フラッシュ2022年3月23日
-
ダイヤモンド接合の窒化ガリウムトランジスターを開発=大阪市大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]大阪市立大学などの研究グループは、ダイヤモンドに接合した窒化ガリウム層を熱加工し、トランジスターを作成することに成功した。窒化ガリウムトランジスターは、携帯電話の基地局などで利用されているが、動作時の発熱が問題となっており、使用時には大型の放熱部材が欠かせない。ダイヤモンドは熱伝導率が高く、効率よく熱を逃がせるため、シリコン上に作成したトランジスターに比べて放熱性が高く、窒化ガリウム層の劣化も防げるという。
研究グループは2021年9月に窒化ガリウムとダイヤモンドを直接接合させ、1000℃の熱処理に耐えることを実証済み。今回はダイヤモンドに直接接合した窒化ガリウムを800℃で熱処理することで、放熱性能に優れたトランジスターを作成することに成功した。トランジスターを作成してからダイヤモンドと接合する研究は数多くあったが、トランジスターの大面積化は困難だった。窒化ガリウムとダイヤモンドを接合してからトランジスターを作成することに成功したことで、窒化ガリウムトランジスターをレーダーやインバーターなどの大電力用途にも使用できる見込みが高まった。
研究成果は3月8日、「アプライド・フィジクス・エクスプレス(Applied Physics Express)」誌にオンライン掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- The great AI hype correction of 2025 GPT-5ローンチ失敗、 企業95%が成果出せず … 転換期を迎えたAIブーム
- AI might not be coming for lawyers’ jobs anytime soon そして弁護士の仕事は残った 「44%自動化」の誇大宣伝 司法試験クリアも実務遠く
- 4 technologies that didn’t make our 2026 breakthroughs list 2026年版「世界を変える10大技術」から漏れた候補4つ
- Text-to-image AI models can be tricked into generating disturbing images AIモデル、「脱獄プロンプト」で不適切な画像生成の新手法