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LLMは研究の対象ではない
AI界の異端児ヤン・ルカン
新会社設立の狙いを語る
AP Photo/Thibault Camus
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Yann LeCun's new venture is a contrarian bet against large language models  

LLMは研究の対象ではない
AI界の異端児ヤン・ルカン
新会社設立の狙いを語る

チューリング賞受賞者のヤン・ルカンがメタを退社し、パリに新会社AMIを設立した。「LLMはすでに製品であり、研究対象ではない」「学術界はLLMに取り組むべきではない」と訴える業界の異端児が、世界モデルという対案と新会社の狙いを独占インタビューで語った。 by Caiwei Chen2026.01.26

この記事の3つのポイント
  1. チューリング賞受賞者ヤン・ルカンがメタを離れ、パリに本社を置く新会社AMIを設立した
  2. 米中二極構造への対抗として欧州発のオープンソースAI企業創設を目指している
  3. 現在主流のLLMには限界があり、物理世界を理解する世界モデルが真の知能実現の鍵となる
summarized by Claude 3

ヤン・ルカンはチューリング賞受賞者であり、人工知能(AI)分野のトップ研究者だが、長年にわたりテック業界では異端児的な存在だった。ルカンは、現在業界が大規模言語モデル(LLM)に夢中になっているのは見当違いであり、最終的には多くの喫緊の課題を解決できないと考えている。

その代わりに、ルカンは「世界モデル」——現実世界の動態を正確に捉える異なるタイプのAIにこそ賭けるべきだと主張する。また、オープンソースの強力な支持者であり、オープンAI(OpenAI)やアンソロピック(Anthropic)のクローズドなアプローチを批判している。

したがって、ルカンが最近、自ら設立した影響力ある研究所「FAIR(Fundamental AI Research)」の主任科学者を務めていたメタ(Meta)を離れたことも、驚くにはあたらないかもしれない。メタは、オープンソースのAIモデル「Llama(ラマ)」を出しているがさほど注目されることなく、スケールAI(ScaleAI)の物議を醸した買収を含め、社内の混乱を経験している。

ルカンはパリの自宅アパートからMITテクノロジーレビューの独占インタビューに応じ、自身の新たな取り組み、メタ退社後の生活、AIの未来、そして業界が誤った方向に進んでいると考える理由について語った。

なお、以下のインタビューは、発言の趣旨を明確にし、長さを調整するため、編集されている。

——あなたは新会社、アドバンスト・マシン・インテリジェンス・ラボ(Advanced Machine Intelligence:AMI)を発表したばかりです。その背景にある大きなアイデアについて教えてください。

本社はパリに置きますが、グローバル企業になる予定です。「ami」はフランス語で「友達」を意味し、そのまま「アミ」と発音します。欧州には優れた人材が豊富に存在しますが、才能が開花するための適切な環境が常に整っているとは限りません。そして、米国でも中国でもない信頼できるフロンティアAI企業に対する、産業界や政府からの大きな需要が確実に存在します。これは我々にとって大きな追い風になるでしょう。

——現在の米中二極構造に対する野心的な代替案ですね。その第三の道を追求したいと思った理由は何でしょうか。

多くの国々にとって、これは主権(ソブリン)の問題です。彼らはAIに対するある程度の制御を望んでいます。私が提唱しているのは、AIは将来的にプラットフォームになるということ、そしてほとんどのプラットフォームは最終的にオープンソースになる傾向があるということです。残念ながら、これは米国の産業界が進もうとしている方向とは異なります。競争が激しくなるにつれて、企業は秘密主義を強いられていると感じているのです。私はそれが戦略的な誤りだと思います。

これは確実にオープンAIに当てはまります。同社は非常にオープンだった状態から、非常にクローズドな体制へと変わりました。アンソロピックは最初からクローズドでした。グーグルはある程度オープンでした。そしてメタについては、今のところあまり前向きな方向に向かっていないように感じます。

一方で、中国はこのオープンなアプローチを全面的に受け入れています。そのため、現在の主要なオープンソースAIプラットフォームはすべて中国製となっており、結果として、米国外の学術界やスタートアップは基本的に中国のモデルを採用しています。それ自体には問題はありません。中国のモデルは優れており、中国のエンジニアや科学者もすばらしいです。ただし、もし将来、私たちの情報摂取のすべてがAIアシスタンスを通じてなされるようになり、その選択肢が、米国の独占企業が英語話者向けに設計したプロプライエタリ(独占的)モデルか、あるいはオープンソースではあるものの1989年の天安門事件に関する質問に答えさせるにはファインチューニング(微調整)が必要な中国モデルだけになってしまうのであれば、それは望ましくも魅力的でもない未来です。

将来のモデルは、誰でも微調整でき、異なる言語能力、価値観、政治的バイアス、関心の中心を持つ、非常に多様なAIアシスタンスを生み出せるべきです。報道の多様性が必要とされるのと同じ理由で、アシスタンスの多様性も必要なのです。

——確かに説得力のある提案ですね。これまでのところ、投資家はそのアイデアをどう受け止めていますか。

投資家の反応は非常に好意的です。多くのベンチャー・キャピタリストがオープンソースの考え方を強く支持しています。というのも、多くの小規模スタートアップは、オープンソース・モデルに大きく依存していることを理解しているからです。彼らには自前でモデルを訓練する手段がなく、プロプライエタリなモデルに依存するのは戦略的に危険なのです。

——あなたは最近、メタを離れました。同社やマーク・ザッカーバーグCEOのリーダーシップについてどう評価していますか? メタがAIの優位性を活かしきれなかったという見方もあります。

FAIR(メタでルカンが所属していた研究所)は研究部分で非常に成功したと思います。メタがあまり成功しなかったのは、その研究成果を活用し、実際の技術や製品へと発展させることでした。マークは会社にとって最善だと考える選択をしましたが、私がすべてに同意していたわけではありません。たとえば、FAIRのロボット工学グループが解散されたことは、戦略的に間違いだったと思います。しかし私はFAIRの所長ではありません。人々は合理的に意思決定をするものであり、それに腹を立てる理由はありません。

——つまり、わだかまりはないということですね。メタがAMIの将来のクライアントになる可能性もありますか?

メタが我々の最初のクライアントになるかもしれませんよ!様子を見まし …

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