フラッシュ2022年3月6日
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NTTが超低遅延の映像分割表示技術、「リモート合奏」で実証
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]NTTは、複数の拠点間で映像をリアルタイムでやり取りする超低遅延の映像分割表示処理技術を開発。遠隔地にいる楽器演奏奏者を結んだ合奏で実証実験を実施した。
従来のWeb会議技術ではネットワーク回線の遅延に加え、各拠点からの映像を縮小・分割表示する処理に時間がかかっていた。各拠点から映像フレームが届くタイミングにはズレがあり、すべてのフレームが揃うのを待って画面に表示していたためだ。このため、楽器演奏などで参加者が画面越しに他の参加者に正確に動きを合わせるのが難しかった。NTTが開発した新手法では、各拠点の映像のうち、届いたフレームから分割してすぐに表示する手法を採った。この手法をFPGAで処理させるハードウェアで実証したところ、画面分割から表示までの時間を10ミリ秒程度以下に抑えられたという。
NTTは光ベースの技術をエンド・ツー・エンドで導入することで低遅延化を目指す「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」の開発を進めている。今回の取り組みはその特性を活かしたアプリケーションの1つ。今後は、事業性を検討した上で実用化を目指すという。
(笹田)
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