接触追跡アプリはどうなったのか?この冬、今知っておくべきこと
新型コロナウイルス感染症対策の一環として、接触者追跡アプリが登場してから半年が経つ。感染症対策と経済対策の両立へ向けてアプリの利用拡大が期待されるものの、いまだ課題は山積している。 by Cat Ferguson2020.12.14
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な流行)が始まった当初、「後に検査で陽性と分かった人と接触した場合、スマートフォンに警告が送られてくる」という一見するとシンプルなコンセプトに基づいて、数多くの競合するプロジェクトが立ち上がった。そんな中、すぐにあるシステムが大きな注目を浴びることになった。それはアップルとグーグルという思いもよらない協力関係によって設計されたシステムで、5月に最初のバージョンが公開された。
アップルとグーグルの接触追跡アプリの仕組み
接触通知をオンにすると、スマホがBluetoothを使って、同じように通知をオンにしている近くのスマホを継続的に検索するようになる(バックグラウンドで動作し、余計なバッテリーを消費しないように設計されている)。
2台のスマホは接続すると、互いに匿名のIDコードを交換する。スマホの向きや相手のデバイスからの信号強度などを基に、互いの距離を推測し、近くにいた時間を記録する。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査陽性者は、接触した可能性のある人に通知をしてよいかどうか、保健当局から尋ねられる。同意すると保健当局から、アプリに入力するコードが提供される。このコードは、自分のスマホのIDコードを中央サーバーに送信することを許可するためのもので(許可しても匿名性は保たれる)、中央サーバーは州または国の保険機関によって管理されている。
その間、アプリがインストールされているスマホは、新しい陽性者のIDがサーバーに登録されているかを定期的にチェックし、過去2週間に収集したIDと相互参照する。
陽性者のデバイスの約1.8メートル以内に、少なくとも1日あたり15分間以上いたとスマホが判断した場合、感染の可能性があるとの警告を発し、次に何をするべきか情報を提示する。
効果的な接触追跡とは?
人力にせよ、アプリにせよ、効果的な接触追跡は3つの要素で構成される。感染者の特定、感染者と接触した人の特定、接触者に自宅待機を説得、という3つだ。
検査を受けるか受けないかは、依然として根本的な問題だ。ユーザーが新型コロナウイルス検査を受けなければ、アプリは機能しないからだ。そして検査を受けたとしても、陽性と判定された人が、アプリに結果を入力しても良い …
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