ロボットにしかできない
外科手術
人間の目の内部で精密な手術ができる機械の出現により、今まで不可能だった手術が可能になる。 by Simon Parkin2017.01.20
昨年9月、オックスフォード大学のロバート・マクラーレン教授(眼科)は、小型のロボットアームをウィリアム・ビーバー神父の目の中に刺し入れた。70歳になるビーバー神父は最近、片目の網膜を覆う薄膜が収縮して、網膜が歪んでしまい、鏡だらけの世界に住んでいるような状態になってしまったのだ。
ジョイスティックとカメラ画像を使って、マクラーレン教授はロボット網膜切開装置 (R2D2:Robotic Retinal Dissection Device) のアームを操作して目の表面を浅く切開し、そこから網膜を覆う収縮した薄膜を引き上げた。100分の1mm以下の浅さの切開だ。手術のおかげで、ビーバー神父は元通りに見えるようになった。
人間の目をロボットで手術したのは、これが世界初だ。9月以降、オックスフォード大学付属ジョン・ラドクリフ病院(イングランド)では、他に5人の患者がロボット手術を受けた。そのうちの一例では、網膜本体に網膜変性の進行を止める遺伝子療法用のウイルスを移植した。R2D2によって、前例がないほど精密な手術が初めてできるようになったのだ。
マクラーレン教授は「ロボットのおかげで腕が上がり、磨きがかかったんですよ。完全にロボット任せでも、万事うまくやってくれるでしょうね」という。
この10年間で、ロボットを使った手術は当たり前になった。特にダ …
- 人気の記事ランキング
-
- Can the US battery market untangle from China? 送電網の蓄電池から中国製を締め出し、米国が払う「自立」の代償は
- Promotion How AI could reshape Japan’s white-collar workforce 【10/6開催】AIで浮いた人材、次の一手は地方に——冨山和彦氏ら登壇
- Donated livers can be made biologically younger 「若返る」提供肝臓、機械灌流が生物学的年齢を逆戻りさせる
- Meet a mouse whose brain cortex is made up of human cells 脳容積の半分がヒト細胞に、スタンフォード大が作った「異種皮質マウス」
- This geneticist’s age-reversal tech could help restore sight 失明マウスの視力回復に成功、若返りブームの震源となった研究者
