%再生可能エネルギーに固執せず、トレードオフを考慮して、幅広い選択肢を検討すべきだ。

持続可能エネルギーの最新ニュース

  1. The carbon-capture era may finally be starting
    地球温暖化対策に有効とされる二酸化炭素貯留テクノロジーはこれまで、採算が合わないとしてあまり顧みられずにいた。だが、米国では2月に成立した法律に基づく税額控除によって、産業部門の温室効果ガス排出を短期間で削減できる可能性が見えてきた。
  2. Missing the Paris climate target by just a little means raising the odds of extreme weather by a lot
    地球温暖化を阻止するためのパリ協定の目標値をクリアすることが難しい状況になってきている。もし今後、地球の平均気温がパリ協定の目標値を1℃上回ると、記録的な熱波や豪雨、干ばつなどが世界各地でこれまでの何倍もの確率で起こる可能性がある。
  3. What the hell is a climate model—and why does it matter?
    地球温暖化について語られる際にしばしば言及される「気候モデル」は、テクノロジー、手法、データ共有の進展によって、以前とは比べ物にならないくらい強力になった。20世紀末には100年に一度起こっていた事象が、21世紀末までに5.5年に一度になるであろうことなどが発見されている。
  4. How to Get Wyoming Wind to California, and Cut 80% of U.S. Carbon Emissions
    米国最大の風力発電所が成功する鍵を握るのが、高電圧直流送電線の整備だ。決して華やかではない、一見すると地味な送電事業の成功が、二酸化炭素排出力削減に大きな効果をもたらす可能性がある。
  5. How nuclear weapons research revealed new climate threats
    北極海の氷は気候学者の予測を上回るスピードで消失つつしつつある。ローレンス・リバモア国立研究所の研究者は、北極海の氷の消失を説明できる気候モデルを作成し、スーパーコンピューターのシミュレーションで海氷の消失と米国西海岸の干ばつを関連付けることに成功した。
  6. We’re about to kill a massive, accidental experiment in reducing global warming
    国際海事機関が2020年までに対応を求めている船舶燃料に対する環境規制が、温暖化対策にはむしろマイナスに働くかもしれない。船舶が排出する硫黄が、意図しない地球工学の実験だった可能性があるからだ。
  7. Here’s the reason we’d never halt a geoengineering project midway through
    気候変動に対して人工的に対抗しようという研究者がいる。だが、地球工学は一度導入してしまえば地球全体に影響が及び、取り返しがつかないことになるとの懸念から、反対する科学者も多い。リスクを見極めながら、真剣に検討すべき段階にきている。
  8. Global Warming’s Worst-Case Projections Look Increasingly Likely
    地球温暖化の最悪シナリオの現実性が高まる、米研究所が検証
    地球温暖化に関しては、気候モデルに内在する不確実性を理由に、危機の存在に疑問を呈したり、各種施策に反対したりする動きもある。米国の研究者が人工衛星の観測データと照らし合わせて多様な気候モデルの予測性能を検証したところ、最も正確なモデルが最も大幅な気温上昇を予測していることが明らかになった。
  9. Surge of Carbon Pricing Proposals Coming in the New Year
    時代と逆行するトランプ大統領の動きに反して、米国のいくつかの州では炭素排出量の削減に取り組んでいる。炭素税やキャップ・アンド・トレード制度の導入といった州単位の気候変動政策は、連邦政府にも影響を与えられるだろうか。
  10. Global Warming May Harm Children for Life
    なぜいますぐ気候変動対策に
    取り組まなければならないか
    米国で生まれた1200万人についての新たな分析から、幼児期における酷暑日の体験日数と、成人後の所得には関係があることがわかった。地球温暖化を放置しておくと、私たちの孫の世代の経済生産性に有害な影響を及ぼす可能性がある。
  11. This Startup Developed a Promising New Battery Material—and a Novel Survival Strategy
    ガソリン車から電気自動車への移行や再生可能エネルギーの普及を追い風に、蓄電池産業は将来性が約束されているにも変わらず、多くのスタートアップ企業が倒産や事業撤退を余儀なくされてきた。90年代にソフトウェア業界で成功を収めたケナン・サヒンは、電池材料のスタートアップ企業を「作らない」戦略によって成功させようとしている。
  12. Advanced Nuclear Finds a More Welcome Home in Canada
    カナダ、次世代原発建設へ
    商用溶融塩原子炉
    プロジェクトが本格始動
    1950年代から60年代にかけて米国で研究が進められながら頓挫した「溶融塩原子炉」に対する関心が高まっている。カナダの規制当局は、同国のスタートアップ企業が設計審査の初期段階を完了したことを発表した。一方で、安全性の「最も信頼できる判断基準」となる原子力審査プロセスを持つ米国は出遅れている。
  13. Why This Geoengineering Pioneer’s Worst Nightmare Is a Trump Tweet
    地球工学のパイオニアがトランプ大統領のツイートを心配する理由
    太陽光地球工学の専門家であるハーバード大学のキース教授は、トランプ大統領のツイートを心配している。太陽放射管理テクノロジーが排出ガス削減反対派に政治利用されることを懸念しているのだ。
  14. Trump’s Energy R&D Policies Ignore the Long-Term Impact of Innovation
    トランプ政権の研究費削減はナンセンス、前科学顧問が批判
    オバマ政権で科学技術補佐官を務めたハーバード大学のジョン・ホルドレン教授は、トランプ政権によるエネルギー研究費の大幅削減には先見の明がないと批判した。エネルギー問題への取り組みは、雇用の増大、大気汚染の緩和など社会に計り知れない利益をもたらすという。
  15. An Electric Semi Definitely Won’t Work—But Seven in a Row Might
    イーロン・マスクが昨年の夏に発表した電気セミトラックを本格展開する計画について、専門家たちは経済的に実現し得ないと口々に批判した。しかし、多数のトラックが隊列を組む「プラトゥーン走行」なら実現の可能性があるとする研究結果が報告された。
  16. Ceramic Pump That Takes the Heat Promises Cheap, Efficient Grid Storage
    1400度の液体金属を運ぶポンプ、再生可能エネの課題解決へ前進
    最高1400度でも稼動可能なポンプにより、蓄熱に液体金属が利用できる可能性が広がった。再生可能エネルギーによる安定的な電力供給ができる日も近いかもしれない。
  17. Did Climate Change Fuel California’s Devastating Fires? Probably.
    カリフォルニア州で過去最悪の山火事、気候変動も影響か
    米カリフォルニア州で発生した大規模な山火事は甚大な被害をもたらした。原因はまだ特定されていないが、長引く干ばつと記録的な猛暑の影響を指摘する声がある。
  18. Serial Battery Entrepreneur’s New Venture Tackles Clean Energy’s Biggest Problem
    数々の電池関係のスタートアップ企業を創業したMITのチェン教授が、化石燃料に対抗する競争力を持つフロー電池で再び起業した。多くの失敗を教訓として、チェン教授は他の電池関連スタートアップ企業も巻き込んだ戦略を立てている。
  19. Evaporation Engines Could Produce More Power Than Coal, with a Huge Caveat
    再生可能エネの超新星「蒸発駆動エンジン」とは何か
    コロンビア大学の研究チームが、水の自然蒸発作用を利用して発電することで、米国のエネルギー需要の膨大な量を賄える可能性があると発表した。研究チームの准教授は、まだ思考実験の域を出ていないが研究室レベルからさらに前進させる意義のある研究だと語っている。
  20. Obama’s Energy Secretary Addresses Trump’s Attacks on His Legacy
    オバマ政権で米国エネルギー省長官を務めたアーネスト・モニツMIT名誉教授は、クリーン・エネルギーの推進や核合意の実現といった実績を残した。だが、それらはトランプ政権によって厳しく批判され、攻撃されている。モニツ名誉教授が気候変動対策の意義と、トランプ政権による政策転換の危険性、そして次世代原子力発電に関する見通しを語った。
  21. First Evidence That Offshore Wind Farms Are Changing the Oceans
    洋上風力発電所の建設や建設計画が増え、巨大な構造物が海の生態系に与える影響が懸念されている。発電所の土台を住処とするムール貝が増えることで、カニや魚が集まり、それらを捕食するためにアザラシがやって来るかもしれない。
  22. Making Sense of Trump’s Surprising Investment in Solar
    太陽光から「太陽熱」発電へシフトするトランプ政権の深謀
    米国エネルギー省は集光型太陽熱発電の技術を推進するために6200万ドルの投資をすると発表した。しかし、再生可能テクノロジーの推進者たちは手放しで喜ぶわけにはいかない。トランプ大統領は、太陽光発電への支援を減らして、同技術の進歩を減速させようと企んでいるかもしれないからだ。とは言え、集光型太陽熱発電には太陽光発電の課題を解決できる長所がある。
  23. Floating Wind Plan Could Finally Crack California’s Offshore Market
    再生可能エネルギーの需要は高いが、供給能力は低い。浮体式洋上風力発電は環境への影響は小さいとされるが、コストが高く中止に追い込まれたこともある。しかし、行政による再生可能エネルギーの後押しもあり、高コストでもビジネスになる可能性がでてきた。しかし、地元住民にすれば、自分の海ではやめてくれということになる。結局のところ、誰が再生可能エネルギーを推進するのか、難しい問題が洋上を漂うことになる。
  24. A Material That Throws Heat into Space Could Soon Reinvent Air-Conditioning
    スタンフォード大学のスピンアウト企業が、従来型の空調システムよりもはるかに効率的に建物を冷却できる新素材を開発している。既存の建物の冷却システムに組み込むことも可能で、広大な潜在市場が見込まれる。
  25. Our Hurricane Risk Models Are Dangerously Out-of-Date
    大型ハリケーン「ハービー」はヒューストン周辺地域全体に甚大な被害をもたらした。米国政府のリスク予測によると、ハービーは「過去3年間でヒューストンを襲った3度目の、500年に1度レベルの洪水」ということになる。
  26. Sucking Up CO2 Will Cost Hundreds of Trillions
    「気候研究の父」と呼ばれる著名な研究者らが、二酸化炭素排出量の削減を今すぐ始めなければ若者に膨大な負担を残すことになると発表した。だが、算出根拠には賛否両論がある。
  27. Potential Carbon Capture Game Changer Nears Completion
    火力発電で発生する二酸化炭素をすべて回収できる「アラム・サイクル」方式の実証実験用発電所がまもなく稼働する。二酸化炭素回収をめぐっては多くの失敗が繰り返されているが、成功すればクリーン・エネルギー技術が抱える問題を一気に解決できるかもしれない。
  28. How Materials Science Will Determine the Future of Human Civilization
    マイクロエレクトロニクスにおけるムーアの法則がこのまま続くと、電子機器は地球のエネルギー予算の半分を20年で使い切ってしまうだろう。エネルギー危機を乗り越えるカギは、材料科学におけるブレークスルーにある。
  29. To Feed the World, Improve Photosynthesis
    光合成を効率化した
    遺伝子組み換え作物が
    食糧危機を救う
    植物科学者は、遺伝子組み換え技術を用いて光合成の効率を上げた植物をつくることで、近い将来訪れるであろう深刻な食糧不足を未然に防ごうとしている。
  30. Tesla’s Model 3 Is a Long Way from Elon Musk’s Grand Goal
    イーロン・マスク率いるテスラは、初の大衆車であるモデル3の出荷によって創業当初に打ち出した計画の最終ステップに到達した。だが、電気自動車が自動車市場の主役になるまでには、まだまだ多くのことを変えなければならない。
  31. This Scientist Is Taking the Next Step in Geoengineering
    気候を人工的に変えることで温暖化へ対応する地球工学の手法「成層圏注入」の初の屋外実験が始まる。リスクを指摘する声もある中で、なぜいま屋外実験が必要なのか。研究を主導するハーバード大学のデビッド・キース教授に意義を聞いた。
  32. Inside the Fall, and Rebirth, of a Bill Gates–Backed Battery Startup
    ビル・ゲイツも出資した
    蓄電池ベンチャー
    「突然死」の深層
    ビル・ゲイツをはじめとする有力な投資家から資金を調達し、MITテクノロジーレビューのスマート・カンパニーにも選出された蓄電池のスタートアップ企業アクイオンが突然の経営破綻。このほど中国企業による買収が完了し、アクイオンの再生の道が開けたことで、創業者が破綻の原因と今後の見通しを語った。
  33. Russia Tells the UN It Wants to Produce More Renewable Energy
    ロシアが表明した「再生可能エネ発電量10倍」の現実味
    国内に原油や天然ガスの資源を豊富に抱え、再生可能エネルギーの後進国であったロシアが国連に向けて、再生可能エネルギーの増産を表明。2035年までに水力発電以外の再生可能エネルギー発電量を10倍以上に引き上げるとしている。
  34. China Builds One of the World’s Largest Geoengineering Research Programs
    気候を人工的に変えることで地球温暖化に対抗する地球工学に中国が多額の資金を投じている。地球全体に影響を与える問題を中国がリードすることにリスクはないか。
  35. Britain Is Getting Rid of the Internal-Combustion Engine
    英国、ガソリン車も販売禁止へ 世界は電気へ動くのか
    欧州ではディーゼル車の規制が進んでいるが、イギリスは2040年にディーゼル車だけでなくガソリン車の販売も禁止する。自動車産業は電気自動車へスムーズに移行できるのだろうか。
  36. Small Reactors Could Kick-Start the Stalled Nuclear Sector
    計画の長期化、莫大な資金投下が問題となり、大規模な原子炉の計画が困難になる中、米国初となる小型原子炉を12基、建設する計画が始まった。プロジェクトが成功すれば、原子力発電所建設の初期費用とリスクを軽減でき、停滞する原子力産業を再び、少しでも前進させられるかもしれない。
  37. Grid Batteries Are Poised to Become Cheaper Than Natural-Gas Plants in Minnesota
    再生可能エネ最大の課題が解決か——蓄電設備に普及の兆し
    再生可能エネルギーにとって課題である電力需要ピーク時の対応を解決できる可能性が出てきた。背景には、送電網用蓄電設備に利用できるリチウムイオン電池の価格の急落がある。
  38. By 2040, More Than Half of All New Cars Could Be Electric
    ガソリン車は電気自動車にいつ置き換わるのか
    電気自動車へ移行する動きが加速している。鍵を握るバッテリーの価格は、2029年までに今より70%下がると予測されている。
  39. Volvo Is Killing Off Internal Combustion. Kind of.
    ボルボ、2019年から全車種を電動化 テスラはどうなる?
    ボルボが2019年から全車種に電気モーターを搭載し、2025年までに100万台の電動化自動車を販売すると発表。電気自動車専業メーカーのテスラはどう動くか。
  40. Tesla Will Build the World’s Biggest Lithium-ion Battery
    テスラ、世界最大のリチウムイオン蓄電施設建設へ
    テスラが南オーストラリアに世界最大のリチウムイオン蓄電施設の建設を発表。ピザ配達のように「遅れたら無料」保証も付いてくる。
  41. Clean Coal’s Flagship Project Has Failed
    夢の火力発電所計画が頓挫、
    「石炭の復権」は困難か
    石炭の復権を目指すトランプ政権も期待していたクリーン・コールの象徴的なプロジェクトが事実上、頓挫した。石炭を諦め、天然ガスに切り替える予定だ。
  42. Tesla Plans a Chinese Factory
    巨額赤字のテスラが中国に工場を建設する理由
    テスラが中国に電気自動車の工場を計画中だ。3億3027万ドルもの赤字(2017年1〜3月期)を計上するテスラがいま中国に工場を建設するのはなぜか。
  43. In Sharp Rebuttal, Scientists Squash Hopes for 100 Percent Renewables
    2055年までに風力、太陽光、水力発電で米国のエネルギー需要をほぼ満たせるとした論文に、著名な科学者のチームが猛反発する論文を発表した。元の論文は非現実的な仮定に基づいており、公共政策や予算編成の公正さを歪めるおそれがあるという。
  44. Scientific Panel Concludes ARPA-E Is Working. Will It Matter?
    クリーンエネ研究は順調、全米アカデミーズがトランプ政権に反旗
    全米アカデミーズは、米国エネルギー省による大型クリーンエネルギー研究プログラムについて2年に渡る分析の結果を発表した。このプログラムは、共和党が長年にわたって批判し続け、最近ではトランプ政権が打ち切りを勧告している。
  45. Why Bad Things Happen to Clean-Energy Startups
    蓄電技術を開発するスタートアップ企業を巡って、突然の倒産や自社の売却、従業員の解雇といった悪夢が続いている。蓄電は新しいテクノロジーであり、市場からの投資を仰ぎ、設備を更新し、発展する技術に追いつき、追い越していくために、多くの困難がある。
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