動くグラフで見る、世界のワクチン接種状況(日本はG20中19位)
生命の再定義

This animated chart shows how the world’s vaccine rollout is going 動くグラフで見る、世界のワクチン接種状況(日本はG20中19位)

世界中で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種プログラムが展開されつつあるが、展開のペースは国によって大きく異なっている。最も進んでいる米国や英国が人口100人あたり80回以上のワクチン接種を実施してきたのに対し、ワクチン接種が1度も実施されていない国も多い。 by Charlotte Jee2021.05.24

世界180カ国で、これまでに15億回以上、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンが接種されてきた。つまり、人口100人あたりおよそ21回の接種が実施されてきたことになる。しかしながら、下記の動画チャートを見れば分かるように、ワクチン接種プログラムの展開ペースと分布は非常に不均一な状況だ。

「Our World in Data(データで見る私たちの世界)」が作成したこの動画の再生ボタンを押すと、最初にワクチン接種が実施された2020年12月20日、最初期の患者に対して一部の国で接種が始まってから現在に至るまで、ワクチン接種プログラムがどのように展開されてきたかが確認できる。最初に表示されているのはG20参加国だが、自分でカスタマイズして特定の国の進捗状況を確認したり、複数の国を重ねて比較したりすることもできる。

これまで人口100人あたり80回以上のワクチン接種を実施してきたのは、米国、英国、バーレーン、チリ、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)だ。チャートが進むにつれて、出遅れていた米国がどのように英国に追いつき始めたのかを確認できる。英国のワクチン展開は非常に上手くいっている。また、世界最小規模の国や地域の一部も、ワクチン展開において目覚ましい成果を上げてきた。ジブラルタル、セーシェル、サンマリノ、バミューダ、ケイマン諸島は、いずれも人口100人あたり100回以上のワクチン接種をしたと報告している(ワクチンの中には1人につき2回の接種が必要なものもある)。

イスラエルの驚異的な展開率は、出遅れた欧州連合(EU)と並べて見ると極めて印象的だ。イスラエルは、新型コロナウイルス感染症に対する大規模ワクチン接種の劇的な効果を示した最初の国のひとつで、60代以上の90%以上が1回目のワクチン接種を受けた後、感染率が激減した。人口の大多数がワクチン接種を受けたすべての国で、同じようなパターンが繰り返されている。米国では、現在成人の60%以上が少なくとも1回のワクチン接種を受けており、感染者数が急速に減少している。

他方で、世界の大部分ではまだワクチン接種が1度も実施されていない状況だ。ハイチ、北朝鮮、そして多くのアフリカの国々では、ワクチンがまったく接種されていない。とりわけ、現在新型コロナ感染症の被害が最も深刻なブラジルとインドでは、人口の大半がまだワクチン接種を受けていない状況だ(ブラジルは人口100人あたり26回、インドは14回しかワクチン接種を受けていない)。

「Our World in Data(データで見る私たちの世界)」は、オックスフォード大学と、教育慈善団体のザ・グローバル・チェンジ・データ・ラボ(The Global Change Data Lab)が共同で制作している。Webサイトでは新型コロナ感染症のパンデミックに関して、各国における毎日の感染者数からワクチン接種数検査実施率に至るまで、膨大な量のあらゆるデータがインタラクティブ・チャートやビジュアル化された形で公開されている。