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Hyperscale AI data centers: 10 Breakthrough Technologies 2026 ハイパースケールAIデータセンター

ハイパースケール・データセンターは現在、革新的なアーキテクチャでAIモデルを動かしている。だが、そのエネルギーコストは驚異的でもある。

by Michelle Kim 2026.02.08
VICHHIKA TEP/MIT TECHNOLOGY REVIEW | ADOBE STOCK
キープレイヤー
アマゾン、グーグル、マイクロソフト、メタ(Meta)、エヌビディア(Nvidia)オープンAI(OpenAI)
実現時期
実現済み

広大な農地や工業団地に、コンピューターのラックが詰め込まれた超大型の建物が次々と建設され、人工知能(AI)競争を支えている。これらの工学的驚異は、インフラの新たな形態である。大規模言語モデル(LLM)を途方もない規模で訓練・実行するために設計されたスーパーコンピューターで、専用チップ、冷却システム、さらには電力供給まで自前で備えている。

ハイパースケールAIデータセンターでは、エヌビディア(Nvidia)のGPU(画像処理装置)である「H100」などの専用チップを数十万個束ねて、1台の巨大スーパーコンピューターのように動作する同期クラスターを構成している。これらのチップは、膨大なデータを並列処理するのに非常に優れている。数十万マイルに及ぶ光ファイバーケーブルが、まるで神経系のようにチップ同士を結びつけ、超高速通信を可能にしている。巨大なストレージ・システムが24時間体制で稼働し、チップに継続的にデータを供給している。

オープンAI(OpenAI)、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、メタ(Meta)といったテクノロジー企業は、このインフラに数千億ドル規模を投資している。政府も巨額の資金を投入している。

だが、この驚異的な計算能力には代償がある。高密度に集積されたチップは非常に高温となり、空調だけでは冷却できない。そのため、水冷プレートに取り付けられたり、冷却液の槽に浸されたりしている。次は海水での冷却が検討されているかもしれない。

現在建設中の最大規模のデータセンターは、1ギガワットを超える電力を消費する可能性があり、これは1つの都市全体をまかなえるほどの量である。その電力の半分以上は化石燃料由来で、再生可能エネルギーが賄うのは全体の4分の1強にすぎない。一部の大手AI企業は原子力発電に活路を見出しており、グーグルは宇宙に太陽光発電のデータセンターを建設する夢を抱いている。

こうしたデータセンター建設の狂騒は、AIのスケーリング法則と、恋人として振る舞うアニメのキャラクターからフィットネスアプリに至るまで、あらゆるものにこのテクノロジーが組み込まれるという爆発的な需要の増大によって加速している。しかし、こうした電力大量消費施設を抱える地域社会が、電気料金の高騰水資源の逼迫騒音、そして大気汚染といった問題に直面する中で、一般市民がその建設コストを今後何年にもわたって負担することになるかもしれない。

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