KADOKAWA Technology Review
×
暗号通貨バブル崩壊でもアクセル全開、バイナンスの「ヤバい」戦略
"Man holding magnifying glass over Binance logo" by MARCO VERCH | FLICKR
ニュース 無料会員限定
It’s still 2017 for one crypto exchange

暗号通貨バブル崩壊でもアクセル全開、バイナンスの「ヤバい」戦略

暗号通貨取引所バイナンス(Binance)の勢いが止まらない。だが、脱法的とも言える同社の手法がいつまで通用するのか、先行きは不透明だ。 by Mike Orcutt2019.04.12

ブロックチェーンの世界の大半が暗号通貨の「冬の時代」を実感している。だが、世界的に大人気の暗号通貨取引所「バイナンス(Binance)」は、どうやら独自の景気感覚を持っているらしい。市場が全般的に下降する中、バイナンスは2017年の強気相場から始まった華々しい成長を続けている。その大きな理由として、バイナンスがいまでもこの強気相場が終わっていないかのように振舞い続けていることが挙げられる。

特に新規暗号通貨公開(ICO)にまつわる市場の熱狂ぶりに関してはそうだ。ICOトークン販売用に新たなプラットホーム「バイナンス・ローンチパッド(Binance Launchpad)」を開設し、今年すでに3回のICOを実施している。3月下旬だけでもセラー・ネットワーク(Celer Network)というブロックチェーン・スケーリングのスタートアップ企業が、ローンチパッド経由で20分もたたないうちに400万ドルを調達した。

だが、バイナンスの全体戦略は、世界中の政策立案者と一か八かのいたちごっこを繰り返し、規制上の説明責任を回避することに依存しているように見える。この戦略には当然ながら、いつかは捕まってしまうというリスクが伴う。

バイナンスは利用者の身元確認に関する規則が比較的緩いことで知られ、米国や西ヨーロッパ、その他の主要経済国におけるマネーロンダリング防止規則に抵触し …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
  4. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る