リオ最大のスラム街で始まったデジタル化、都市の貧困問題に挑む
コネクティビティ

Rio de Janeiro is making a digital map of one of Brazil’s largest favelas リオ最大のスラム街で始まったデジタル化、都市の貧困問題に挑む

世界の都市化が加速する中で、違法かつ無計画に作られた貧困地区が増加している。スラム化という都市の問題を解決するのに、デジタル・マップのようなテクノロジーが役立つかもしれない。 by Washington Fajardo2021.05.02

リオデジャネイロのロシーニャを通り抜けるのは簡単ではない。雑然と建ち並ぶ建物が密集し、まるで街路名や番地などの従来の識別システムに挑んでいるかのようだ。ロシーニャは19世紀以降、ブラジルの都市郊外に何百となく無計画に出現した居住地の中で、最大級のスラム街だ。現在、ブラジルの人口の5%以上がこのようなコミュニティに住み、ロシーニャだけでも10万人が居住している。

ロシーニャを通り抜けるという問題は、「親切な郵便屋さん(friendly mailman)」プログラムなど、ユニークな解決策を生み出した。配送業者が中央の引き渡し地点へ小包を運ぶと、そこから先はロシーニャの住民たち、地域に慣れていて迷路のような街路を進める配達人たちが引き継いで荷物を届けてくれる。

公的な助成や行政管理もほとんどなく、経済的な機会も乏しい中で、スラム街の住民たちは不健康な生活環境や頻発する暴力への対処に苦労してきた。社会的分離(セグリゲーション)という厚い壁があり、電気や水道などの都市からの資源を内部に送るには、複雑に曲がりくねった道を通らなければならない。スラム街の平均寿命は48歳で、全国平均を20歳以上も下回る。

世界の都市が目まぐるしく成長し、多くのものが造り出されたが、ほとんどの人は都市が実際にはどのように成長してきたのか知らない。人の出生と移住は途上国に集中しており、中国を除けば、新たな都市の構造のほとんどはインフォーマル(自然発生的)なものであり、超高層ビルよりもスラム街の方が多い。都市の未来図をいくら思い描いても、明日の都市はおそらくロシーニャとあまり変わりはないだろう。

20世紀になって、ブラジル政府はスラム街を根絶し、正式な公営住宅に替えようとしたが、建設作業は大規模な都市への移住に追いつかず、スラム街は拡大した。

他国の政府や都市計画家もスラム居住区が現れるのを防ぎ、破壊しようとしたが、勝ち目のない戦略だと分かってきた。現在のところ、世界では20億人以上がスラム街に住んでいると推定されている。

2000年代の初め、コ …

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