売上7.9兆円のアリババ「独身の日」を新型コロナはどう変えたか?
知性を宿す機械

How the pandemic readied Alibaba’s AI for the world’s biggest shopping day 売上7.9兆円のアリババ「独身の日」を新型コロナはどう変えたか?

新型コロナウイルス感染症のパンデミックはネットショッピングの行動にも大きな変化をもたらした。中国の電子商取引大手企業は、これまでのAIモデルでは予測不可能となった消費者の不規則な行動に対応するため、AIモデルの再構築を試みている。 by Karen Hao2020.12.03

米国が選挙に夢中になっている間、中国は買い物に夢中になっていた。11月1日から11日まで、中国トップの電子商取引巨大企業、アリババ(阿里巴巴)とJD(京东)の両社は、年の一度の稼ぎ時である「独身の日」(11月11日)に1150億ドルを売り上げた。2009年にアリババが始めたこの「お祭り」の1150億ドルのうち、741億ドルが同社の売上だ。昨年と比較して売上は26%増えた。比較のためにアマゾンの48時間のプライムデー(10月13、14日)の売上を紹介すると、今年、アマゾンは100億ドルの大台を超えたに過ぎない。

この巨大なお祭りの規模からすれば、物流計画だけでも奇跡のようなものだ。アリババとJDは、買い物需要を予測したり、商品のグローバル調達を最適化したり、世界中の配送を効率化したりするため、人工知能(AI)などのテクノロジー・インフラに巨額を投じている。これらのシステムは通常、独身の日のピークに合わせて拡張される前に、1年を通じてテストと改良が行なわれている。だが今年、両社は課題に直面した。パンデミック(世界的な流行)による購買行動の変化を計算に入れなければならなかったのだ。

新型コロナウイルスが発生した当初数週間、両社はAIモデルの奇妙な振る舞いに気づいた。パンデミックが襲ったのは中国の春節(旧正月)に当たる時期で、本来なら数億人もの人々が新年の買い物をしてい …

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