KADOKAWA Technology Review
×
日本発・世界を変える「U35 イノベーター」募集中!
「凍った煙」で火星を地球化
人類移住の道開く新提案
NASA/JPL-Caltech
宇宙 無料会員限定
We might grow plants on Mars by warming the ice caps with “frozen smoke”

「凍った煙」で火星を地球化
人類移住の道開く新提案

火星を第2の地球にするためには、火星の表面を温める必要がある。火星の氷冠にシリカエアロゲルを設置して熱を閉じ込め、液体の水を作るというハーバード大学の研究者らの計画は荒唐無稽に思えるかもしれないが、いつの日か、この方法によって火星表面で植物を栽培できるようになるかもしれない。 by Charlotte Jee2019.08.08

火星を人類のある種の「プランB」とする考えは、我々の文化意識にしっかりと組み込まれている。人類が火星に入植し、テラフォーミング(地球化)する様を描いたキム・スタンリー・ロビンソンの壮大な火星三部作で想像されていたように、火星に永住する可能性があるなら我々は火星の表面を大幅に温める必要がでてくるだろう。

それはとてつもない難題になるだろう。火星の大気はほとんど二酸化炭素だが、生命にとって極めて重要な成分である液体の水を維持するには濃度が薄すぎるし、温度が低すぎる。加えて、火星表面は危険なレベルの紫外線にもさらされている。

米国航空宇宙局(NASA)は既に、火星全体を温めることは非現実的であると結論を出している。そのために必要なテクノロジー(たとえば、ロビンソンの小説『グリーン・マーズ』にあったスペース・ミラーのようなもの)がいまだに存在せず、大気に十分な厚みを持たせられるだけの量の二酸化炭素が火星表面に存在しないからである。

しかし、ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)に掲載された最新の論文では、火星の氷冠の特定の場所にシリカエアロゲル(ゲルから合成された多孔質の超軽量固体)を使用することで、はる …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The UK’s generational tobacco ban might not work. I’m supporting it anyway. 2009年以降生まれには一生売らない——英「たばこ根絶」への賭け
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Four nuclear reactors hit a big milestone in the US 米原子炉スタートアップ4社が臨界達成、原発新時代の幕開けか?
  4. Interview with Prof. Keisuke Fujii 量子コンピューター、「設計思想」を問う段階へ——藤井啓祐教授に聞く
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る