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Embryo scoring: 10 Breakthrough Technologies 2026 胚スコアリング

高度で利用しやすくなった胚の遺伝子検査は、現在では両親が将来の赤ちゃんの最良の特性を選択できる方法として販売されている。

by Julia Black 2026.02.09
VICHHIKA TEP/MIT TECHNOLOGY REVIEW | ADOBE STOCK
キープレイヤー
ジェノミック・プレディクション(Genomic Prediction)、ヘラサイト(Herasight)、オーキッド(Orchid)
実現時期
実現済み

多くの米国人は、重篤な遺伝性疾患に関して胚をスクリーニングすることは容認できると考えている。しかし、将来の子どもの外見、行動、知能に関連する特性を検査することについて「問題ない」と答える人ははるかに少ない。それにもかかわらず、現在いくつかのスタートアップ企業が、まさにそれを可能にする手法だと主張するサービスを宣伝している。

着床前遺伝学的検査(PGT)は、1990年代から何らかの形で実施されてきた。染色体異常や単一遺伝子疾患を対象とした確立済みの検査は、現在より広く利用可能になりつつある。これは、重篤な遺伝性疾患を子どもに遺伝させるリスクを抱える将来の親にとって朗報である。

近年、スタートアップ企業が提供を始めたのが、「PGT-P」と呼ばれる新たなタイプの検査、すなわち多因子疾患(そして一部の企業が主張するには形質)に対する着床前遺伝学的検査である。これらの状態や特性は、数百から数千の遺伝的変異の相互作用によって生じる。PGT-Pによって算出される多遺伝子リスクスコアは、将来その胚が茶色い目になる可能性、高いIQを持つ可能性、あるいは低身長になる確率などを統計的に示し、親が「最良の胚」を選ぶ手段を提示する。

2019年には、ジェノミック・プレディクション(Genomic Prediction)という企業がPGT-Pの初の臨床応用を導入した。数年後にはオーキッド(Orchid)がこれに続き、より包括的なタイプのシーケンシングを提供した。両社は商業化を進める中で、主に重篤な疾患に焦点を当ててきた。しかし2025年、新たに登場した競合企業であるヘラサイト(Herasight)とニュークリアス・ジェノミクス(Nucleus Genomics)は、知能を含む幅広い特性に対するスクリーニングが可能であると大胆に主張し始めた。

当然ながら、最大で5万ドルに達するこの新たな検査技術は極めて物議を醸している。一部の批判者は、優生学に繋がる危険性を警告し、また別の批判者は、これらのスコアの臨床的有用性に疑問を呈している。支持者でさえ、これらのスコアは確実性ではなく、やや限定的な意味を持つ確率にすぎないことを認めている。

それでもなお、この取り組みはシリコンバレーで注目を集めており、イーロン・マスクやピーター・ティールといったテック業界の巨頭たちが、この検査を提供する企業を支援している。そして現在では、この技術はより広く一般に利用可能になりつつある。今日、PGT-Pは米国の100以上の不妊治療クリニックで提供されており、こうした競争によって価格の低下、利用の拡大、そしてすべてのPGTサービスの品質向上が期待されている。

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