米国立研究所、iPadより巨大なAIチップ搭載機をがん研究に導入
知性を宿す機械

A giant, superfast AI chip is being used to find better cancer drugs 米国立研究所、iPadより巨大なAIチップ搭載機をがん研究に導入

深層学習に代表される人工知能(AI)関連技術に期待されているのが、創薬や材料科学などの科学研究分野での応用だ。膨大な計算時間の短縮のために「ハードウェア革命」が求められる中、米アルゴンヌ国立研究所は巨大な「AI専用チップ」搭載コンピューターを導入した。 by Karen Hao2019.12.19

シカゴのダウンタウンからおよそ50キロメートルの位置にあるアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の科学者たちは、宇宙の起源と進化を理解し、より長持ちする電池を作り、精密がん治療薬を開発しようと研究に取り組んでいる。

これらのまったく異なる問題には、ある1つの共通点が存在する。そのとてつもない巨大なスケールゆえに、骨が折れるということだ。 新薬発見の世界では、太陽系にある原子の数よりも多い潜在的な薬品に類似する分子があると推定されている。人間の時間スケールの範囲でこうした広大な可能性がある空間を探索するには、強力かつ高速なコンピューター処理が必要だ。 最近までそうしたコンピューター処理は利用できず、新薬発見に必要なタスクは計り知れないものだった。

だが、ここ数年で人工知能(AI)が状況を変えた。 深層学習アルゴリズムは、一連のデータのパターンをすばやく見つけることに優れており、科学的な発見の主要なプロセスを高速化している。現在ではAIソフトウェアの改善に加えて、「ハードウェア革命」の到来も視野に入ってきた。

アルゴンヌ国立研究所は11月19日、深層学習アルゴリズムの訓練の超高速化を目指すスタートアップ企業「セレブラス(Cerebras)」の新しいコンピューターの試験開始を発表した。 世界最大級のチップを搭載するこのコンピューターは、新世代のAI特化型ハードウェアの一部だ。

「私たちは、科学的な問題のためAIアプリケーションを高速化することに関心があります」。アルゴンヌ国立研究所でコンピューティング・環境・ライフサイエンス領域を担当するリック・スティーブンス副所長は話す。「当研究所には膨大な量のデータとビッグ・モデルがあり、それらのパフォーマンスの向上に関心を持っています」。

現在、深層学習では使用されているもっとも一般的なチップは、GPU(画像処理装置)だ。GPUは優れた並列プロセッサーであり、AI分野 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。