KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
気候テック10:中国独占に対抗、レアアース再生のサイクリック
Courtesy of Cyclic Materials
気候変動/エネルギー Insider Online限定
2025 Climate Tech Companies to Watch: Cyclic Materials and its rare earth recycling tech

気候テック10:中国独占に対抗、レアアース再生のサイクリック

レアアースに対する需要が高まる一方で、レアアースのサプライチェーンは中国の支配下にあり、供給は不安定な状況にある。サイクリック・マテリアルズは使用済み機器からレアアースを回収・リサイクルする施設を展開することで、この状況を変える。 by Maddie Stone2025.10.13

この記事の3つのポイント
  1. サイクリック・マテリアルズが2026年に中国以外で最大級のレアアース磁石リサイクル事業を開始予定
  2. 現在世界全体で使用済み機器からリサイクルされるレアアースはわずか0.2%に留まっている状況
  3. 中国のサプライチェーン支配と輸出規制強化により代替供給源確保が急務となっている
summarized by Claude 3

強力なレアアース磁石は、電気自動車のモーターや風力タービンの発電機から、スマートフォンやロボットまで、多くの先端技術の中核を担っている。エネルギー転換の進展に伴い、ネオジムなどの主要磁石金属の需要は急増すると予想されており、新たな供給源が緊急に必要とされている。特に、レアアースのサプライチェーンを支配し、最近の米国の関税に対応して輸出規制をさらに強化した中国以外での供給源が求められている。

ほぼ未開拓の供給源の一つが、毎年廃棄される大量のレアアース磁石を含有する機器である。中国では、レアアース磁石メーカーが製造工程で発生するスクラップを大量にリサイクルしており、より少数ながら製品寿命を迎えた磁石もリサイクル用に回収されている。しかし世界全体では、使用済み機器からリサイクルされるレアアースはわずか0.2%に過ぎない。これは主に、数十億台の古いガジェットに内蔵された磁石を回収することが困難だからである。

サイクリック・マテリアルズはこの課題に取り組もうとしている。同社の2段階リサイクルプロセスでは、まずレアアース含有機器を「スポーク」施設に集める。機器は破砕され、磁石廃棄物は鋼鉄部品やその他のリサイクル可能金属から分離された後、集約型の「ハブ」施設に送られる。そこで同社は化学抽出プロセスを用いて、精製されたレアアース金属の …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
  4. How to help friends and family dig out of a conspiracy theory black hole 家族が陰謀論にハマったら: 専門家が語る、 5つの現実的アプローチ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る