賢くなった「Siri」が採用する、プライバシー保護のアプローチ
知性を宿す機械

How Apple personalizes Siri without hoovering up your data 賢くなった「Siri」が採用する、プライバシー保護のアプローチ

プライバシー保護に力を入れるアップルは、Siriで「協調機械学習」と呼ばれる手法を採用。他人の声との「聞き分け」を可能にしている。 by Karen Hao2020.01.09

アイフォーン(iPhone)を持っている人なら、シリ(Siri)の振る舞いがこの1年間で変化したことに気付いたかもしれない。シリは、スマートフォンの所有者が「ヘイ、シリ(Hey Siri)」と呼びかけることで「目覚める」。だが、友人や家族が同じ言葉で呼びかけても起動しないのだ。

アップルがシリを改良した理由は理にかなっている。誰かがこの起動フレーズを口にした場合、同じ部屋のすべてのアイフォーンが応答してしまうのだ。本人の声だけを判別するには非常に多くの音声データを収集する必要があると思うかもしれないが、驚くべきことにアップルはそうした方法を使っていない。

その代わり、アップルは主に「協調機械学習(Federated Learning)」と呼ばれる手法を使っている。アップルのプライバシー責任者であるジュリアン・フロイトガーは、12月に開催された人工知能(AI)研究カンファレンス「神経情報処理システム(NeurIPS:Neural Information Processing Systems)」で同社の取り組みを紹介した。

協調機械学習はプライバシー保護型の機械学習で、グーグルが2017年に最初に導入した。協調機械学習により、アップルはローカルで利用可能な音声データだけを使用して、すべてのユ …

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