生物工学/医療
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2025 Innovator of the Year: Sneha Goenka for developing an ultra-fast sequencing technology
13歳の心臓病患者救った高速DNA解析、カギは「ストリーミング」
遺伝的診断には通常7週間かかるが、それでは重症児の命を救えない。プリンストン大学のスネハ・ゴエンカ助教授は、動画のストリーミングのようにデータが部分的に届き始めたら処理を始める手法で、大幅な時間短縮を達成。医療現場で遺伝子検査をより使いやすいものにしている。 by Helen Thomson2025.12.11
- この記事の3つのポイント
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- プリンストン大学のゴエンカ助教授らは遺伝的診断を8時間以内で完了する高速ゲノム解析システムを開発した
- 集中治療室の子どもの4分の1が未診断の遺伝性疾患を抱えるが従来の診断には最大7週間を要していた
- 技術の商業化に向けスタートアップ設立を準備し診断時間を6時間まで短縮する改良も進めている
集中治療室に入院する子どもの最大4分の1が、未診断の遺伝性疾患を抱えている。適切な治療を受けるには、まず診断が必要であり、そのためにはゲノム・シーケンシング(塩基配列解読)が必要だ。このプロセスには通常最大7週間を要するが、重篤な子どもの命を救うには、それでは遅すぎることが多い。
世界中の病院は、まもなくより迅速な診断手段を手に入れられるかもしれない。それは、プリンストン大学電気・計算機工学科の助教授であるスネハ・ゴエンカが一部を構築した、画期的なシステムのおかげである。彼女は、MITテクノロジーレビューの2025年の「35歳未満のイノベーター」にも選ばれている。
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