主張:グーグルは性別「その他」の選択肢をやめるべきだ
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Software can do better than ‘male,’ ‘female,’ and ‘other’ 主張:グーグルは性別「その他」の選択肢をやめるべきだ

トランスジェンダーである筆者は、オンラインで疎外感を覚えることがしばしばある。Webフォームの「ジェンダー」の選択肢を変更することは、プログラムのコーディングの観点では難しくないはずだ。 by Everett Franchuk2022.09.02

私のようにトランスジェンダーでノンバイナリーの人にとって、「男」と「女」だけに整理された社会には疎外感を覚える。そうした疎外感を覚えることは、特にオンラインではよくあることだ。

Gメールを例に取ってみよう。登録時にジェンダーの選択肢は3つある。「その他」を選ぶと、どんなジェンダー・アイデンティティでも記入できる。だが、その前に、グーグルにあなたをどう呼んで欲しいか、「男」か「女」か「その他」かを選ばなくてはならない。

なぜ「その他」などと非人間化するような言い方をするのだろう。一番よく使われる3つの代名詞「he」「she」「they(日本版注:ノンバイナリーの単数代名詞)」から選ばせるならまだ理解できる。プログラムをコーディングしている開発者の立場から言うなら、ドロップダウンの言葉を更新するのはとても簡単なことだ。

既存の入力フォームでジェンダー包摂を改善するのは企業にとって難しいことではないはずだ。多くの場合、数行のコードを変更するか追加すればいい。多くのWebフォームで使われているPHPのコードで、第3のジェンダー・カテゴリーを追加するとどうなるかを以下に示そう。

もちろん、どのソフトウェアでも簡単に更新できるわけではない。このため開発者は、設計段階から包摂性の高いプログラムを作ることが重要となる。そうすれば多様なジェンダーのユーザーは立ち上げ当初から歓迎されていると感じるはずだ。

マイノリティではあってものの、トランスの人々はソフトウェアにとって大きなターゲット層だ。推計によれば、米国でトランスジェンダーの成人は140万人を上回る。これはアラスカ州の人口の約2倍だ。最も人口の少ない州のひとつが何十もの州をアルファベット順に並べたメニューで上から2番目にあるのを何とも思わないのに、ジェンダーをもういくつか追加するのが都合悪いなんて、どういうわけだろう?

「女」と「男」はリストの最上位にあるべきだ。そうすれば人口の99.5%は自分のジェンダーを見つけるまで余計にスクロールする必要がなくなる。私はただ、トランスの一人として、開発者が自分のソフトウェアを使う全ての人のために選択肢を追加してくれるようにお願いしているだけだ。ソフトウェア開発者である私は、それが過剰な要求ではないことを知っている。

筆者のエバレット・フランチュクは、カナダのマニトバ州ウィニペグに本拠を置くWeb開発者兼ライター。