大手銀行も触手、
暗号通貨を完全匿名化する
「ゼロ知識証明」
仮想通貨でよく話題になるプライバシーに関して言うと、ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンには完全な匿名性はない。しかしここに来て、「ゼロ知識証明」を用いることで完全な匿名性を備えたブロックチェーンが登場している。 by Mike Orcutt2017.11.28
信じ難いことかもしれないが、テクノロジーに関心のある人たちのなかにも、ビットコインやイーサリアムといったブロックチェーンがハイテク業界の主流に大きく影響を与えることはないのではないか、と思っている人は未だに多い。会話のなかでプライバシー関係の話題になると、こういった人たちの懸念は、2種類のうちどちらかだ。これらのシステムは、いずれ何百万人ものユーザーが使うことになるかもしれないアプリケーションとしてはあまりにも匿名性が高いというものと、あまりにも追跡可能性が高いというものだ。
だが「ゼロ知識証明」と呼ばれる暗号プロトコルの基礎となる複雑な数学が、現在多くの人が抱えているブロックチェーンのプライバシーに関する概念をどうやら覆しそうだ。そしてその過程で、数々の新しいアプリケーションが生まれる可能性もある。
ビットコインやイーサリアム、および他のほとんどのパブリック・ブロックチェーン(誰でも参加できるブロックチェーン)は、実際のところは仮名なのであって、真に匿名なのではない。ネットワーク上で取引する個人は、アドレスと呼ばれる公開表示された数字や文字列で表される(「What Bitcoin Is, and Why It Matters」を参照)。
特定の個人の本名をその個人のアドレスと結びつける者がいない限り、その人の取引は事実上、隠すことがで …
- 人気の記事ランキング
-
- What you may have missed about GPT-5 肩透かしだったGPT-5、オープンAIの方針転換に危うさ
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #34 【9/10開催】伝説の玩具「アームトロン」開発者が誕生秘話を語る
- Five ways that AI is learning to improve itself 迫る「知能爆発」の兆し、 AIによるAIの進化は 5つの領域で起きている
- Meet the early-adopter judges using AI 司法を侵食するAIの功罪、 米国では判事も ハルシネーションに騙された
- Losing GPT-4o sent some people into mourning. That was predictable. 「友を失った」ユーザーの悲痛、オープンAIが見誤ったAIへの愛着